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公開番号2024135116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045647
出願日2023-03-22
発明の名称ヘリウム凝縮システム、不純物除去方法および計測システム
出願人株式会社リコー
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F25J 1/00 20060101AFI20240927BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】新たな装置の追加をすることなく、不純物を除去する際にヘリウムガスの損失を低減することができるヘリウム凝縮システム、不純物除去方法および計測システムを提供する。
【解決手段】デュワに保持された液体ヘリウムから蒸発したヘリウムガスを回収するガス回収部と、デュワからガス回収部へヘリウムガスを送るための第1の配管と、ヘリウムガスを冷却して液体ヘリウムに凝縮する冷凍機と、ガス回収部から冷凍機まで前記ヘリウムガスを送るための第2の配管と、ヘリウムガスを外部へ排気するための排気弁と、冷凍機および排気弁の動作を制御する制御部と、を有し、制御部は、冷凍機を稼働させた状態で、デュワから第1の配管を介したガス回収部までのヘリウムガスの回収、および、ガス回収部から第2の配管を介した冷凍機までのヘリウムガスの導入を行い、冷凍機を停止させ、その後、所定時間だけ排気弁を開状状態にする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
デュワに保持された液体ヘリウムから蒸発したヘリウムガスを回収するガス回収部と、
前記デュワから前記ガス回収部へ前記ヘリウムガスを送るための第1の配管と、
前記ヘリウムガスを冷却して液体ヘリウムに凝縮する冷凍機と、
前記ガス回収部から前記冷凍機まで前記ヘリウムガスを送るための第2の配管と、
前記ヘリウムガスを外部へ排気するための排気弁と、
前記冷凍機および前記排気弁の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記冷凍機を稼働させた状態で、前記デュワから前記第1の配管を介した前記ガス回収部までの前記ヘリウムガスの回収、および、該ガス回収部から前記第2の配管を介した前記冷凍機までの前記ヘリウムガスの導入を行い、
前記冷凍機を停止させ、
その後、所定時間だけ前記排気弁を開状状態にするヘリウム凝縮システム。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記回収および前記導入を同時に実行する請求項1に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記回収と前記導入とを交互に実行する請求項1に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項4】
前記排気弁は、前記制御部により開度が調整可能である請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項5】
前記制御部に対して、前記回収を行う前記ヘリウムガスの第1の量、および前記導入を行う前記ヘリウムガスの第2の量を設定可能とする請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の配管を流通する前記ヘリウムガスの圧力に基づいて、設定された前記第1の量となるように前記回収を行い、前記第2の配管を流通する前記ヘリウムガスの圧力に基づいて、設定された前記第2の量となるように前記導入を行う請求項5に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項7】
前記制御部に対して、前記冷凍機の停止から前記排気弁を開状態にするまでの時間を設定可能とする請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項8】
前記制御部に対して、前記排気弁が開状態となっている時間を設定可能とする請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項9】
前記冷凍機の温度を検出する温度センサを、さらに有し、
前記制御部は、前記温度センサにより検出された前記温度に基づいて、前記冷凍機の停止から前記排気弁を開状態にするまでの時間、および、前記排気弁が開状態となっている時間を調整する請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
【請求項10】
前記排気弁から排気されるガスのうち前記ヘリウムガスまたは該ヘリウムガス以外の不純物の純度を測定する測定装置を、さらに有し、
前記制御部は、前記測定装置により測定された前記純度に基づいて、前記排気弁を開状態にしてから閉状態にするまでの時間を調整する請求項1~3のいずれか一項に記載のヘリウム凝縮システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリウム凝縮システム、不純物除去方法および計測システムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
脳磁(MEG:Magneto-encephalography)データ、および脳波(EEG:Electro-encephalography)データ等の生体信号を測定および解析する生体磁気計測システムで用いられる超電導量子干渉素子(SQUID
:Superconducting Quantum Interference Device)は、超電導状態を保つために冷媒として液体ヘリウムが使われる。このような液体ヘリウムは使用中に一部蒸発してしまうため、当該蒸発したヘリウム(以下、ヘリウムガスと称する場合がある)を再凝縮することによって高価なヘリウムを液体状態に戻して再利用するヘリウム再凝縮システムが必要となる。
【0003】
一般に、ヘリウム再凝縮システムでは、脳磁データ等の計測(以下、単に脳磁計測と称する)時の冷凍機のノイズの影響をなくすために、脳磁データ等の計測時には冷凍機をオフにし、その間の蒸発したヘリウムは、気体のままストレージタンクへコンプレッサ(圧縮機)により圧縮して蓄える。そして、脳磁計測を行わない時間帯に冷凍機をオンにし、ストレージタンクに蓄えたヘリウムガスを再凝縮する方式としている。
