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公開番号
2024140723
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052027
出願日
2023-03-28
発明の名称
表示制御方法、表示制御装置、及びヘッドアップディスプレイ装置
出願人
日本精機株式会社
代理人
主分類
B60K
35/23 20240101AFI20241003BHJP(車両一般)
要約
【課題】車両の姿勢変動による画像(仮想オブジェクト)の仮想現実感の低下を抑制する。
【解決手段】ヘッドアップディスプレイ装置は、車両の前方の路面と重なる虚像表示領域VS内の第1の領域VS10に表示される第1虚像V10と、第1の領域VS10より虚像表示領域VSの上下方向の端部に近い第2の領域VS20に表示される第2虚像V20と、を少なくとも表示させ、車両1の姿勢変動による虚像と路面との相対的な位置ズレを抑制するために、姿勢変動量情報に合わせてダイナミックに変化する第1位置調整量を設定し、車両の姿勢が変化した場合、第1虚像V10の位置を、第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、第2虚像V20の位置を、第1画像調整処理よりも車両の姿勢変化に対する虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行する。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され、表示面に画像を表示する表示部を有し、前記画像の光を被投影部に向けることで、前記車両の前方の路面と重なる虚像表示領域内に虚像を重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置を制御する表示制御方法であって、
前記虚像表示領域内の第1の領域に表示される第1虚像と、前記第1の領域より前記虚像表示領域の上下方向の端部に近い第2の領域に表示される第2虚像と、を少なくとも表示させることと、
前記車両の姿勢変動を示す姿勢変動量情報を取得することと、
前記車両の姿勢変動による前記虚像と前記路面との相対的な位置ズレを抑制するために、前記姿勢変動量情報に合わせてダイナミックに変化する第1位置調整量を設定することと、
前記車両の姿勢が変化した場合、
1)前記第1虚像の位置を、前記第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、
2)前記第2虚像の位置を、前記第1画像調整処理よりも前記車両の姿勢変化に対する前記虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行することと、を含む、
表示制御方法。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
前記車両の姿勢変動の予測を示す情報又は前記車両の姿勢変動予測値を含む予測関連情報をさらに取得することと、
前記予測関連情報に基づき、前記車両の姿勢変動の予測が第1の予測状態である場合、
1)前記第1虚像の位置を、前記第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、
2)前記第2虚像の位置を、前記第1画像調整処理よりも前記車両の姿勢変化に対する前記虚像の位置の調整を抑制する第2画像調整処理を実行することと、
前記車両の姿勢変動の予測が前記第1の予測状態よりも小さい第2の予測状態である場合、
3)前記第1虚像の位置及び前記第2の虚像の位置を、前記第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行することと、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記車両の姿勢変動が大きい、又は前記車両の姿勢変動が頻繁であると判定される場合、前記第2画像調整処理を実行するコンテンツの数を増やすこと、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記車両の姿勢変動が所定の閾値以上に変化した後、前記車両の姿勢変動が前記所定の閾値未満になった場合、前記第2虚像の位置を、前記第2画像調整処理から前記第1画像調整処理に切り替えて調整すること、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記第2画像位置調整処理を実行すると、前記第2虚像が前記虚像表示領域の第2の位置調整範囲内に配置される状態から前記第2の位置調整範囲外に配置される状態に変化する場合、前記第1虚像及び前記第2虚像に対し、前記第2画像位置調整処理よりも前記車両の姿勢変化に対する前記虚像の位置の調整を抑制する第3位置調整処理、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記第2虚像を、前記第1虚像より下方に視認されるように配置することと、
前記車両が前傾となり、前記第1画像位置調整処理を実行するとオフセットされる前記第1虚像が、第1の位置調整範囲内に配置される状態から前記第1の位置調整範囲よりも上側に配置される状態に変化する場合、前記第1虚像の位置を前記第1の位置調整範囲内の上方周縁部に固定し、同時に、前記第2虚像の位置を前記第1の位置調整範囲内の前記上方周縁部より下方の所定の位置に固定する第3画像位置調整処理、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記第2虚像を、前記第1虚像より下方に視認されるように配置することと、
前記車両が後傾となり、前記第2画像位置調整処理を実行するとオフセットされる前記第2虚像が、第2の位置調整範囲内に配置される状態から前記第2の位置調整範囲よりも下側に配置される状態に変化する場合、前記第2虚像の位置を前記第2の位置調整範囲内の下方周縁部に固定し、同時に、前記第1虚像の位置を前記第2の位置調整範囲内の前記下方周縁部より上方の所定の位置に固定する第3画像位置調整処理、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記虚像表示領域内の前記第2虚像の上下方向の位置に応じて、前記第2位置調整量を変化させ、前記第2虚像の位置が前記虚像表示領域の上下方向の端部に近いほど、前記第2位置調整量を小さくすること、をさらに含む、
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項9】
車両に搭載され、表示面に画像を表示する表示部を有し、前記画像の光を被投影部に向けることで、前記車両の前方の路面と重なる虚像表示領域内に虚像を重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置を制御する表示制御装置であって、
1つ又は複数の制御回路と、
メモリと、
前記メモリに格納され、前記1つ又は複数の制御回路によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、
前記制御回路は、
前記虚像表示領域内の第1の領域に表示される第1虚像と、前記第1の領域より前記虚像表示領域の上下方向の端部に近い第2の領域に表示される第2虚像と、を少なくとも表示させ、
前記車両の姿勢変動を示す姿勢変動量情報を取得し、
