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公開番号
2024135894
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023046795
出願日
2023-03-23
発明の名称
植物栽培装置および植物栽培方法
出願人
四国計測工業株式会社
,
国立大学法人徳島大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A01G
9/24 20060101AFI20240927BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】少量の水で植物を効率的に栽培することが可能な植物栽培装置および植物栽培方法を提供する。
【解決手段】閉鎖系の植物栽培装置において、植物の葉が露出する上部空間S1を形成する茎葉収容部10と、植物の根が露出する下部空間S2を形成する根収容部20と、下部空間S2に供給する養液を貯留する貯留部30と、養液のミストを発生させて、下部空間S2に放出するミスト発生部31と、下部空間S2に放出するミストを帯電させる帯電部33と、制御部40と、を有し、ミストを下部空間S2内で浮遊させることにより植物の根に養液を供給する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
閉鎖系の植物栽培装置において、
植物の葉が露出する上部空間を形成する茎葉収容部と、
植物の根が露出する下部空間を形成する根収容部と、
前記下部空間に供給する養液を貯留する貯留部と、
前記養液のミストを発生させて、前記下部空間に放出するミスト発生部と、
前記下部空間に放出するミストを帯電させる帯電部と、
制御部と、を有し、
前記ミストを前記下部空間内で浮遊させることにより前記植物の根に養液を供給する植物栽培装置。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
さらに、前記上部空間と前記貯留部とを連通する連絡配管と、
前記上部空間内を除湿する除湿部と、を有し、
前記除湿部で除湿して得られた水が前記連絡配管を通じて前記貯留部に移送される、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
前記ミスト発生部は、前記養液を、平均粒径10μm以下のミストにして前記下部空間に放出する、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ミスト発生部を間欠運転させる、請求項3に記載の植物栽培装置。
【請求項5】
前記根収容部は、前記下部空間にUVAの波長の紫外線を照射する殺菌用照明部を有する、請求項3に記載の植物栽培装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記殺菌用照明部の動作を停止した状態で前記ミスト発生部を一定時間動作させ、前記ミスト発生部の動作を停止してから設定時間が経過した後に、前記殺菌用照明部を動作させる、請求項5に記載の植物栽培装置。
【請求項7】
閉鎖空間において植物を栽培する植物栽培方法において、
植物の根が露出する下部空間を設け、前記下部空間内に帯電した養液のミストを放出し、前記ミストを前記下部空間内で浮遊させることにより前記植物の根に養液を供給する、植物栽培方法。
【請求項8】
前記植物の葉が露出する上部空間と、前記上部空間内を除湿する除湿部を設け、前記除湿部で除湿して得られた水を連絡配管を通じて養液の貯留部に移送する、請求項7に記載の植物栽培方法。
【請求項9】
前記植物が豆類である、請求項7または8に記載の植物栽培方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培装置および植物栽培方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、世界人口の増加により慢性的な食糧不足が危惧されており、砂漠などの水資源が乏しい地域においても、可食植物を栽培することで、食糧不足を解消することが望まれている。昨今では、植物工場における水耕栽培が実用化されているが、噴霧水耕栽培法(ミスト栽培)という方式についても研究が進められている。
【0003】
たとえば、特許文献1では、シュート系(shoot system)と根系(roots system)を分離したトンネルを施設栽培用ビニールハウス又はガラスハウスの内部に設けて、シュート系には噴霧ノズルからCO
2
の噴霧、水の噴霧、気流速度30cms
-1
から50cms
-1
程度の風を発生させ、根系にはミストノズルからO
2
および培養液を噴霧する噴霧水耕栽培法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-082955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来型の植物工場は、広い敷地に専用の工場を建築する必要があり、また稼働するためには複雑な制御システムが必要であった。ミスト栽培においても、既存の建屋に簡単に設置することができ、栽培期間内(たとえば、3~4カ月の期間)において水の補給が不要なシステムは実用化されていない。
【0006】
また、ミストの粒度が大きい(たとえば、平均粒径20μm以上である)と、ミストが空間中に滞在する時間が短いため、植物の根に十分な養液を付着させて吸収させるためには、根に養液を直接噴霧することが必要であるという課題がある。
【0007】
本発明は、少量の水で植物を効率的に栽培することが可能な植物栽培装置および植物栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の植物栽培装置は、閉鎖系の植物栽培装置において、植物の葉が露出する上部空間を形成する茎葉収容部と、植物の根が露出する下部空間を形成する根収容部と、前記下部空間に供給する養液を貯留する貯留部と、前記養液のミストを発生させて、前記下部空間に放出するミスト発生部と、前記下部空間に放出するミストを帯電させる帯電部と、制御部と、を有し、前記ミストを前記下部空間内で浮遊させることにより前記植物の根に養液を供給すること特徴とする。
前記植物栽培装置において、さらに、前記上部空間と前記貯留部とを連通する連絡配管と、前記上部空間内を除湿する除湿部と、を有し、前記除湿部で除湿して得られた水が前記連絡配管を通じて前記貯留部に移送されることを特徴としてもよい。
前記植物栽培装置において、前記ミスト発生部は、前記養液を、平均粒径10μm以下のミストにして前記下部空間に放出することを特徴としてもよい。
前記植物栽培装置において、前記制御部は、前記ミスト発生部を間欠運転させることを特徴としてもよい。
前記植物栽培装置において、前記根収容部は、前記下部空間にUVAの波長の紫外線を照射する殺菌用照明部を有することを特徴としてもよい。
前記植物栽培装置において、前記制御装置は、前記殺菌用照明部の動作を停止した状態で前記ミスト発生部を一定時間動作させ、前記ミスト発生部の動作を停止してから設定時間が経過した後に、前記殺菌用照明部を動作させることを特徴としてもよい。
本発明の植物栽培方法は、閉鎖空間において植物を栽培する植物栽培方法において、植物の根が露出する下部空間を設け、前記下部空間内に帯電した養液のミストを放出し、前記ミストを前記下部空間内で浮遊させることにより前記植物の根に養液を供給すること特徴とする。
前記植物栽培方法において、前記植物の葉が露出する上部空間と、前記上部空間内を除湿する除湿部を設け、前記除湿部で除湿して得られた水を連絡配管を通じて養液の貯留部に移送する、ことを特徴としてもよい。
前記植物栽培方法において、前記植物が豆類であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少量の水で植物を効率的に栽培することが可能なミスト栽培を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係る植物栽培装置を示す構成図である。
本実施形態に係る植物栽培装置で、大豆を栽培した場合の要水量と除水量との関係の一例を示すグラフである。
本実施形態に係る植物栽培装置で発生するミストの粒径分布の一例を示すグラフである。
本実施形態に係る植物栽培装置においてミストを発生した際に、下部空間において充満するミストの総容積の一例を示すグラフである。
UVAの照射照度と、大腸菌および根粒菌の生存率の関係を説明するためのグラフである。
ミスト発生器、帯電部およびUVAランプの動作の制御方法を説明するための図である。
ミスト発生を中止してからのUVA光線の放射照度の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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