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公開番号2024132216
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042907
出願日2023-03-17
発明の名称ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08L 69/00 20060101AFI20240920BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形耐熱性、耐傷付き性(高硬度)、耐候性を共立したポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】(A-1):2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンから誘導された構成単位、および(A-2):2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単位を含む(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)と、4-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4’-モノ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト等の(B)リン系化合物少なくとも1種と、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト等の(C)リン系化合物少なくとも1種と、を含むポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A-1)下記式(1)で表される構成単位および(A-2)下記式(2)で表される構成単位を含む(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)と、(B)下記式(3)で示されるリン系化合物(b-1成分)、下記式(4)で示されるリン系化合物(b-2成分)および下記式(5)で示されるリン系化合物(b-3成分)から選ばれる少なくとも1種と、(C)下記式(6)で示されるリン系化合物(c-1成分)および下記式(7)で示されるリン系化合物(c-2成分)から選ばれる少なくとも1種とを含む、ポリカーボネート樹脂組成物であって、前記(A)ポリカーボネート樹脂の全構成単位における構成単位(A-1)の割合は25~100モル%であり、a成分100質量部に対してb-1成分、b-2成分、b-3成分、c-1成分およびc-2成分との合計量が0.0005~0.5質量部であり、且つb-1成分、b-2成分およびb-3成分の合計量(x質量部)とc-1成分およびc-2成分の合計量(y質量部)との質量比(x/x+y)が0.050~0.700であることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物。
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2024132216000019.jpg
24
74
(式(1)中、R

、R

は夫々独立して炭素原子数1~6のアルキル基またはハロゲン原子である。Xは、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキリデン基、硫黄原子または酸素原子である。)
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2024132216000020.jpg
20
75
(式(2)中、Wは、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキリデン基、硫黄原子または酸素原子を示す。)
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2024132216000021.jpg
23
77
(式(3)中、Ar

はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。リン化合物は互変異性体を含む。)
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24
88
(式(4)中、Ar

はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。リン化合物は互変異性体を含む。)
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2024132216000023.jpg
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(式(5)中、Ar

はアルキル置換基を有してもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。リン化合物は互変異性体を含む。)
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2024132216000024.jpg
27
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(式(6)中、Ar

はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。)
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2024132216000025.jpg
27
70
(式(7)中、Ar

はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は、a成分100質量部に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収剤(e成分)を0.01~3.0質量部含有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
前記b-1成分は、4-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4’-モノ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト、4-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3’-モノ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト、3-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4’-モノ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイトまたは3-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3’-モノ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイトから選ばれる少なくとも1種であり、前記b-2成分は、4、4’-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト、3、4’-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイトまたは3、3’-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイトから選ばれる少なくとも1種であり、前記b-3成分は、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-4-フェニル-フェニルホスホナイトまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3-フェニル-フェニルホスホナイトである、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
前記c-1成分は、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’
-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)
-4,3’-ビフェニレンジホスホナイトまたはテトラキス(2,4-ジ-tert-ブ
チルフェニル)-3,3’-ビフェニレンジホスホナイトから選ばれる少なくとも1種であり、前記c-2成分は、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-フェニルホスホナイトまたはビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3-フェニル-フェニルホスホナイトである、請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
構成単位(A-1)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンから誘導された構成単位であり、構成単位(A-2)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単位である、請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリカーボネート樹脂組成物における、成形滞留試験350℃、10分での色相変化度ΔEが0.9以下である、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリカーボネート樹脂組成物における、成形耐熱性差ΔE’が1.7以上である、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減や意匠性などの観点から、OA機器、電気・電子機器分野、自動車分野、建築分野等これまで透明性を必要としなかった分野においても、ポリカーボネートの透明性に対する要求が強まってきている。これらの利用分野の中には、OA機器、電気・電子機器分野を中心として、高い成形耐熱性を要求される分野がある。また、自動車分野において、環境負荷低減、生産効率の向上を目的に、内装部品の塗装レス化が検討されており、表面保護を目的としたコーティング処理を不要とした塗装レス材料が求められている。このような塗装レス材料は、耐候性も必要になり、また、コーティングを要さないため、材料の表面硬度が高いものが求められる傾向にある。
【0003】
しかしながら、材料の高機能化、高性能化の要求が高まる中で、多種の添加剤が用いられるようになり、一般的には添加剤を増やすほど樹脂の成形耐熱性は低下する傾向にある。さらには、コーティング処理を施していないポリカーボネート樹脂は、屋外に暴露されるとポリマーが分解し、成形品表面が黄変するという問題がある。
【0004】
例えば、溶融成形時において樹脂成形品の金型からの離型性を向上させる為に、樹脂組
成物中に内部離型剤が配合される場合が多い。然しながらこれを有効量添加すると組成物
の耐熱性が低下する傾向にある。この耐熱性の低下を防ぐための方法として例えばリン系
安定剤を配合する方法等があげられる。特許文献1および特許文献2には、ポリカーボネート樹脂に、特定のリン系熱安定剤を配合することにより、ポリカーボネート樹脂組成物の耐熱性を向上させることが示されている。
【0005】
また、表面硬度の高い共重合ポリカーボネート樹脂としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンを構成単位とするポリカーボネートやコポリカーボネートとする方法が記載されている(例えば、特許文献3~7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-081302号公報
特開2001-192544号公報
特開昭64-069625号公報
特開平08-183852号公報
特開平08-034846号公報
特開2002-117580号公報
特許第3768903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンを構成単位とするポリカーボネート樹脂は、表面硬度は向上するが、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単位とするポリカーボネート樹脂と比べて成形耐熱性が劣ることが課題である。
したがって、成形耐熱性、耐傷付き性(高硬度)、耐候性を共立したポリカーボネート樹脂組成物は未だ存在しない。
そこで本発明の目的は、成形耐熱性、耐傷付き性(高硬度)、耐候性を共立したポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するため、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定の成分を共重合したポリカーボネート樹脂に、熱安定剤として特定のホスホナイト系化合物であるリン系化合物をある範囲で使用することにより、ポリカーボネート樹脂組成物の成形耐熱性を著しく向上させることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、下記(構成1)~(構成8)が提供される。
【0009】
(構成1)
(A-1)下記式(1)で表される構成単位および(A-2)下記式(2)で表される構成単位を含む(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)と、(B)下記式(3)で示されるリン系化合物(b-1成分)、下記式(4)で示されるリン系化合物(b-2成分)および下記式(5)で示されるリン系化合物(b-3成分)から選ばれる少なくとも1種と、(C)下記式(6)で示されるリン系化合物(c-1成分)および下記式(7)で示されるリン系化合物(c-2成分)から選ばれる少なくとも1種とを含む、ポリカーボネート樹脂組成物であって、前記(A)ポリカーボネート樹脂の全構成単位における構成単位(A-1)の割合は25~100モル%であり、a成分100質量部に対してb-1成分、b-2成分、b-3成分、c-1成分およびc-2成分との合計量が0.0005~0.5質量部であり、且つb-1成分、b-2成分およびb-3成分の合計量(x質量部)とc-1成分およびc-2成分の合計量(y質量部)との質量比(x/x+y)が0.050~0.700であることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物。
【0010】
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2024132216000001.jpg
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74
(式(1)中、R

、R

は夫々独立して炭素原子数1~6のアルキル基またはハロゲン原子である。Xは、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキリデン基、硫黄原子または酸素原子である。)
(【0011】以降は省略されています)

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