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公開番号
2024134461
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023044777
出願日
2023-03-20
発明の名称
木質材料製の壁構造
出願人
株式会社奥村組
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
E04B
2/56 20060101AFI20240926BHJP(建築物)
要約
【課題】壁の構成部材として、定形であって、取り扱いが容易なように軽量化が可能な木質材料を用い、木質材料同士を、高い施工効率でかつ高い接合強度で接合することが可能な木質材料製の壁構造を提供する。
【解決手段】柱2と梁3とで区画される開口部分4の内方に構築される壁構造であって、同一寸法の木質材料製の正八角形ブロック5を複数個用い、これら正八角形ブロックは、開口部分の内方で、斜辺w同士が向かい合う配列で、かつ、柱に面する正八角形ブロックの縦辺yが当該柱と向かい合い、梁に面する正八角形ブロックの横辺xが当該梁と向かい合うように、柱の上下方向及び梁の左右方向に配設され、4つの正八角形ブロックで取り囲まれた正方形状の開口Sが形成され、開口の内方に、4つの正八角形ブロック同士を互いに連結する正方形枠状の連結金物8が設けられて、壁1が構築される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
柱と梁とで区画される開口部分の内方に構築される壁構造であって、
互いに平行関係でかつ等長の上下一対の2つの横辺と、互いに平行関係でかつ等長の左右一対の2つの縦辺と、互いに平行関係でかつ等長で該縦辺と該横辺とを結ぶ、一対2組の4つの斜辺とを有する、同一寸法の木質材料製の八角形ブロックを複数個用い、
これら八角形ブロックは、上記開口部分の内方で、上記斜辺同士が向かい合う配列で、かつ、上記柱に面する該八角形ブロックの上記縦辺が当該柱と向かい合い、上記梁に面する該八角形ブロックの上記横辺が当該梁と向かい合うように、該柱の上下方向及び該梁の左右方向に配設され、
上下に隣接する2つの上記八角形ブロックの互いに向かい合う一対の上記横辺と、当該八角形ブロックに左右から隣接する2つの上記八角形ブロックの互いに向かい合う一対の上記縦辺とで区画されて、4つの該八角形ブロックで取り囲まれた長方形状の開口が形成され、
該開口の内方に、4つの上記八角形ブロック同士を互いに連結する長方形枠状の連結金物が設けられて、壁が構築されることを特徴とする木質材料製の壁構造。
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【請求項2】
前記八角形ブロックは、前記柱に面する該八角形ブロックの前記縦辺が当該柱に接合され、前記梁に面する該八角形ブロックの前記横辺が当該梁に接合されることを特徴とする請求項1に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項3】
前記柱や前記梁とこれらに向かい合う前記八角形ブロックとの間の間隙には、当該間隙を封止する納まり代で形成された封止材が配設され、上記八角形ブロックが上記封止材に接合され、該封止材が上記柱や上記梁に接合されることを特徴とする請求項1に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項4】
前記八角形ブロックは、八角形状の板片を前記柱及び前記梁の幅方向に重ね合わせて一体化した積層材であることを特徴とする請求項1~3いずれかの項に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項5】
前記連結金物は、4つの各辺が、4つの前記八角形ブロックの一対の前記縦辺及び一対の前記横辺それぞれと等長で形成され、前記開口に、これら八角形ブロックの縦辺及び横辺と当接させて設けられることを特徴とする請求項1に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項6】
前記連結金物の前記各辺は、前記八角形ブロックに、接着によって接合されることを特徴とする請求項5に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項7】
前記連結金物の前記各辺は、該連結金物に形成された貫通孔に挿通されて前記八角形ブロックにねじ込まれるボルトによって、該八角形ブロックに接合されることを特徴とする請求項5に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項8】
前記八角形ブロックには、外周ねじ条及び内周ねじ条を有する棒状の埋め込み部材が、該外周ねじ条を介してねじ込まれ、前記連結金物の前記各辺は、該連結金物に形成された貫通孔に挿通されて上記埋め込み部材の上記内周ねじ条に螺合されるボルトによって、上記八角形ブロックに接合されることを特徴とする請求項5に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項9】
前記埋め込み部材の長さは、八角形ブロックに引張力を伝達する前記ボルトの長さよりも長いことを特徴とする請求項8に記載の木質材料製の壁構造。
【請求項10】
前記連結金物は、いずれかの辺が、前記開口を区画する前記封止材と当接させて設けられることを特徴とする請求項3に記載の木質材料製の壁構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁の構成部材として、定形であって、取り扱いが容易なように軽量化が可能な木質材料を用い、木質材料同士を、高い施工効率でかつ高い接合強度で接合することが可能な木質材料製の壁構造に関する。
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【背景技術】
【0002】
地球温暖化の防止や森林資源の活用、林業再生の必要が注目され、ESG投資やSDGsの観点からも、木質材料の積極的な活用が求められている。
【0003】
木質材料は、繰り返し再利用できる素材であり、持続可能な資源活用としても、優れている。
【0004】
木質材料を利用した建設技術として、特許文献1や特許文献2が知られている。
【0005】
特許文献1の「木質構造部材、木質構造部材の接合構造及びその施工方法」は、燃え代設計による木造準耐火構造のロングスパン建築が可能で、ローコストかつ短納期で、現地での組み立て容易性も高い木質構造部材、木質構造部材の接合方法及び木質構造部材の接合構造の施工方法を提供することを課題とし、木質構造部材の木質部材は、中央に配置された内側木質板材と、この内側木質板材を両面から挟む一対の外側木質板材と、を積層して形成される。木質部材の外周には、所定の燃え代層を設けて、この燃え代層よりも内側を荷重支持部とし、木質構造部材全体を準耐火構造にしている。
【0006】
特許文献2の「耐震壁」は、木質系の材料を用いて耐震性能の優れた耐震壁を提供することを課題とし、耐震壁は、柱梁架構の構面内に設けられる。耐震壁は、長さ方向を繊維方向とする木質板が複数並んで配置されて形成された木質壁部と、木質壁部の周囲と柱梁架構との隙間をモルタル材で閉塞して形成された閉塞部と、を備える。木質板の角度は、柱梁架構の対角線の角度である。地震などにより柱梁架構に水平方向の外荷重が加わると、柱梁架構の構面内には、対角線方向に引張力あるいは圧縮力が作用する。木質板は繊維方向のヤング率および強度が高いため、この引張力あるいは圧縮力に対して十分に抵抗するから、優れた耐震性能を発揮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015-14154号公報
特開2021-147816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2の壁では、構面内に配列される複数の木質板について、個々の柱梁架構固有の対角線方向に向けて、柱寸法や梁寸法に合わせて、各木質板を異なる寸法で成形する必要があり、木質板の製作に手間を要するという課題があった。
【0009】
また、柱梁架構の対角の隅角同士の間に亘る木質板になると、相当に大型化し、木質板が軽量であるという利点を十分に活かせず、施工性が良くないという課題もあった。
【0010】
さらに、木質板同士を接合するにあたって、高い接合強度を確保でき、また、構成が簡単であって手間なく接合することができて、施工効率の向上を図ることができる接合構造の開発が望まれていた。
(【0011】以降は省略されています)
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