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公開番号2024123791
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031470
出願日2023-03-02
発明の名称水素製造システム及び水素製造システムの運転方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類C25B 1/042 20210101AFI20240905BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】SOECの水素極に供給される水蒸気中の水素濃度を、水素極の劣化を防止するために適した条件に制御可能な水素製造システム及び水素製造システムの運転方法を提供する。
【解決手段】水素製造システムは、水蒸気を電気分解する固体酸化物形電解セル(SOEC)と、SOECの水素極に水蒸気を供給するための水蒸気供給ラインと、水素極から排出された水蒸気が流通する水蒸気排出ラインと、水蒸気供給ラインと水蒸気排出ラインとを連通する第1バイパスラインと、第1バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節するための第1調節装置とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水蒸気を電気分解する固体酸化物形電解セル(SOEC)と、
前記SOECの水素極に水蒸気を供給するための水蒸気供給ラインと、
前記水素極から排出された水蒸気が流通する水蒸気排出ラインと、
前記水蒸気供給ラインと前記水蒸気排出ラインとを連通する第1バイパスラインと、
前記第1バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節するための第1調節装置と
を備える水素製造システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記水素極に供給される水蒸気中の水素濃度を取得する水素濃度取得装置を備える、請求項1に記載の水素製造システム。
【請求項3】
前記水素濃度取得装置は制御装置を備え、
前記制御装置は、設定された前記水素製造システムの運転条件に基づいて前記水素濃度を算出するように構成されている、請求項2に記載の水素製造システム。
【請求項4】
前記水素濃度取得装置は、前記水素製造システムに供給される水蒸気量を検出する流量検出装置をさらに備え、
前記制御装置は、設定された前記水素製造システムの運転条件と、前記流量検出装置による検出値とに基づいて前記水素濃度を算出するように構成されている、請求項3に記載の水素製造システム。
【請求項5】
前記第1バイパスラインを流通する水蒸気の温度を調節するための第2調節装置を備える、請求項1に記載の水素製造システム。
【請求項6】
前記第2調節装置は、前記第1バイパスラインを流通する水蒸気を冷却するための冷却器を備える、請求項5に記載の水素製造システム。
【請求項7】
前記第2調節装置は、
前記冷却器をバイパスするように両端が前記第1バイパスラインに連通する第2バイパスラインと、
前記第2バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節するための流量調節バルブと
を備える、請求項6に記載の水素製造システム。
【請求項8】
前記SOECの温度を取得する水蒸気温度取得装置又はモジュール内温度取得装置を備える、請求項5~7のいずれか一項に記載の水素製造システム。
【請求項9】
前記水素濃度取得装置が前記水素濃度を取得するステップと、
前記水素濃度取得装置によって取得された前記水素濃度に基づいて、前記第1調節装置が、前記第1バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節するステップと
を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の水素製造システムの運転方法。
【請求項10】
前記水蒸気温度取得装置又は前記モジュール内温度取得装置が前記温度を取得するステップと、
前記水蒸気温度取得装置又は前記モジュール内温度取得装置によって取得された前記温度に基づいて、前記第2調節装置が、前記第1バイパスラインを流通する水蒸気の温度を調節するステップと
を含む、請求項8に記載の水素製造システムの運転方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水素製造システム及び水素製造システムの運転方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
固体酸化物形電解セル(SOEC)において水蒸気を電気分解することにより水素を製造する水素製造システムでは、SOECの水素極の劣化を防止するために、水蒸気と共に水素を水素極に供給する場合がある。特許文献1及び2に記載されるSOECは、水素極から排出された水蒸気を、水素極に供給する水蒸気に循環させる構成を有している。SOECの水素極から排出された水蒸気には、水蒸気の電気分解により生成した水素が含まれているため、特許文献1及び2の上述の構成により、水素極に供給される水蒸気に水素が含まれることになり、SOECの水素極の劣化を防止することができる。また、SOECでは、電気分解時のセル抵抗による内部発熱と水素の生成に伴う吸熱とをバランスさせて、作動温度を一定に維持することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6374965号公報
特許第6573984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1及び2では水素極の劣化については触れておらず、特許文献3には、SOECの水素極の劣化を防止するために活性金属の酸化を抑制する必要があることは言及されているものの、必要な水素濃度を確保するために、水素極から流出した水蒸気の一部を水素極に再循環させる再循環量の制御方法や、水蒸気の再循環を行う際にSOECの温度を適切に維持する方法については開示されていないので、水素製造システムを安定して運転することは必ずしもできない。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、SOECの水素極に供給される水蒸気中の水素濃度を、水素極の劣化を防止するために適した条件に維持可能な水素製造システム及び水素製造システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る水素製造システムは、水蒸気を電気分解する固体酸化物形電解セル(SOEC)と、前記SOECの水素極に水蒸気を供給するための水蒸気供給ラインと、前記水素極から排出された水蒸気が流通する水蒸気排出ラインと、前記水蒸気供給ラインと前記水蒸気排出ラインとを連通する第1バイパスラインと、前記第1バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節するための第1調節装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の水素製造システムによれば、第1調節装置が、第1バイパスラインを流通する水蒸気の流量を調節することにより、SOECの水素極に供給される水蒸気中の水素濃度を、水素極の劣化を防止するために適した条件に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施形態1に係る水素製造システムの例示的な構成模式図である。
本開示の実施形態1に係る水素製造システムのいくつかの変形例を含む例示的な構成模式図である。
本開示の実施形態1に係る水素製造システムの運転条件から水素濃度を算出する動作のフローチャートである。
本開示の実施形態2に係る水素製造システムの例示的な構成模式図である。
本開示の実施形態2に係る水素製造システムのいくつかの変形例を含む例示的な構成模式図である。
本開示の実施形態3に係る水素製造システムの例示的な構成模式図である。
本開示の実施形態1~3に係る水素製造システムにおける水蒸気の循環率Rとモジュール水蒸気利用率U
sm
との関係を例示的に示す模式的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態による水素製造システムについて、図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
(実施形態1)
<本開示の実施形態1に係る水素製造システムの構成>
図1に示されるように、本開示の実施形態1に係る水素製造システム1は、水蒸気を電気分解する固体酸化物形電解セル(SOEC)2と、SOEC2に電圧を印加する電源装置3とを備えている。SOEC2は、水素極2aと、酸素極2bと、水素極2a及び酸素極2bとの間に設けられた固体電解質2cとを備えている。図1には、1つのSOEC2のみが描かれているが、複数のSOEC2が筐体6内に収容された構成でもよい。電源装置3は、水素極2a及び酸素極2b間に直流電圧を印加するように構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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