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公開番号2025000946
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2024173933,2020559937
出願日2024-10-02,2019-12-03
発明の名称機能性構造体
出願人国立大学法人北海道大学,古河電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 37/02 20060101AFI20241224BHJP(無機化学)
要約【課題】機能性物質の機能低下を抑制して長寿命化を実現することができる機能性構造体を提供する。
【解決手段】機能性構造体は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、前記担体に内在する少なくとも1つの機能性物質と、を備える機能性構造体であって、前記担体が、互いに連通する通路を有し、前記機能性物質が、前記担体の少なくとも前記通路に存在し、前記担体に内在する前記機能性物質は金属元素(M)を含み、前記金属元素(M)の含有量が、前記機能性構造体に対して2.5質量%よりも多い。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、シリカ粒子から構成される膜の存在下で構造規定剤を添加して水熱処理する水熱処理工程と、
を有し、
前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10~1000となるように調整することを特徴とする機能性構造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質構造の担体(骨格体)と機能性物質とを備える機能性構造体に関し、特にその多孔質構造の骨格体内部に、金属の含有量が多い機能性物質が内在する機能性構造体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
石油コンビナートの製油所では、原油から、ナフサと呼ばれる石油化学原料や、重油、軽油、灯油、ガソリン、LPガス等の各種燃料が製造されている。原油は、上記の石油化学原料や各種燃料の他、様々な不純物が混ざり合った混合物であるため、原油に含まれる各成分を蒸留、分離する工程が必要となる。
【0003】
そこで石油精製プロセスでは、各成分の沸点差を利用し、常圧蒸留装置における塔内の棚段で原油を加熱して成分毎に分離し、分離後の各物質を濃縮している。これにより、LPガス、ナフサ等の低沸点物質が常圧蒸留装置の上部棚段で取り出されると共に、重油等の高沸点物質が常圧蒸留装置の底部から取り出される。そして、分離、濃縮された各物質に脱硫等の二次処理を施すことにより、各種燃料製品が製造される。
【0004】
一般に、石油改質用触媒は、上記石油精製プロセスにおいて低沸点のナフサ等を効率良く改質してオクタン価の高いガソリン等を製造するために使用されている。原油中のナフサ留分はそのままではオクタン価が低く、車両を走らせるガソリンとしては不適合であるため、ナフサ留分中のオクタン価の低いパラフィン分およびナフテン分を、石油改質用触媒を用いてオクタン価の高い芳香族分に改質することにより、車両の燃料に適した性状の改質ガソリンを製造している。
【0005】
また、原油の重質化に伴い、重質油を直脱装置、間脱装置などの水素化脱硫装置にて水素化脱硫処理して得られる脱硫重油、脱硫重質軽油等を更に分解して、脱硫ナフサ、脱硫灯油、脱硫軽油等を増産する水素化分解処理が行われている。例えば、常圧蒸留残渣油を水素化分解処理することにより、脱硫灯・軽油留分、脱硫ナフサ留分の得率を増大して脱硫重油を低減し、且つ、その脱硫重油を接触分解装置にてLPG留分、FCCガソリン留分、LCO留分を生産することによって残渣油を低減し、軽質油留分を増大させる。このとき、代表的なゼオライトである結晶性アルミノシリケート担体からなる触媒や、ゼオライトと多孔性無機酸化物とを特定の割合で含む水素化分解触媒が提案されている。
【0006】
例えば、水素化分解触媒として、Y型ゼオライトからなる担体の表面に、Pd、Pt、Co、Fe、Cr、Mo、W及びこれらの混合物から選択される材料からなる金属が沈着されてなる触媒が開示されている(特許文献1)。
【0007】
また、自動車分野においては、ディーゼルエンジンを搭載した車両の排気ガス用触媒構造体として、基材セラミック表面にセラミック担体を配置し、該セラミック担体に主触媒成分及び助触媒成分の双方を担持してなるセラミック触媒体が提案されている。このセラミック触媒体では、γ-アルミナからなるセラミック担体の表面に、結晶格子中の格子欠陥等からなる多数の細孔が形成されており、Ce-Zr、Pt等からなる主触媒成分がセラミック担体の表面近傍に直接担持された構成を有している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許出願公開第2016/0030934号明細書
米国特許出願公開第2003/0109383号明細書
特開平3-502067号公報
特開2017-128480号公報
国際公開第2010/097108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような触媒構造体では、触媒粒子が担体の表面或いは表面近傍に担持されているため、改質処理中に被改質物質等の流体から受ける力や熱などの影響に因って触媒粒子が担体内で移動し、触媒粒子同士の凝集(シンタリング)が発生し易い。触媒粒子同士の凝集が生じると、触媒としての有効表面積が減少することで触媒活性が低下することから寿命が通常よりも短くなるため、触媒構造体自体を短期間で交換・再生しなければならず、交換作業が煩雑であると共に、省資源化を図ることができないという問題がある。また、石油改質用触媒は、通常、常圧蒸留装置の下流側に連結されて石油精製プロセスにおいて連続的に使用されるため、触媒の再活性化技術を適用し難く、仮に再活性化技術を適用できたとしても作業が非常に煩雑となる。
【0010】
また、実用化の観点から、さらなる触媒活性の向上が求められており、その方策として、例えば、触媒粒子の含有量を増加することが挙げられる。具体的に、特許文献3には、触媒担体に対するコバルト金属粒子の含有量が40%程度まではその含有量が多いほど、フィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)のCO転化率が向上することが開示されている。しかしながら、その一方で、触媒粒子の含有量が多いほど担体表面に存在する触媒粒子が増加し、触媒粒子同士の凝集がより起こりやすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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