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公開番号2024131899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042425
出願日2023-03-16
発明の名称全輪駆動車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社,株式会社アイシン
代理人個人,個人
主分類B60K 17/348 20060101AFI20240920BHJP(車両一般)
要約【課題】過大な引込みトルクによる切替ショックを抑制しつつ、切替禁止領域を可及的に縮小させて、運転者に与える違和感を抑制することができる全輪駆動車両の制御装置を提供する。
【解決手段】低油温切替禁止領域補正部158により、個別のIoTデータに含まれるクラッチCのパッククリアランスのばらつき及び油温センサ132の検出値のばらつきを見込んで個別に再設定された低油温切替禁止領域Aは、クラッチCのパッククリアランスのばらつきや油温センサ132の検出値のばらつき等を統計的に見込んで汎用的に設定された低油温切替禁止領域よりも小さくされるので、過大な引込みトルクによる切替ショックが抑制されつつ、低油温切替禁止領域Aが可及的に縮小されて、運転者に与える違和感が抑制される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
動力源と、前記動力源からの動力を前輪及び後輪に選択的に分配し且つ高速段及び低速段を選択的に切り替える動力分配装置を有する動力伝達装置と、を備えた全輪駆動車両の、制御装置であって、
前記動力伝達装置の潤滑油温度が所定の第1低温範囲内であり且つイグニッションオン操作からの経過時間が所定の時間範囲内である低油温切替禁止領域において、前記高速段から低速段への切り替えを禁止する切替禁止制御部と、
前記全輪駆動車両の組立て及び作動試験を行なう工場から前記動力伝達装置内のクラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記動力伝達装置の潤滑油温度を検出する油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を含む個別のIoTデータをインターネットを介して取得するIoTデータ取得部と、
前記IoTデータに含まれる前記クラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を見込んで前記切替禁止制御部で用いられる前記低油温切替禁止領域を補正する低油温切替禁止領域補正部と、を含む
ことを特徴とする全輪駆動車両の制御装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記低油温切替禁止領域は、前記動力伝達装置の潤滑油温度を示す軸と、前記イグニッションオン操作からの経過時間を示す軸との二次元座標において、前記動力伝達装置の潤滑油温度が低くなるほど、前記イグニッションオン操作からの経過時間が大きくなるように設定されたものであり、
前記低油温切替禁止領域補正部は、前記クラッチのパッククリアランスのばらつきが大側となるほど、前記油温センサの検出値のばらつきが低温側となるほど、前記低油温切替禁止領域の前記動力伝達装置の潤滑油温度を示す軸方向では低温側に補正し、前記イグニッションオン操作からの経過時間を示す軸方向では経過時間短縮側に補正する
ことを特徴とする請求項1の全輪駆動車両の制御装置。
【請求項3】
前記動力源は、エンジンを含み、
前記制御装置は、前記エンジンの始動毎に、前記エンジン始動時のエンジン回転数のばらつきを取得するエンジン回転数ばらつき取得部を含み、
前記低油温切替禁止領域補正部は、前記エンジン始動時のエンジン回転数のばらつきを見込んで前記低油温切替禁止領域を、前記エンジンの始動毎に再設定する
ことを特徴とする請求項1の全輪駆動車両の制御装置。
【請求項4】
前記低油温切替禁止領域は、前記動力伝達装置の潤滑油温度を示す軸と、前記イグニッションオン操作からの経過時間を示す軸との二次元座標において、前記動力伝達装置の潤滑油温度が低くなるほど、前記イグニッションオン操作からの経過時間が大きくなるように設定されたものであり、
前記低油温切替禁止領域補正部は、前記エンジン始動時のエンジン回転数のばらつきが高回転側となるほど、前記低油温切替禁止領域の前記動力伝達装置の潤滑油温度を示す軸方向では高温側に補正し、前記イグニッションオン操作からの経過時間を示す軸方向では経過時間短縮側に補正する
ことを特徴とする請求項3の全輪駆動車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源からの動力を前輪及び後輪に分配する全輪駆動車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
