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公開番号2024124805
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032724
出願日2023-03-03
発明の名称吸収性物品
出願人大王製紙株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類A61F 13/536 20060101AFI20240906BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触が伝わりにくいものとする。
【解決手段】上記課題は、吸収体56、及びこの吸収体56を包む包装不織布58を有する吸収要素50を備え、吸収体56は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を混合・集積してなる層を有し、吸収要素50には、吸収要素50の表面から吸収体56内まで窪むとともに厚み方向に圧縮された底部51を有する溝53が格子状に連続しているとともに、溝53は、交差部21と、隣り合う交差部21の間に位置する非交差部22とを有し、吸収要素50の表面の少なくとも一部の領域で、非交差部22の長手方向の中央から交差部21に向かうにつれて底部51の厚みが段階的又は連続的に厚くなっている、ことにより解決される。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
股間部と、前記股間部より前側及び後側にそれぞれ延びた前側部分及び後側部分とを有しており、
前記股間部を含む位置に設けられた吸収体、及びこの吸収体を包む包装不織布を有する吸収要素を備え、
前記吸収体は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を混合・集積してなる層を有するものであり、
前記吸収要素には、前記吸収要素の表面から前記吸収体内まで窪むとともに厚み方向に圧縮された底部を有する溝が格子状に連続しているとともに、
前記溝は、交差部と、隣り合う前記交差部の間に位置する非交差部とを有し、前記吸収要素の表面の少なくとも一部の領域で、前記非交差部の長手方向の中央から前記交差部に向かうにつれて前記底部の厚みが段階的又は連続的に厚くなっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記吸収体における前記パルプ繊維の目付けが100~450g/m

であり、
前記吸収体におけるパルプ繊維:高吸収性ポリマー粒子が、重量比で30:70~70:30であり、
前記吸収要素の厚みの最大値は4~35mmであり、
前記非交差部の長手方向の中央における前記底部の厚みは前記吸収要素の厚みの最大値の15~35%であり、
前記交差部における前記底部の厚みは、前記非交差部の長手方向の中央における前記底部の厚みの1.4~6倍である、
請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記底部の幅は1~3mmであり、
前記溝は、前後方向に対して平面視で時計回りに40~50°傾斜した第1部分と、前後方向に対して平面視で反時計回りに40~50°傾斜した第2部分とからなる斜め格子状に形成されている、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記包装不織布は、一層又は複数層の前記メルトブローン層と、一層又は複数層の保護層とを有するものであり、
前記包装不織布の目付は、10~17g/m

であり、
前記保護層の構成繊維は、平均繊維径が10~25μmの繊維であり、
前記メルトブローン層の構成繊維は、平均繊維径が5μm以下の繊維であり、
前記包装不織布を5枚重ねた状態でJIS L 1096:2010に準じて測定されるA法(フラジール形法)の通気性が25.5~70.0cm

/cm

・sであり、
前記包装不織布は、前後方向における、JIS L 1913:2010に規定される標準時の伸び率が20~100%であり、
幅方向における、JIS L 1913:2010に規定される標準時の伸び率が20~110%である、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記包装不織布の目付は、15~17g/m

