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公開番号2024157742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072281
出願日2023-04-26
発明の名称車両の制御システム
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B60W 10/02 20060101AFI20241031BHJP(車両一般)
要約【課題】駆動源からの駆動力がトルクコンバータを介さずに駆動輪に伝達される車両の制御システムにおいて、クリープ力相当の自然な駆動力を発生させる。
【解決手段】車両の制御システムは、車両1の駆動力を発生し、この駆動力をトルクコンバータを介さずに駆動輪12に伝達するように構成されたエンジン2と、エンジンと駆動輪との間に設けられた変速機6と、駆動源と駆動輪との間に断続可能に設けられた、車両の発進用の第2クラッチCL2(摩擦締結要素)と、駆動源から駆動輪に伝達される駆動力の大きさを調整するように、第2クラッチの締結力を制御するよう構成されたコントローラ20と、を有し、コントローラは、変速機における入力回転数と出力回転数との回転数差に基づき、車両の目標加速度を設定し、この目標加速度に基づき、締結力を制御する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
車両の制御システムであって、
車両の駆動力を発生し、この駆動力をトルクコンバータを介さずに駆動輪に伝達するように構成された駆動源と、
前記駆動源と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、
前記駆動源と前記駆動輪との間に断続可能に設けられた、前記車両の発進用の摩擦締結要素と、
前記駆動源から前記駆動輪に伝達される駆動力の大きさを調整するように、前記摩擦締結要素の締結力を制御するよう構成されたコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、前記変速機における入力回転数と出力回転数との回転数差に基づき、前記車両の目標加速度を設定し、この目標加速度に基づき、前記締結力を制御するように構成されている、
ことを特徴とする車両の制御システム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記コントローラは、前記回転数差が所定値未満であるときには当該回転数差が大きくなるほど前記目標加速度を大きくし、前記回転数差が前記所定値以上であるときには前記目標加速度を一定に設定するように構成されている、
請求項1に記載の車両の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、ドライバによるブレーキペダルの操作に対応するブレーキ圧に基づき、設定する前記目標加速度に対して制限を課すように構成されている、
請求項1に記載の車両の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記車両の走行路の路面勾配に基づき、前記目標加速度を変更するように構成されている、
請求項1に記載の車両の制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記路面勾配に加えて、前記車両の車速に基づき、前記目標加速度を変更するように構成されている、
請求項4に記載の車両の制御システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記車両が停止又は後退していることが前記車速から判断される場合に、前記路面勾配に応じて前記目標加速度を変更するように構成されている、
請求項5に記載の車両の制御システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記変速機用のオイルの温度が所定値以上であるときは、前記路面勾配に基づく前記目標加速度の変更を禁止するように構成されている、
請求項4乃至6のいずれか一項に記載の車両の制御システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンなどの駆動源からの駆動力がトルクコンバータを介さずに駆動輪に伝達される車両の制御システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動変速機を有する車両では、一般的に、流体を用いて駆動力を伝達するトルクコンバータが広く用いられている。このような車両では、自動変速機が走行レンジ(DレンジやRレンジなど)に設定されていると、ドライバがアクセルペダルを踏んでいなくても、アイドリング状態にあるエンジンの駆動力が駆動輪に伝達されることで、車両がゆっくり移動する現象(所謂クリープ現象)が生じる。このクリープ現象は、トルクコンバータ内の流体を介して滑らかに伝達される駆動力(所謂クリープ力)により実現されるものである。
【0003】
他方で、近年、トルクコンバータにおけるスリップロスの改善や、トルクコンバータを設けるコストの削減などを図り、トルクコンバータを有しない自動変速機を用いた車両が開発されている。例えば、特許文献1には、そのようなトルクコンバータを有しない車両の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/063857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したようなトルクコンバータを有しない車両において、クリープ現象がないことによりドライバに与える違和感の解消や、クリープ現象の利便性の提供などを図り、トルクコンバータを有する車両のような自然なクリープ力を発生させたいという要望がある。そこで、本件発明者は、トルクコンバータを有しない車両において、クリープ力相当の自然な駆動力を発生させるべく、エンジンから駆動輪へと伝達される駆動力の大きさを調整するように、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上において断続可能に設けられた摩擦締結要素の締結力を制御することを考えた。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、駆動源からの駆動力がトルクコンバータを介さずに駆動輪に伝達される車両の制御システムにおいて、クリープ力相当の自然な駆動力を発生させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、車両の制御システムであって、車両の駆動力を発生し、この駆動力をトルクコンバータを介さずに駆動輪に伝達するように構成された駆動源と、駆動源と駆動輪との間に設けられた変速機と、駆動源と駆動輪との間に断続可能に設けられた、車両の発進用の摩擦締結要素と、駆動源から駆動輪に伝達される駆動力の大きさを調整するように、摩擦締結要素の締結力を制御するよう構成されたコントローラと、を有し、コントローラは、変速機における入力回転数と出力回転数との回転数差(入出力回転数差)に基づき、車両の目標加速度を設定し、この目標加速度に基づき、締結力を制御するように構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明では、コントローラは、駆動源から駆動輪に伝達される駆動力の大きさを調整するように、発進用の摩擦締結要素の締結力を制御し、また、変速機の入出力回転数差に基づき目標加速度を設定して、この目標加速度に基づき摩擦締結要素の締結力を制御する。この入出力回転数差は、駆動源側の回転数と駆動輪側の回転数との差(つまりスリップ量)に相当し、これは、車両の動作状況、特に発進状況を示すものである。したがって、このような入出力回転数差に基づき目標加速度を設定して摩擦締結要素の締結力を制御することで、トルクコンバータを有する車両によるクリープ力相当の自然な駆動力を発生させることができる。その結果、クリープ現象と同様のドライバの感覚に合った車両動作、特に滑らかな発進動作を実現することが可能となる。
【0009】
本発明において、好ましくは、コントローラは、回転数差が所定値未満であるときには当該回転数差が大きくなるほど目標加速度を大きくし、回転数差が所定値以上であるときには目標加速度を一定に設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、コントローラは、入出力回転数差が所定値以上であるときは、停車している車両が発進するとき(発進し始めたときも含む)に相当するので、比較的大きな一定の目標加速度を設定する一方で、入出力回転数差が所定値未満であるときは、車両がある程度動いているとき(つまり発進後)に相当するので、入出力回転数差が小さくなるほど目標加速度を小さくする。これにより、ドライバの感覚に合った発進動作をより効果的に実現することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、コントローラは、ドライバによるブレーキペダルの操作に対応するブレーキ圧に基づき、設定する目標加速度に対して制限を課すように構成されている。
このように構成された本発明によれば、ブレーキ圧に基づき目標加速度を制限することで、ドライバによるブレーキペダルの操作時に、ドライバの感覚に合った車両動作を実現することができると共に、不必要な加速度を付与することによる燃費悪化を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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