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公開番号
2024135670
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023046470
出願日
2023-03-23
発明の名称
モータの軸受システム
出願人
マツダ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16C
32/06 20060101AFI20240927BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】気体供給通路からの気体により気体潤滑軸受として動作可能な軸受を有するモータの軸受システムにおいて、軸受から気体供給通路への気体の逆流を防止する。
【解決手段】モータの軸受システム100は、気体潤滑軸受として動作可能な軸受3と、モータのハウジング12内に形成され、軸受に気体を供給する気体供給通路31aと、気体供給通路に形成され、第1流路33aと、第1流路から分岐して当該第1流路に合流する第2流路33bとを備える逆流防止部33と、を有する。逆流防止部は、気体を軸受に向かう方向に流すと、気体が主に第1流路を通って流れていく一方で、気体を上記方向と反対方向に流すと、第1流路を流れる気体と第2流路を流れる気体とが衝突することで、気体の反対方向への流れが阻害されるように構成されている。また、逆流防止部は、気体供給通路において下流側の位置に形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
モータの軸受システムであって、
モータの回転軸を支持し、供給される気体により気体潤滑を行う気体潤滑軸受として動作可能に構成された軸受と、
前記モータのハウジング内に形成された通路であって、前記軸受に前記気体を供給するための気体供給通路と、
前記気体供給通路中に形成され、第1流路と、前記第1流路から分岐して当該第1流路に合流する第2流路とを備える逆流防止部であって、前記逆流防止部内において前記気体を前記軸受に向かう方向に流すと、前記気体が主に前記第1流路を通って流れていく一方で、前記逆流防止部内において前記気体を前記方向と反対方向に流すと、前記第1流路を流れる前記気体と前記第2流路を流れる前記気体とが衝突することで、前記気体の前記反対方向への流れが阻害されるように構成された、前記逆流防止部と、
を有し、
前記逆流防止部は、前記気体供給通路において下流側の位置に形成されている、ことを特徴とするモータの軸受システム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記回転軸の軸方向から見たときの前記逆流防止部の幅は、前記回転軸の径よりも小さい、請求項1に記載のモータの軸受システム。
【請求項3】
前記気体供給通路において前記逆流防止部が形成された部分の長さは、前記気体供給通路において前記逆流防止部が形成されていない部分の長さよりも短い、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項4】
前記逆流防止部は、一対の前記第1及び第2流路を、前記気体の流れ方向に沿って複数有する、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項5】
前記逆流防止部を第1逆流防止部とすると、前記気体供給通路には、前記第1逆流防止部に加えて、当該気体供給通路において上流側の位置に形成され、前記第1及び第2流路を備える第2逆流防止部が更に形成されている、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項6】
前記ハウジングは、互いに連結される2つのハウジングを備え、前記逆流防止部は、これら2つのハウジングの一方の合わせ面に沿って形成されている、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項7】
前記気体供給通路に接続され、当該気体供給通路を介して前記軸受に前記気体を供給するためのポンプと、
前記モータの回転速度を検出する検出装置と、
前記検出装置により検出された前記回転速度に基づき、前記軸受を前記気体潤滑軸受として動作させるべく前記ポンプから前記軸受に前記気体を供給するように当該ポンプを制御するように構成された制御装置と、
を更に有する、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項8】
前記回転軸を支持する転がり軸受と、
前記転がり軸受が前記回転軸を支持する軸受として機能する第1状態と、前記軸受が前記回転軸を支持する軸受として機能する第2状態と、のいずれか一方に設定可能に構成された切り替え機構と、
前記モータの回転速度を検出する検出装置と、
前記検出装置により検出された前記回転速度に基づき、前記切り替え機構を制御するように構成された制御装置と、
を更に有し、
前記制御装置は、前記回転速度が第1速度未満では、前記切り替え機構を前記第1状態に設定する一方で、前記回転速度が前記第1速度以上では、前記切り替え機構を前記第2状態に設定するように構成されている、請求項1又は2に記載のモータの軸受システム。
【請求項9】
前記気体供給通路に接続され、当該気体供給通路を介して前記軸受に前記気体を供給するポンプを更に有し、
