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公開番号2024128373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037315
出願日2023-03-10
発明の名称電圧印加用カテーテルシステム
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61N 1/39 20060101AFI20240913BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】電極部がスイッチを介さずに心電計に接続されている電圧印加用カテーテルシステムであって、電源から電極部に電圧を印加しても、心電計に過電圧が印加されるのが抑制されて心電計の破損を防止でき、しかも電極から心電計へ送られる心電信号の減衰が抑制されて心内電位の測定精度を向上できる電圧印加用カテーテルシステムを提供する。
【解決手段】近位側から遠位側へ長手方向に延在しているカテーテルと、前記カテーテルの遠位部に配されている電極部と、スイッチを介して前記電極部に接続されている電源と、前記電極部および前記電源に接続されている心電計と、を有する電圧印加用カテーテルシステムであって、前記電極部は、前記心電計に過電圧が印加されるのを抑制する保護回路と、インピーダンス変換回路とを、この順で介して前記心電計と接続されており、該保護回路および該インピーダンス変換回路を介して前記電極部と前記心電計とを接続する経路には、スイッチが配されていない電圧印加用カテーテルシステム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
近位側から遠位側へ長手方向に延在しているカテーテルと、
前記カテーテルの遠位部に配されている電極部と、
スイッチを介して前記電極部に接続されている電源と、
前記電極部および前記電源に接続されている心電計と、
を有する電圧印加用カテーテルシステムであって、
前記電極部は、前記心電計に過電圧が印加されるのを抑制する保護回路と、インピーダンス変換回路とを、この順で介して前記心電計と接続されており、該保護回路および該インピーダンス変換回路を介して前記電極部と前記心電計とを接続する経路には、スイッチが配されていない電圧印加用カテーテルシステム。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記保護回路は、制限電圧以上の電圧を放電する回路である請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項3】
前記保護回路は、バリスタ、ダイオード、ガス放電管、およびサイリスタよりなる群から選ばれる1つを有する請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項4】
前記保護回路は、バリスタであり、更に、少なくとも第1抵抗および第2抵抗を有しており、
前記第1抵抗および前記第2抵抗は直列に接続されており、
前記第1抵抗は、前記電極部側に、
前記第2抵抗は、前記インピーダンス変換回路側に配されており、
前記バリスタは、前記第1抵抗と前記第2抵抗を接続する経路に配されており、
前記第1抵抗の抵抗値R1が、前記第2抵抗の抵抗値R2より大きい請求項3に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項5】
前記抵抗値R1が、前記抵抗値R2の10倍以上である請求項4に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項6】
前記抵抗値R1が、1000Ω以上である請求項4に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項7】
前記インピーダンス変換回路のインピーダンスが、前記保護回路のインピーダンスに対して、10倍以上である請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項8】
前記インピーダンス変換回路が、オペアンプを用いたボルテージフォロア回路および/またはコレクタ接地回路である請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項9】
前記インピーダンス変換回路と前記心電計とを接続する経路に、周波数フィルタが配されている請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【請求項10】
前記電源は、前記電極部に500V以上の電圧を印加するものである請求項1に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内の所定の部位に電圧を印加するカテーテルシステムに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
心房細動や心室細動等の不整脈の治療では、心臓に電圧を印加し、電気的刺激を付与することで心臓のリズムを正常に戻す除細動が行われる。除細動には、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:AED)、植え込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)、除細動パドル、心腔内除細動カテーテルシステムなどが用いられる。これらのうち心腔内除細動カテーテルシステムは、カテーテルの表面に設けられた電極に電圧を印加し、電極を通じて心臓に電気的刺激を直接付与する機器である。心腔内除細動カテーテルシステムによれば、電極により心内電位も測定できる。心腔内除細動カテーテルシステムは、自動体外式除細動器に比べて低エネルギーの電圧波形を用いることができるため、患者の負担が軽減され、さらには不整脈のカテーテル検査中や焼灼手術中にも使用できる。
【0003】