である、
請求項4記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収体は、前記吸収体の表面を覆うパルプ繊維のみが集積された被覆層を有している、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記包装不織布は、前記吸収体の裏側に位置する裏面部分と、前記裏面部分から続く部分であって、前記吸収体の一方の側縁を回り込んで前記吸収体の表側に至る第1表側部分と、前記裏面部分から続く部分であって、前記吸収体の他方の側縁を回り込んで前記吸収体の表側に至る第2表側部分とを有し、
前記第1表側部分及び前記第2表側部分は、互いに重なる積層部分を有し、
すべての前記溝は、前記積層部分に形成されている、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収要素のうち、幅方向の両端部を除いた中間部が前後方向の全体にわたり他の部材により被覆されておらず、前記包装不織布が吸収性物品の表面に露出している、
請求項5記載の吸収性物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
吸収性物品では、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を混合・集積してなる吸収体を用いることが一般的であり、このような吸収体は製造時及び製造後の形状維持性を高めるために、クレープ紙等からなる包装シートが巻き付けられてなる吸収要素として内蔵されることが一般的である(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
吸収性物品の吸収要素は両脚の間に挟まれた状態で、歩行等の脚の動きにより幅方向両側から様々な方向の力を受けるため、股間部における良好なフィット性が求められる一方で、吸収体のヨレや割れ等の形状の崩れを防止するための形状維持性も求められている。もちろん、使い捨ておむつの吸収要素では、股間部における吸収性能の確保も要求される。
【0004】
吸収体の形状維持性を改善する手法としては、エンボス加工等により吸収要素を厚み方向に圧縮した底部を有する溝を格子状等のパターンで設けることが知られている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、吸収体を包む包装シートがクレープ紙であると、圧縮部を形成する際、圧縮部の縁や、隣り合う圧縮部の間でクレープ紙が破けることがある。また、クレープ紙は排泄液を吸収した湿潤状態で強度が低下し、破けやすくなる。包装シートが破けると、そこから高吸収性ポリマー粒子が抜け出して、吸収性物品の表面まで出てくることもあるため好ましくない。
【0005】
包装シートとしては、目の細かい不織布(以下、包装不織布という)を用いることも知られている。しかし、包装不織布を用いた場合、吸収要素の表面に形成された溝の底部を指でなぞると、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触がするという問題点を有していた。このジャリジャリとした感触を使用者が感じてしまうと、着用感が悪化したり、商品イメージが低下したりするおそれがあるため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-000236号公報
特許6380454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、包装不織布を用いる場合において、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触が使用者に伝わりにくいものとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した吸収性物品は、以下のとおりである。
【0009】
<第1の態様>
股間部と、前記股間部より前側及び後側にそれぞれ延びた前側部分及び後側部分とを有しており、
前記股間部を含む位置に設けられた吸収体、及びこの吸収体を包む包装不織布を有する吸収要素を備え、
前記吸収体は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を混合・集積してなる層を有するものであり、
前記吸収要素には、前記吸収要素の表面から前記吸収体内まで窪むとともに厚み方向に圧縮された底部を有する溝が格子状に連続しているとともに、
前記溝は、交差部と、隣り合う前記交差部の間に位置する非交差部とを有し、前記吸収要素の表面の少なくとも一部の領域で、前記非交差部の長手方向の中央から前記交差部に向かうにつれて前記底部の厚みが段階的又は連続的に厚くなっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
【0010】
(作用効果)
包装不織布を用いた場合、厚み方向に圧縮された底部を有する溝を吸収要素の表面に形成すると、溝の底部では包装不織布及び吸収体が厚み方向に圧縮される結果、吸収体の表面及びその近くの高吸収性ポリマー粒子の量が相対的に増加するとともに、包装不織布及び吸収体の厚み方向の緩衝性の低下及び緻密化により、硬質化した吸収体の表面及びその近くに高吸収性ポリマー粒子が移動しにくい状態で保持され、それを薄くなった包装不織布で被覆することになる。そのため、溝の底部を指でなぞると、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触がする。
ここで問題となる高吸収性ポリマー粒子は溝の底部は肌から遠い部位、つまり使用者が直接又は他のシートを介して間接的に触れにくい部位にあるため、基本的には高吸収性ポリマー粒子の感触は使用者に伝わりにくい。しかし、溝を格子状に形成すると、溝の底部の交差部に面する角部で包装不織布が二方向に引っ張られて、当該角部の厚みが特に薄くなる結果、溝の底部の交差部が非交差部と比べて肌に直接又は間接的に触れやすくなる。
これに対して、本吸収性物品では、(a)非交差部の長手方向の中央から交差部に向かうにつれて底部の厚みを段階的又は連続的に厚くする(つまり非交差部の長手方向の中央から交差部に向かうにつれて底部の圧縮の程度を弱くし、底部の密度を低くする)ことにより、溝の底部の交差部に面する角部の厚み減少が抑制され、溝の底部の交差部が使用者の肌に触れにくくなる。よって、溝の底部の厚みがほぼ一定である場合と比べて、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触が使用者に伝わりにくくなる。さらに、(b)より使用者の肌に触れやすい溝の底部の交差部で、吸収体の表面及びその近くの高吸収性ポリマー粒子の量の増加が抑制されるとともに、包装不織布及び吸収体の厚み方向の緩衝性の低下及び緻密化も抑制されるため、仮に溝の底部の交差部が使用者の肌に触れたとしても、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触は弱いため、高吸収性ポリマー粒子のジャリジャリとした感触はより一層使用者に伝わりにくくなる。
また、吸収要素の表面から吸収体内まで窪むとともに厚み方向に圧縮された底部を有する溝が、格子状に連続することにより、液拡散性、及び吸収体の形状維持性等も確保される。
(【0011】以降は省略されています)

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