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公開番号2024127844
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024033976
出願日2024-03-06
発明の名称堆積プロセス中の構造体の形成を防止するためのスート堆積機の駆動同期化
出願人ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト,Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG,信越石英株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C03B 37/018 20060101AFI20240912BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】少なくとも2つの相互に離間して隣接するビルドアップバーナを使用して堆積表面上にSiO2スート粒子を堆積させるための方法であり、SiO2スート粒子の均一な堆積が良好な堆積効率で達成される方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも2つの相互に離間したビルドアップバーナを使用して堆積表面上にSiO2スート粒子を堆積させる方法であって、前記ビルドアップバーナが、前記堆積表面に対して、前記回転するキャリアの前記長手方向軸線に対して実質的に平行に、n倍のバーナ間距離dの振幅だけ並進移動を実行し、前記堆積表面が、前記キャリアの前記長手方向軸線を中心にm1回数で回転し、m1が、整数以外の正の10進数であり、前記キャリアの前記長手方向軸線の前記m1回の回転のための期間が、バーナ間距離dによる前記ビルドアップバーナの前記並進移動のための期間と実質的に等しいことを特徴とする方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも2つの相互に離間して隣接するビルドアップバーナを使用して堆積表面上にSiO
2
スート粒子を堆積させる方法であって、
前記少なくとも2つのビルドアップバーナ間の距離が、dであり、
前記堆積表面が、キャリアの長手方向軸線を中心に回転する前記キャリアの円筒ジャケット表面であり、キャリアSiO
2
スート粒子が、前記円筒ジャケット表面上に層ごとに堆積される方法において、
前記ビルドアップバーナが、前記堆積表面に対して、前記回転するキャリアの前記長手方向軸線に対して実質的に平行に、n倍のバーナ間距離dの振幅だけ並進移動を実行し、nが、2以上の整数であり、dが、単一のバーナ間距離に対応し、
前記堆積表面が、前記キャリアの前記長手方向軸線を中心にm
1
回数で回転し、m
1
が、整数以外の正の10進数であり、
前記キャリアの前記長手方向軸線の前記m
1
回の回転のための期間が、バーナ間距離dによる前記ビルドアップバーナの前記並進移動のための期間と実質的に等しいことを特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記堆積表面が、前記キャリアの前記長手方向軸線を中心に回転し、
前記キャリアの前記長手方向軸線を中心とした前記堆積表面の(m
2
+(k/n))回の回転のための期間が、バーナ間距離dによる前記ビルドアップバーナの前記並進移動のための期間に実質的に対応し、m
2
が、1~100、好ましくは3~35、さらにより好ましくは5~25の整数であり、kが、n未満の自然数であり、m
1
=m
2
+(k/n)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビルドアップバーナの前記並進移動が、変曲点で方向が変化する反転移動を表し、前記変曲点の軸方向位置が、前記堆積表面及び前記長手方向軸線に対して変化することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記反転移動の前記変曲点が、ストロークごとに変化することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記変曲点が、固定的に予め定義された移動パターンに従ってストロークごとに変化することを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記変曲点が、ストロークごとに統計的に変更されたオフセットによって変化することを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
前記ビルドアップバーナが、2倍の前記バーナ間距離2dの振幅だけ前記回転するキャリアの前記長手方向軸線に対して実質的に平行な並進移動を実行し、一方、前記堆積表面が、(m
2
+(k/n)+y)回転の回転を実質的に同時に実行し、m
2
が、1~100、好ましくは3~35、さらにより好ましくは5~25の整数であり、kが、n未満の自然数であり、m
1
=m
2
+(k/n)であり、yが、-0.3~0.3の間で変動することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記堆積表面の前記回転及び前記変曲点の変動が、前記方法が均一なスートビルドアップをもたらすように適合されることを特徴とする、請求項1~4,7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記堆積表面上の前記ビルドアップバーナの移動プロファイルが、判定されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記堆積表面上の前記ビルドアップバーナの前記移動プロファイルが、前記SiO
2
スート粒子の前記堆積中にプロセッサによってオンラインで連続的に監視されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の形成が堆積プロセス中に実質的に防止される、合成石英ガラスを製造するための方法及び装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
