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公開番号2024130396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040082
出願日2023-03-14
発明の名称植物ステロールの蓄積が増大したナス科植物
出願人国立大学法人千葉大学,国立研究開発法人産業技術総合研究所,国立研究開発法人理化学研究所,国立大学法人三重大学,学校法人甲南学園
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A01H 5/00 20180101AFI20240920BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ステロールの蓄積が増大したナス科植物の提供。
【解決手段】HISE1遺伝子が減弱化されているナス科植物を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
HISE1遺伝子が減弱化されている、ナス科植物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
HISE1タンパク質の発現または活性が抑制または阻害されている、請求項1に記載のナス科植物。
【請求項3】
HISE1遺伝子が、以下の(a)~(g)のいずれか一つのポリヌクレオチドを含んでなる、請求項1または2に記載のナス科植物:
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(e)配列番号2で表される塩基配列と同一性が90%以上である塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(f)配列番号2で表される塩基配列において、1または数個の塩基が置換、欠失または付加されている塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(g)配列番号2で表される塩基配列の相補配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項3に記載のポリヌクレオチドにおいて、ストップコドン変異、フレームシフト変異、およびヌル変異からなる群より選択される変異が導入された、ナス科植物。
【請求項5】
配列番号2の塩基配列における変異が、配列番号2の塩基配列の塩基番号787の塩基欠失もしくは塩基置換、または塩基番号787と788との間の塩基付加である、請求項4に記載のナス科植物。
【請求項6】
前記変異により得られたタンパク質が配列番号1のアミノ酸配列のC末端アミノ酸欠失変異体であって、配列番号1のアミノ酸配列のN末端からのアミノ酸残基数が300残基以下である、請求項4に記載のナス科植物。
【請求項7】
前記ナス科植物が、トマト、ジャガイモ、ナス、およびタバコからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載のナス科植物。
【請求項8】
葉における遊離ステロールの含有量が1,000pmol/mg新鮮重量以上であるか、果実における遊離ステロールの含有量が15,000pmol/mg乾燥重量以上である、請求項1または2に記載のナス科植物。
【請求項9】
葉におけるステロールエステルの含有量が野生型と比較して10倍以上であるか、果実におけるステロールエステルの含有量が野生型と比較して2倍以上である、請求項1または2に記載のナス科植物。
【請求項10】
ドリコールを含んでなる、請求項1または2に記載のナス科植物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、植物ステロールの蓄積が増大したナス科植物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
植物ステロールは植物の脂質膜の主要成分であり、細胞の活動および膜の流動性に影響を与える。さらに、植物ステロールは、化学構造がコレステロールに類似しており、ヒトが摂取すると十二指腸においてコレステロールと競合的に働き、コレステロールの吸収を抑制する働きがあるため、コレステロールによる動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の予防に期待されている。(非特許文献1)
【0003】
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、植物ステロール合成の律速酵素である3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル(HMG)-CoA還元酵素の量を制御する因子としてHIGH STEROL ESTER 1(At-HISE1)が知られている。非特許文献2には、シロイヌナズナに存在するAtHISE1遺伝子を破壊することにより、シロイヌナズナの葉中のステロールエステルが野生型に比べて約5倍多く過剰蓄積できることが記載されている。
【0004】
トマト(Solanum lycopersicum)は、ナス科植物であり、世界中で人気のある野菜である。植物には、上述の植物ステロールとして、通常、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールの3つの主要なフィトステロールが含まれているが、これらフィトステロールに加えて、トマトにはシクロアルテノール、ラノステロール、α-アミリン、β-アミリン、δ-アミリン、ルペオール等のC
30

50
Oステロール種が含まれていることが知られている。
【0005】
しかしながら、上述のトマトをはじめとするナス科植物におけるHISE1については何ら報告されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
久保光志他、“血清中植物性ステロールの高感度定量法の開発”[online]、2007年5月19日発表、第68回分析化学討論会、[2023年3月3日検索]、インターネット<URL : http://www.jsac.or.jp/tenbou/TT68/P15.html>
Shimada et al, Nature Plants, 2019, Vol.5, pp.1154-1166
【発明の概要】
【0007】
本発明者らは、今般、ナス科植物であるトマトにおいてHISE1遺伝子を減弱化することにより、植物ステロールの蓄積が効果的に増大しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0008】
したがって、本発明は、ナス科植物において植物ステロールの蓄積が効果的に増大するための技術的手段を提供する。
【0009】
本発明は、以下の発明を包含する。
[1] HISE1遺伝子が減弱化されている、ナス科植物。
[2] HISE1タンパク質の発現または活性が抑制または阻害されている、[1]に記載のナス科植物。
[3] HISE1遺伝子が、以下の(a)~(g)のいずれか一つのポリヌクレオチドを含んでなる、[1]または[2]に記載のナス科植物:
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(e)配列番号2で表される塩基配列と同一性が90%以上である塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(f)配列番号2で表される塩基配列において、1または数個の塩基が置換、欠失または付加されている塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(g)配列番号2で表される塩基配列の相補配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
[4] [3]に記載のポリヌクレオチドにおいて、ストップコドン変異、フレームシフト変異、およびヌル変異からなる群より選択される変異が導入された、ナス科植物。
[5] 配列番号2の塩基配列における変異が、配列番号2の塩基配列の塩基番号787の塩基欠失もしくは塩基置換、または塩基番号787と788との間の塩基付加である、[4]に記載のナス科植物。
[6] 前記変異により得られたタンパク質が配列番号1のアミノ酸配列のC末端アミノ酸欠失変異体であって、配列番号1のアミノ酸配列のN末端からのアミノ酸残基数が300残基以下である、[4]に記載のナス科植物。
[7] 前記ナス科植物が、トマト、ジャガイモ、ナス、およびタバコからなる群から選択される少なくとも一種である、[1]~[6]のいずれか一つに記載のナス科植物。
[8] 葉における遊離ステロールの含有量が1,000pmol/mg新鮮重量以上であるか、果実における遊離ステロールの含有量が15,000pmol/mg乾燥重量以上である、[1]~[7]のいずれか一つに記載のナス科植物。
[9] 葉におけるステロールエステルの含有量が野生型と比較して10倍以上であるか、果実におけるステロールエステルの含有量が野生型と比較して2倍以上である、[1]~[8]のいずれか一つに記載のナス科植物。
[10] ドリコールを含んでなる、[1]~[9]のいずれか一つに記載のナス科植物。
[11] HISE1遺伝子を減弱化することを含んでなる、植物ステロールの蓄積が増大したナス科植物の作出方法。
[12] 野生型の花粉をhise1変異体に受粉させることを含んでなる、[11]に記載の植物ステロール蓄積が増大したナス科植物の作出方法。
[13] HISE1遺伝子を減弱化することを含んでなる、ナス科植物の植物ステロールの蓄積を増大する方法。
【0010】
本発明によれば、ナス科植物においてHISE1遺伝子を減弱化することにより植物ステロールの蓄積を効果的に増大させることができる。ここで、植物ステロールとしては、遊離ステロール、ステロールエステルが挙げられる。また、本発明によれば、HISE1遺伝子を減弱化することによりドリコールの蓄積を効果的に増大できる上で有利である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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