前記車両の姿勢変動による前記虚像と前記路面との相対的な位置ズレを抑制するために、前記姿勢変動量情報に合わせてダイナミックに変化する第1位置調整量を設定し、前記車両の姿勢が変化した場合、
1)前記第1虚像の位置を、前記第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、
2)前記第2虚像の位置を、前記第1画像調整処理よりも前記車両の姿勢変化に対する前記虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行する、
表示制御装置。
【請求項10】
車両に搭載され、表示面に画像を表示する表示部と、
前記表示部からの表示光を被投影部にむけるリレー光学系と、
1つ又は複数の制御回路と、
メモリと、
前記メモリに格納され、前記1つ又は複数の制御回路によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え
前記車両の前方の路面と重なる虚像表示領域内に虚像を重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記制御回路は、
前記虚像表示領域内の第1の領域に表示される第1虚像と、前記第1の領域より前記虚像表示領域の上下方向の端部に近い第2の領域に表示される第2虚像と、を少なくとも表示させ、
前記車両の姿勢変動を示す姿勢変動量情報を取得し、
前記車両の姿勢変動による前記虚像と前記路面との相対的な位置ズレを抑制するために、前記姿勢変動量情報に合わせてダイナミックに変化する第1位置調整量を設定し、前記車両の姿勢が変化した場合、
1)前記第1虚像の位置を、前記第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、
2)前記第2虚像の位置を、前記第1画像調整処理よりも前記車両の姿勢変化に対する前記虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行する、
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両等の移動体で使用され、移動体の前景(車両の乗員から見た移動体の前進方向の実景)に画像を重畳して視認させる表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法等に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【0002】
ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)装置は、車両前方の風景に画像(仮想オブジェクト)を重ねて表示することで、実景又は実景に存在する実オブジェクトに情報などを付加・強調した拡張現実(AR:Augmented Reality)を表現し、車両を運転するユーザの視線移動を極力抑えつつ、所望の情報を的確に提供することで、安全で快適な車両運行に寄与することができるものである。
【0003】
特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、表示基準位置に画像(仮想オブジェクト)を表示し、車両の姿勢変動による画像(仮想オブジェクト)と実景との相対的な位置ずれを抑制するように、車両の姿勢変動に応じて画像を表示基準位置の外側にシフトする。これにより、車両の姿勢変動が生じても、画像と実景との相対的な位置関係が維持される(画像と実景との位置ずれが抑制される)ため、画像を実景にさらに調和させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2018/088362号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の姿勢変動前に、画像が、元々重なって視認されていた実景の領域を重畳実景領域とする。ヘッドアップディスプレイ装置において、車両の大きな姿勢変動によって、虚像表示領域が重畳実景領域に重ならない程ずれてしまった場合、大きな姿勢変動に合わせて画像の位置を調整すると、調整される画像の一部又は全部が、虚像表示領域内に収まらなくなる(表示できなくなる)。姿勢変動によって画像の一部又は全部が欠けてしまうと、虚像の仮想現実感が損なわれ、観察者に違和感を与えることが想定される。
【0006】
また、画像の一部又は全部の欠けをおそれ、姿勢変動に応じた画像の位置調整を行わない場合、画像と実景との相対的な位置関係が車両の姿勢変動に合わせて変化し、仮想現実感が損なわれ、観察者に違和感を与えることが想定される。
【0007】
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載された実施態様と、以下に記載されない種々の態様との組み合わせを包含し得る。
【0008】
本開示の概要は、虚像の視認における違和感を低減することに関する。より具体的には、車両の姿勢変動による画像(仮想オブジェクト)の仮想現実感の低下を抑制する、ことにも関する。
【0009】
したがって、本明細書に記載される表示制御方法、表示制御装置、及びヘッドアップディスプレイ装置は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。本実施形態は、虚像表示領域内の第1の領域に表示される第1虚像の位置を、第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、第1の領域より虚像表示領域の上下方向の端部に近い第2の領域に表示される第2虚像の位置を、第1画像調整処理よりも車両の姿勢変化に対する虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行する、ことをその要旨とする。
【0010】
したがって、本明細書に記載される第1実施態様における表示制御方法は、車両に搭載され、表示面に画像を表示する表示部を有し、画像の光を被投影部に向けることで、車両の前方の路面と重なる虚像表示領域内に虚像を重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置を制御する表示制御方法であって、
虚像表示領域内の第1の領域に表示される第1虚像と、第1の領域より虚像表示領域の上下方向の端部に近い第2の領域に表示される第2虚像と、を少なくとも表示させることと、
車両の姿勢変動を示す姿勢変動量情報を取得することと、
車両の姿勢変動による虚像と路面との相対的な位置ズレを抑制するために、姿勢変動量情報に合わせてダイナミックに変化する第1位置調整量を設定することと、
車両の姿勢が変化した場合、
1)第1虚像の位置を、第1位置調整量に基づき調整する第1画像調整処理を実行し、
2)第2虚像の位置を、第1画像調整処理よりも車両の姿勢変化に対する虚像の位置の調整を抑制した第2位置調整量に基づき調整する第2画像調整処理を実行することと、を含む。これによれば、虚像表示領域内の端部に近い第2虚像を車両の姿勢変動に応じて位置調整を実施して仮想現実感の低下を抑制しつつ、位置調整量を抑制することで、第2虚像の一部又は全部が見切れてしまう(虚像表示領域内に収まらない)ことを防止することができ、一方、虚像表示領域内の上下方向の中央部に近い第1虚像では、車両の姿勢変動による虚像と実景との位置ずれを強力に低減するという利点が想定される。
(【0011】以降は省略されています)
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