【0004】
ところで、ヘリウム再凝縮システムの再凝縮能力は冷凍機の冷却能力で決まり、再凝縮を効率的に行うためにヘリウムガスには高い純度が求められる。この冷却能力を劣化させる要因に、ヘリウムガス以外の窒素、酸素、水分等の不純物の存在がある。これらの不純物は、ヘリウム再凝縮システム内のあらゆる接続箇所から極微量ではあるが、混入する。または、ヘリウム再凝縮システムの循環系内に残留していたもの等がある。これらの不純物は、冷凍機の冷却部に凍り付き、ヘリウムガスとの熱交換率を劣化させてしまう。そのため、一般的にヘリウム再凝縮システムでは、不純物を取り除く機構が必要である。
【0005】
このようなヘリウム再凝縮システムから不純物を取り除くための機構に関する技術として、装置内に配置した精製器に蓄積した汚染物質を気化しながら効率よく取り除くために、液体ヘリウム貯留槽から気化したヘリウムガスを再凝縮ポンプで汲み上げて精製器で精製し、再び液化するものとし、精製器にヒータを取り付け、汚染物質が所定量以上蓄積されると、ヒータによって精製器を加熱し、蓄積された汚染物質を気化し、気化した汚染物質を装置内のポンプを利用して大気に放出する長期間連続運転を可能とする技術が開示されている(例えば特許文献1)。また、寒冷発生部を有する機械式冷凍機と、ヘリウムガスを圧縮する圧縮機、ヘリウムガス中の不純物を除去する精製器、寒冷発生部と熱交換する熱交換器、および低温出力部となる混合室を少なくとも有し、これらがこの順に設けられたヘリウムガスの循環経路と、真空断熱された内側の空間に、寒冷発生部、精製器、熱交換器、および混合室を格納する保冷外槽と、を備えた技術が開示されている(例えば特許文献2)。また、真空排気装置をヘリウム再凝縮システムの配管に接続し、配管内を真空引きした後に、高純度のヘリウムガスで置き換えるパージを繰り返し行う技術も既に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、不純物を除去するための精製器を設ける技術では、不純物を除去するための新たな装置の追加となるためシステムの大型化、複雑化およびコストの上昇を招くという問題がある。また、真空排気装置によるパージを行う技術では、不純物と共に、ヘリウムガスもシステム外に大量に排出しなければならないという問題がある。この場合、ヘリウム再凝縮システム内に存在することができるヘリウムガスの容積が大きいほど、パージによるヘリウムガスの損失が大きくなる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、新たな装置の追加をすることなく、不純物を除去する際にヘリウムガスの損失を低減することができるヘリウム凝縮システム、不純物除去方法および計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、デュワに保持された液体ヘリウムから蒸発したヘリウムガスを回収するガス回収部と、前記デュワから前記ガス回収部へ前記ヘリウムガスを送るための第1の配管と、前記ヘリウムガスを冷却して液体ヘリウムに凝縮する冷凍機と、前記ガス回収部から前記冷凍機まで前記ヘリウムガスを送るための第2の配管と、前記ヘリウムガスを外部へ排気するための排気弁と、前記冷凍機および前記排気弁の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記冷凍機を稼働させた状態で、前記デュワから前記第1の配管を介した前記ガス回収部までの前記ヘリウムガスの回収、および、該ガス回収部から前記第2の配管を介した前記冷凍機までの前記ヘリウムガスの導入を行い、前記冷凍機を停止させ、その後、所定時間だけ前記排気弁を開状状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、新たな装置の追加をすることなく、不純物を除去する際にヘリウムガスの損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係る生体磁気計測システムの全体構成の概略の一例を示す図である。
図2は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムの全体構成の一例を示す図である。
図3は、従来のヘリウム再凝縮システムで精製器を用いて不純物を除去する動作の一例を説明する図である。
図4は、従来のヘリウム再凝縮システムで真空排気装置によるパージにより不純物を除去する動作の一例を説明する図である。
図5は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムのヘリウムガスの回収および導入の循環動作を説明する図である。
図6は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムのヘリウムガスの回収および導入の際に循環ポンプにより循環させる動作を説明する図である。
図7は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムにおいてヘリウムガスを圧縮機で回収して開閉弁で導入する動作を説明する図である。
図8は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムにおいて冷却部に凝集した不純物を排気させる動作を説明する図である。
図9は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムにおいて冷却部に凝集した不純物を排気させる際にヒータを用いる例を説明する図である。
図10は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムの不純物除去動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、実施形態に係るヘリウム再凝縮システムの再凝縮能力の経時変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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