合成石英ガラスを製造するための多数の方法が先行技術から知られており、ここではSiO
2
スート粒子が、CVD法においてケイ素含有出発物質から加水分解または酸化によって生成され、移動するキャリア上に堆積される。これらの方法では、SiO
2
スート粒子が生成される複数の隣接するビルドアップバーナが使用されることがある。
【0003】
米国特許第5,211,732号明細書は、合成石英ガラスを製造するためのスートビルドアップ方法を記載しており、ここでは、ビルドアップバーナの最終走行位置(変曲点)を変動させることにより、隣接するビルドアップバーナの不均等な堆積速度、及び各往復移動中の対応する反転点でのビルドアップバーナのより長い滞留時間が、固定されたパターンに従って不鮮明になる。振動移動は、追加の変位移動によって重ね合わせられ、米国特許第5,211,732号明細書の図7によれば、振動及び変位移動は、バーナ間距離と同一の振幅を有し得る。並進振幅は、振動振幅の約半分である。次いで、並進移動の周波数は、振動周波数の約1/10に対応する。これにより、軸方向の2つの隣接するビルドアップバーナによって、及び並進反転点(変曲点)の領域における3つの隣接するバーナによって、ターゲットのすべての領域が実質的に一様に重なる。しかしながら、この先行技術では、振動周波数と回転周波数との間に相関はない。したがって、好ましくない周波数比を除外することはできず、定期的に発生する。
【0004】
米国特許出願公開第2018/0237330号明細書は、光ファイバ用の多孔質プリフォームを製造するためのOVDスートビルドアップ方法を記載している。この場合、特に大きなプリフォームの場合、スートビルドアップ中に堆積厚さが不均一であることに起因して起こり得るコア偏心を回避することに焦点が当てられている。この目的のために、バーナトレースが一致するのを防ぐために、スートビルドアップの異なる段階で異なる仕様が作成される。この場合、装置は、1つ以上のスートビルドアップバーナを有し得る。この先行技術によるバーナトレース一致の防止は、石英ガラス製造の他の方法、例えばMCVD法またはPCVD法に対しても記載されている。記載された方法では、石英ガラス本体はビルドアッププロセス中に回転させられ、バーナは反転移動を描き、この場合、本体が回転に必要とする時間とバーナが反転移動に必要とする時間とが、1回以上の動作後に反転バーナ移動の開始点が同一になる互いに対しての比率であるようなときに、バーナトレースが一致する。加えて、先行技術は、バーナトレースが一致するこの状態は、特に高い層厚の場合には回避されるべきであるが、低い層厚では非常に肯定的であり得ることを教示している。バーナトレースが高い層厚で互いに一致するのを防止するために、仕様が移動角度に対して定義され、移動角度は、反転バーナ移動の持続時間中の、本体軸線からスート体表面上の固定点までの線を表す。それ故、この先行技術は、単一のバーナの調整と、単一のバーナトレースの位置の調整とを考慮している。
【0005】
欧州特許第3279155号明細書は、キャリア本体上に堆積されるスート体をビルドアップするための方法に関する。キャリア本体は、ビルドアップバーナに対して往復し、したがって反転移動を実行する。本体半径がターゲット半径の50~80%の範囲内にある場合、回転速度r及びバーナ並進速度Vは、トレース幅V/rが実質的に一定のままであり、10%を超えて変化しないように、徐々に減少させられる。この対策は、スート体の直径のばらつきを小さくすることを意図している。
【0006】
特開2013-043810号公報は、スート体から製造される光ファイバの伝送性の向上を達成するために、スート体における波の形成が抑制されるスート体のビルドアップ方法を記載している。スート体は、ビルドアッププロセス中に回転させられ、ビルドアップバーナは、それに対して反転移動で往復させられる。波の形成は、回転移動を並進移動と同期させることによって達成され、往復移動のサイクルは、その本体が(n+1/2)の回数で回転させられている間に完了する(式中、n=0、1、2、..である)。これにより、全く同じバーナの隣接する層のオフセットが達成される。しかしながら、先行技術は、バーナアセンブリの隣接するバーナによるトレースが干渉しないように、スート体の回転及びバーナの並進がどのように同期されるべきかを記載していない。
【0007】
米国特許第6,678,940号明細書、米国特許第7,451,623号明細書、米国特許第7,541,624号明細書、米国特許出願公開第2009/0038346号明細書、及び米国特許第8,635,888号明細書は、うねりを回避するために回転速度のランダムな変動が用いられる、スート体をビルドアップするための方法を記載している。
【0008】
米国特許出願公開第2002/081377号明細書は、バーナトレースの螺旋状の層が互いに意図的に相関付けられるマルチバーナアセンブリを記載している。この方法は、連続するバーナトレースが離間されるように実施される。
【0009】
特開平7-25637号公報は、OVDスートビルドアップ方法を記載しており、ここでは、トレース幅の一定の変動が実施される。例示的な実施形態では、この変動は、バーナ速度またはスート体の回転のいずれかを小さな領域で変動させることによって達成される。
【0010】
特開平6-87624号公報は、スート体表面のうねりを回避するOVDスートビルドアップ方法を記載している。この目的のために、ビルドアップバーナは、ビルドアップターゲットに対して反転移動を実行し、それによってスート螺旋を生成する。ビルドアップバーナの復路では、ターゲットが反対方向に回転させられ、スートトレースが、往路のトレースの間に正確に生成されるように位置付けされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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