動力源と、前記動力源からの動力を前輪及び後輪に選択的に分配し且つ高速段及び低速段を選択的に切り替える動力分配装置を有する動力伝達装置と、を備えた全輪駆動車両の、制御装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された全輪駆動車両の制御装置によれば、停車状態であることを第1条件とし、駆動力源と入力軸との間の動力伝達が遮断されたニュートラル状態であることを第2条件とし、ローギヤ走行モードの選択操作によってローギヤ走行モードが選択されたことを第3条件として、ハイギヤ4輪走行モードでの運転時に、第1条件及び第2条件が満たされたとき、ハイギヤ2輪走行モードへ切り替えられ、第1条件及び第2条件が満たされた状態で第3条件が満たされたら、ハイギヤ2輪走行モードからローギヤ走行モードへ切り替えられる。これにより、第1条件乃至第3条件の全てが満たされた後のローギヤ走行モードへの切り替え所要時間が短縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-47877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、動力伝達装置の潤滑油の低温下且つイグニッションオン操作直後の潤滑油流量が多いときには、動力伝達装置内のクラッチの引き摺りによる過大な引込みトルクが発生する。このような状況下において、動力分配装置(トランスファ)のハイギヤ段からローギヤ段への切り替えを行なった場合には、過大な引込みトルクにより動力分配装置内の噛合クラッチにギヤ鳴りが発生するなどの切替ショックが発生する。
【0006】
これに対して、動力伝達装置の潤滑油の低温下且つイグニッションオン操作直後には、動力分配装置のハイギヤ段からローギヤ段への切り替えを禁止することが、考えられる。この場合、ハイギヤ段からローギヤ段への切替禁止領域は、動力伝達装置の潤滑油温度とイグニッションオン操作からの経過時間に応じて設定され、且つ、品質の観点から、引込みトルクの大きさに関与する動力伝達装置内のクラッチのパッククリアランスのばらつきや動力伝達装置の潤滑油温度を検出する油温センサの検出値のばらつき等を統計的に見込んだ多くの余裕値を以て設定される。
【0007】
しかしながら、このように、動力分配装置のハイギヤ段からローギヤ段への切り替えが禁止されることになると、切替禁止領域が広くなり過ぎて、運転者に違和感を与える場合があった。
【0008】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過大な引込みトルクによる切替ショックを抑制しつつ、切替禁止領域を可及的に縮小させて、運転者に与える違和感を抑制することができる全輪駆動車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明の要旨とするところは、(a)動力源と、前記動力源からの動力を前輪及び後輪に選択的に分配し且つ高速段及び低速段を選択的に切り替える動力分配装置を有する動力伝達装置と、を備えた全輪駆動車両の、制御装置であって、(b)前記動力伝達装置の潤滑油温度が所定の第1低温範囲内であり且つイグニッションオン操作からの経過時間が所定の時間範囲内である低油温切替禁止領域において、前記高速段から低速段への切り替えを禁止する切替禁止制御部と、(c)前記全輪駆動車両の組立て及び作動試験を行なう工場から前記動力伝達装置内のクラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記動力伝達装置の潤滑油温度を検出する油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を含む個別のIoTデータをインターネットを介して取得するIoTデータ取得部と、(d)前記IoTデータに含まれる前記クラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を見込んで前記切替禁止制御部で用いられる前記低油温切替禁止領域を補正する低油温切替禁止領域補正部と、を含むことにある。
【発明の効果】
【0010】
低油温切替禁止領域補正部により、前記個別のIoTデータに含まれる前記動力伝達装置内のクラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記動力伝達装置の潤滑油温度を検出する油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を見込んで前記切替禁止制御部で用いられる前記低油温切替禁止領域が再設定される。個別のIoTデータに含まれる前記クラッチのパッククリアランスのばらつき及び前記油温センサの検出値のばらつきの少なくとも一方を見込んで個別に再設定された低油温切替禁止領域は、クラッチのパッククリアランスのばらつきや油温センサの検出値のばらつき等を統計的に見込んで汎用的に設定された低油温切替禁止領域よりも小さくされるので、過大な引込みトルクによる切替ショックが抑制されつつ、低油温切替禁止領域が可及的に縮小されて、運転者に与える違和感が抑制される。
(【0011】以降は省略されています)

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