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公開番号2024124166
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023032153
出願日2023-03-02
発明の名称酸化錫粒子分散液、酸化錫粒子分散液の製造方法、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 19/02 20060101AFI20240905BHJP(無機化学)
要約【課題】酸化錫粒子が均一に配置されて導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能な酸化錫粒子分散液、酸化錫粒子分散液の製造方法、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法を提供する。
【解決手段】溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、等電点が1.0以上3.8以下であることを特徴とする。pHを8.0に調整した際に、前記酸化錫粒子の凝集が生じないことが好ましい。前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていてもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、
等電点が1.0以上3.8以下の範囲内であることを特徴とする酸化錫粒子分散液。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
pHを8.0に調整した際に、前記酸化錫粒子の凝集が生じないことを特徴とする請求項1に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項3】
前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていることを特徴とする請求項1に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項4】
前記異種元素が、アンチモン、フッ素、リンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項5】
前記酸化錫粒子の1次粒子径が1.5nm以上100nm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化錫粒子分散液の製造方法であって、
錫原料が懸濁された原料懸濁液を生成する原料懸濁液生成工程と、前記原料懸濁液から固形分を除去した原料液を生成する原料液生成工程と、前記原料液を加熱処理する合成工程と、を有し、
前記原料懸濁液生成工程、前記原料液生成工程、前記合成工程を、0℃以上60℃以下の範囲内で実施することを特徴とする酸化錫粒子分散液の製造方法。
【請求項7】
酸化錫粒子積層膜の製造方法であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化錫粒子分散液を塗工する塗工工程を備えていることを特徴とする酸化錫粒子積層膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば導電膜等を成膜する際に適用可能な酸化錫粒子分散液、酸化錫粒子分散液の製造方法、この酸化錫粒子分散液を用いた酸化錫粒子積層膜の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
酸化錫は比較的良好な導電性を有することから、各種デバイスにおける導電層等の導電性材料として、酸化錫粒子が積層された構造の酸化錫粒子積層膜が用いられている。なお、酸化錫粒子積層膜に対して特定の特性を向上させるために、各種元素を酸化錫にドープした材料も提案されている。
上述の酸化錫粒子積層膜は、酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液を塗工して乾燥することよって形成される。
【0003】
ところで、上述の酸化錫粒子積層膜においては、酸化錫粒子間の接点数が導電性に影響する。このため、酸化錫粒子が均一に配置された酸化錫粒子積層膜を成膜することが求められている。
そこで、例えば、特許文献1においては、ガスフローの中でスピンコートによって成膜する技術が提案されている。この特許文献1においては、成膜時に蒸気圧を制御して分散液の乾燥速度を調整することで、均一な酸化錫粒子積層膜の成膜を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭64-027667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、上述の酸化錫粒子積層膜は、例えばペロブスカイト太陽電池の電子輸送層として適用することが検討されている。ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層においては、膜厚がナノオーダーと非常に薄く、均一で導電性に優れた膜を成膜することはさらに困難であった。
なお、その他のデバイスにおいても、小型化および薄膜化が進んでおり、導電層となる酸化錫粒子積層膜を薄く、かつ、均一に形成することが求められている。
【0006】
酸化錫粒子積層膜を均一に成膜するためには、酸化錫粒子分散液を用いて成膜する過程において、酸化錫粒子が凝集することなく分散していることが求められる。
ここで、塗工した酸化錫粒子分散液を加熱した際には、酸化錫粒子分散液に含有されていた分散剤が揮発し、酸化錫粒子が凝集するおそれがあった。なお、不揮発性の分散剤を添加した場合には、酸化錫粒子間に不揮発性の分散剤が存在し、酸化錫粒子同士の接点数が減少してしまい、導電性が低下するおそれがあった。
【0007】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、酸化錫粒子が均一に配置されて導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能な酸化錫粒子分散液、酸化錫粒子分散液の製造方法、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、酸化錫粒子分散液において、等電点を低く抑えることにより、酸化錫粒子の凝集が抑制され、酸化錫粒子が均一に配置され、導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜可能となるとの知見を得た。
【0009】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の態様1の酸化錫粒子分散液は、溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、等電点が1.0以上3.8以下であることを特徴としている。
【0010】
本発明の態様1の酸化錫粒子分散液によれば、等電点が1.0以上3.8以下と低く抑えられているので、この酸化錫粒子分散液の塗工膜を加熱処理した際に分散剤が揮発しても、酸化錫粒子の凝集が抑制され、酸化錫粒子が均一に配置される。また、非揮発性の分散剤を添加する必要がなく、酸化錫粒子の間に不揮発性の分散剤が存在することを抑制できる。
よって、酸化錫粒子同士の接点数が確保され、導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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