除細動カテーテルシステムについて、特許文献1には、遠近方向に延在しているカテーテルと、前記カテーテルと接続されており、印加電圧を発生させる電源部と、心内電位を測定する心電計と、を有する除細動カテーテルシステムであって、前記カテーテルの遠位側には、第1電極と、前記第1電極よりも近位側に配置されている第2電極と、が設けられており、前記電源部には、前記心内電位を測定する第1モードと、前記心内電位を測定しながら前記電圧を印加する第2モードと、に切り替える切替部が接続されており、前記第1電極および前記第2電極が、前記切替部を介して前記電源部に接続されており、前記第1電極および前記第2電極が、スイッチ部を介さずに前記心電計に接続されているシステムが開示されている。このシステムにより、除細動時であっても心内心電図測定時と同様に心内電位を測定できる。
【0004】
心臓に電圧を印加する機器としては、心腔内除細動カテーテルシステムの他に、アブレーションカテーテルシステムも挙げられる。アブレーションカテーテルシステムは、カテーテルの表面に設けられた電極に電圧を印加し、心臓内の病変を焼灼し治療する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/155941号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、心電計がスイッチ部を介さずに電極に接続されると、電源から電極部に電圧を印加したときに、印加した電圧の全てが電極部に印加されず、過電圧が心電計に流れ込み、心電計が破損するおそれがある。そのため、心電計の破損を防止するには、電源と心電計とを接続する経路に、心電計に過電圧が印加されるのを抑制する保護回路を配することが考えられる。しかし保護回路を配すると電極から心電計へ送られる心電信号が減衰し、心電計に充分な強度の心電信号が到達せず、心内電位の測定精度が低下することが考えられる。
【0007】
本発明は、このような事情に基づいて成されたものであり、その目的は、電極部がスイッチを介さずに心電計に接続されている電圧印加用カテーテルシステムであって、電源から電極部に電圧を印加しても、心電計に過電圧が印加されるのが抑制されて心電計の破損を防止でき、しかも電極から心電計へ送られる心電信号の減衰が抑制されて心内電位の測定精度を向上できる電圧印加用カテーテルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の通りである。
[1] 近位側から遠位側へ長手方向に延在しているカテーテルと、前記カテーテルの遠位部に配されている電極部と、スイッチを介して前記電極部に接続されている電源と、前記電極部および前記電源に接続されている心電計と、を有する電圧印加用カテーテルシステムであって、前記電極部は、前記心電計に過電圧が印加されるのを抑制する保護回路と、インピーダンス変換回路とを、この順で介して前記心電計と接続されており、該保護回路および該インピーダンス変換回路を介して前記電極部と前記心電計とを接続する経路には、スイッチが配されていない電圧印加用カテーテルシステム。
[2] 前記保護回路は、制限電圧以上の電圧を放電する回路である[1]に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[3] 前記保護回路は、バリスタ、ダイオード、ガス放電管、およびサイリスタよりなる群から選ばれる1つを有する[1]または[2]に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[4] 前記保護回路は、バリスタであり、更に、少なくとも第1抵抗および第2抵抗を有しており、前記第1抵抗および前記第2抵抗は直列に接続されており、前記第1抵抗は、前記電極部側に、前記第2抵抗は、前記インピーダンス変換回路側に配されており、前記バリスタは、前記第1抵抗と前記第2抵抗を接続する経路に配されており、前記第1抵抗の抵抗値R1が、前記第2抵抗の抵抗値R2より大きい[3]に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[5] 前記抵抗値R1が、前記抵抗値R2の10倍以上である[4]に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[6] 前記抵抗値R1が、1000Ω以上である[4]または[5]に記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[7] 前記インピーダンス変換回路のインピーダンスが、前記保護回路のインピーダンスに対して、10倍以上である[1]~[6]のいずれかに記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[8] 前記インピーダンス変換回路が、オペアンプを用いたボルテージフォロア回路および/またはコレクタ接地回路である[1]~[7]のいずれかに記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[9] 前記インピーダンス変換回路と前記心電計とを接続する経路に、周波数フィルタが配されている[1]~[8]のいずれかに記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[10] 前記電源は、前記電極部に500V以上の電圧を印加するものである[1]~[9]のいずれかに記載の電圧印加用カテーテルシステム。
[11] 前記電圧印加用カテーテルシステムは、心腔内除細動カテーテルシステムまたはアブレーションカテーテルシステムである[1]~[10]のいずれかに記載の電圧印加用カテーテルシステム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電極部と心電計とを接続する経路に、スイッチが配されていない一方で、心電計に過電圧が印加されるのを抑制する保護回路と、インピーダンス変換回路が、この順で配されているため、電源から電極部に電圧を印加している間も心内電位の測定ができ、しかも心電計の破損を防止でき、心内電位の測定精度も向上できる電圧印加用カテーテルシステムを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電圧印加用カテーテルシステムを示す模式図である。
図2は、本発明の他の実施形態に係る電圧印加用カテーテルシステムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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