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公開番号
2024137794
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2024037915
出願日
2024-03-12
発明の名称
全固体電池
出願人
TDK株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
10/058 20100101AFI20240927BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】塩素含有固体電解質を用いる場合であっても、充放電サイクルの際に酸性ガスにより外装体が腐食されることを抑制可能な全固体電池を提供する。
【解決手段】この全固体電池は、正極活物質を含む正極と、固体電解質層と、負極活物質を含む負極と、がこの順に積層された発電素子と、前記発電素子を封止する外装体と、を備え、前記正極と、前記負極と、前記固体電解質層とのうちの一つ又は複数が塩素元素を含む固体電解質を有し、前記外装体内に塩素系ガストラップ剤が封止されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
正極活物質を含む正極と、固体電解質層と、負極活物質を含む負極と、がこの順に積層された発電素子と、前記発電素子を封止する外装体と、を備え、
前記正極と、前記負極と、前記固体電解質層とのうちの一つ又は複数が塩素元素を含む固体電解質を有し、
前記外装体内に塩素系ガストラップ剤が封止されている、全固体電池。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記塩素系ガストラップ剤は、式(1)で表されるハイドロタルサイトである、請求項1に記載の全固体電池
M1
2+
8-x
M2
3+
x
(OH)
-
16
CO
3
2-
・nH
2
O・・・(1)
(式(1)中、
M1
2+
は、Mg
2+
,Fe
2+
,Zn
2+
,Ca
2+
,Li
2+
,Ni
2+
,Co
2+
及びCu
2+
からなる群から選択される一種又は複数種である。
M2
3+
は、Al
3+
及びFe
3+
及びMn
3+
からなる群から選択される一種又は複数種である。
2≦x≦5、0≦n)。
【請求項3】
前記塩素系ガストラップ剤は、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩である、請求項1に記載の全固体電池。
【請求項4】
前記塩素系ガストラップ剤は、多孔質材料で構成された担持材に5wt%以上20wt%以下で担持されている、請求項3に記載の全固体電池。
【請求項5】
前記塩素系ガストラップ剤は、炭酸カリウム又は炭酸カルシウムである、請求項3に記載の全固体電池。
【請求項6】
前記固体電解質が、式(2)で表されるハライド系固体電解質である、請求項1に記載の全固体電池
A
a
E
b
G
c
X
d
・・・(2)
(式(2)中、
AはLi、K、Naからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。
EはAl、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。
GはOH、BO
2
、BO
3
、BO
4
、B
3
O
6
、B
4
O
7
、CO
3
、NO
3
、AlO
2
、SiO
3
、SiO
4
、Si
2
O
7
、Si
3
O
9
、Si
4
O
11
、Si
6
O
18
、PO
3
、PO
4
、P
2
O
7
、P
3
O
10
、SO
3
、SO
4
、SO
5
、S
2
O
3
、S
2
O
4
、S
2
O
5
、S
2
O
6
、S
2
O
7
、S
2
O
8
【請求項7】
前記外装体は、アルミラミネートであり、
前記塩素系ガストラップ剤は、平面視して前記発電素子よりも外側に位置するシール部分又は折り曲げ部分に配置されている、請求項1に記載の全固体電池。
【請求項8】
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体及び前記固体電解質層の間に設けられた正極合剤層と、を有し、
前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体及び前記固体電解質層の間に設けられた負極合剤層と、を有し、
平面視して前記正極集電体及び前記負極集電体は、前記正極合剤層及び前記負極合剤層よりも大きく、
前記正極合剤層及び前記負極合剤層の外側の領域であって、前記正極集電体及び前記負極集電体の間の領域に前記塩素系ガストラップ剤が形成されている、請求項1に記載の全固体電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロニクス技術の発達はめざましく、携帯電子機器の小型軽量化、薄型化、多機能化が図られている。それに伴い、電子機器の電源となる電池に対し、小型軽量化、薄型化、信頼性の向上が強く望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、フッ素系電解質を含む非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池について開示されている。フッ素系電解質を含む非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池では、非水電解液中に含まれる微量な水分がフッ素系電解質と反応すると、フッ化水素及び三フッ化燐が生成し、更に、有機フルオロ燐酸を発生させる反応が連鎖的に生じることが開示されている。上記反応により電池内圧が上昇すると考えられている。また、上記反応の副生成物として生じる五フッ化燐は、電池内の微量水分と速やかに反応することから、フッ化水素を主成分する気体を発生させる。このフッ化水素は、電池内圧をさらに上昇させると考えられている。
【0004】
電池内圧が上昇すると、電池の破裂や液漏れのリスクが向上する。特許文献1では、このようなリスクを抑制するために、フッ化物イオントラップ機能を有する高分子ゲルで負極表面を被覆する構成にすると開示されている。
【0005】
電池の破裂や液漏れを抑制する安全性の観点から電池の電解質として固体電解質を用いる全固体電池にも注目が集まっている。固体電解質としては、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質、錯体水素化物系固体電解質、ハライド系固体電解質等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-54462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
全固体電池においても、固体電解質として塩素元素を含む塩素含有固体電解質を用いる場合、充放電サイクルの際に酸性ガスが発生し、全固体電池の発電素子を封止する外装体の金属層及び樹脂膜が腐食する場合があった。特許文献1で生じるようなフッ化水素の発生は、初回のSEI形成の際に生じる問題であり、ガス抜きしてから実施すれば問題とならないが、上記のような酸性ガスの発生は充放電サイクルの際に生じる問題であり、電池セル封止後も継続する問題である。酸性ガスの発生により、外装体の腐食が進行すると、電池容量の減少や、電池の短寿命化につながる場合がある。外装体は、例えば、箔状の材料が折り返され、外周がシールされることにより形成されるものである。折り返される部分は、力が加わっており、またシールされている箇所は、他の箇所と比べて腐食しやすい。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、塩素含有固体電解質を用いる場合であっても、充放電サイクルの際に酸性ガスにより外装体が腐食されることを抑制可能な全固体電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
【0010】
〔1〕本発明の一態様に係る全固体電池は、正極活物質を含む正極と、固体電解質層と、負極活物質を含む負極と、がこの順に積層された発電素子と、前記発電素子を封止する外装体と、を備え、前記正極と、前記負極と、前記固体電解質層とのうちの一つ又は複数が塩素元素を含む固体電解質を有し、前記外装体内に塩素系ガストラップ剤が封止されている。
(【0011】以降は省略されています)
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