前記制御装置は、前記回転速度が前記第1速度以上で且つ当該第1速度よりも高い第2速度未満であるときには、前記軸受を前記気体潤滑軸受として動作させるべく前記ポンプから前記軸受に前記気体を供給するように当該ポンプを制御するように構成されている、請求項8に記載のモータの軸受システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの軸受システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば車両の動力源(エンジンやモータ)の回転軸などを支持する軸受として、転がり軸受や滑り軸受が用いられている。転がり軸受は、低回転領域においてフリクションが小さい一方、滑り軸受は、低回転領域においてフリクションが大きい。他方で、転がり軸受は、転がり疲労により寿命が有限であるが、滑り軸受は、潤滑が適切な条件下では寿命が永久的である。
【0003】
ここで、転がり軸受及び滑り軸受の両方を有するようにシステムを構成して、上記のような各軸受の特性に応じて、適用する軸受を切り替える技術が提案されている。例えば、特許文献1には、エンジンのクランクシャフトやカムシャフトを支持する軸受として転がり軸受及び滑り軸受を用いるシステムに関して、回転数が低い始動時には転がり軸受のみを機能させ、この始動後には滑り軸受のみを機能させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-19728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、エンジンにおいては、高回転領域において、滑り軸受を適用するのが効果的である。この滑り軸受には、一般的に、潤滑油による流体潤滑が用いられている。ところで、エンジンよりも高回転で動作するモータでは、このような滑り軸受をモータの高回転領域において適用すると、潤滑油の流体摩擦や抵抗が大きくなり、モータの電費が低下するという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、本件発明者は、潤滑油よりも粘度が小さい気体での潤滑(気体潤滑)を用いる気体潤滑軸受(例えば空気軸受)を、滑り軸受に適用することを考えた。この気体潤滑軸受を実現するためには、軸受と回転軸との接触防止のために、これらの間に気体層を確実に形成する必要がある。この気体層の形成には、所謂くさび効果及び絞り効果を利用するのが良いと考えられる。このくさび効果及び絞り効果は、摺動速度が大きくなるモータの高回転領域において得られる。
【0007】
本件発明者は、このような高回転速度域での気体層の形成状態を様々な車両環境において分析したところ、形成される気体層の厚みにばらつきが生じ得ることがわかった。これは、軸受と回転軸との距離が車両振動等により変化することに起因して、気体が、軸受から、軸受に気体を供給する気体供給通路へと過渡的に逆流するからであると考えられる。本件発明者は、このような知見に基づき、気体供給通路での気体の逆流を防止することを着想し、本発明を完成させたのである。
【0008】
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、気体供給通路から供給される気体により気体潤滑軸受として動作可能に構成された軸受を有するモータの軸受システムにおいて、軸受から気体供給通路への気体の逆流を的確に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、モータの軸受システムであって、モータの回転軸を支持し、供給される気体により気体潤滑を行う気体潤滑軸受として動作可能に構成された軸受と、モータのハウジング内に形成された通路であって、軸受に気体を供給するための気体供給通路と、気体供給通路中に形成され、第1流路と、第1流路から分岐して当該第1流路に合流する第2流路とを備える逆流防止部であって、逆流防止部内において気体を軸受に向かう方向に流すと、気体が主に第1流路を通って流れていく一方で、逆流防止部内において気体を方向と反対方向に流すと、第1流路を流れる気体と第2流路を流れる気体とが衝突することで、気体の反対方向への流れ(逆流)が阻害されるように構成された、逆流防止部と、を有し、逆流防止部は、気体供給通路において下流側の位置に形成されている、ことを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明では、第1流路を流れる気体と第2流路を流れる気体とが衝突することで気体の反対方向の流れ(逆流)が阻害されるように構成された逆流防止部を用いるので、一般的な逆止弁(チェックバルブ)などを用いる場合と比較して、簡易な構成にて、軸受から気体供給通路への気体の逆流を防止することができ、モータの軸受システムの大型化を抑制可能である。
また、本発明では、逆流防止部を気体供給通路における下流側の位置に形成しているので、逆流防止部を気体供給通路における上流側の位置に形成する場合と比較して、気体供給通路において逆流が生じる部分の長さが短くなるため、逆流による気体圧縮損失を抑制することができる。したがって、本発明によれば、気体供給通路から供給する気体により気体潤滑軸受を的確に実現して、気体潤滑軸受の適用による電費改善効果を確保することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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