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公開番号2024123259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-10
出願番号2024103968,2021512158
出願日2024-06-27,2020-03-31
発明の名称高次モードの弾性表面波を利用するデバイスを製造する方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H03H 9/145 20060101AFI20240903BHJP(基本電子回路)
要約【課題】3.8GHz以上の高周波数帯でも、良好な特性を得ることができると共に、十分な機械的強度を保つことができる高次モード弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】高次モード弾性表面波デバイス(10)は、LiTaO3結晶又はLiNbO3結晶から構成された圧電基板(11)と、圧電基板(11)の表面に埋め込まれ、圧電基板(11)の表面から突出するように形成されるすだれ状電極(12)と、を有し、高次モードの弾性表面波を利用している。また、圧電基板(11)に積層する薄膜(13)または基板を有していてもよく、圧電基板(11)の、すだれ状電極(12)が設けられた表面とは反対側の面に接するよう設けられた支持基板(14)および/または多層膜(15)を有していてもよい。高次モード弾性表面波デバイスは、3.8GHz以上の高周波数帯でも、良好な特性を得ることができると共に、十分な機械的強度を保つことができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
高次モード弾性表面波デバイスであって、
LiTaO

結晶又はLiNbO

結晶を含む圧電基板と、
前記圧電基板の表面に埋め込まれたすだれ状電極とを含み、
高次モードの弾性表面波を利用する高次モード弾性表面波デバイス。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記すだれ状電極は、前記圧電基板の表面と同一面ではないように形成された請求項1に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項3】
前記圧電基板に接するよう設けられた薄膜又は基板を含む請求項1又は2に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項4】
支持基板及び/又は多層膜をさらに含み、前記支持基板及び/又は前記多層膜は前記圧電基板の前記すだれ状電極が設けられた表面とは反対側の面に設けられた請求項1又は2に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項5】
前記支持基板は、金属以外の材料を含む請求項4に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項6】
前記支持基板は、Si、水晶、サファイア、ガラス、石英、ゲルマニウム及びアルミナの少なくとも1つを含む請求項5に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項7】
前記多層膜は、音響インピーダンスが異なる複数の層を積層した音響多層膜を含む請求項4乃至6のいずれか1項に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項8】
前記すだれ状電極のメタライゼーション比は、0.45以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項9】
前記すだれ状電極のメタライゼーション比は、0.63以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
【請求項10】
前記圧電基板は、LiTaO

結晶を含み、前記すだれ状電極は、Ti,Al及びMg合金の少なくとも1つを含み、前記圧電基板の表面から、前記弾性表面波の波長/メタライゼーション比が0.075~0.3の範囲にある深さまで埋め込まれている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高次モード弾性表面波デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基本モードのオーバートーンとなる高次モードの利用を提供する高次モード弾性表面波(SAW;surface acoustic wave)デバイスに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等で主に使用されている700MHzから3GHzの周波数帯には、80近くのバンドがあり、非常に混雑している。その対策として、次世代無線通信システムの第5世代移動通信システム(5G)では、3.6GHzから4.9GHzの周波数帯の利用が計画されており、さらに、その次の世代では、6GHz以上の周波数帯を使用する計画もなされている。
【0003】
これらの計画に対し、代表的な弾性波デバイスである弾性表面波デバイスでは、耐電力および製造技術の限界から、すだれ状電極(IDT;interdigital transducer)の周期(λ)を小さくすることができず、高周波化に限界がある。図1(a)および(b)に、従来のSAWデバイスの一例として、圧電基板にLiTaO

結晶の42°回転Y板を用い、X方向伝搬のすだれ状電極52をAlで形成した構造の平面図および断面図を示す。図1(b)の断面図は、図1(a)の平面図における切断線I-Iによる断面を示している。
【0004】
図1(c)に、すだれ状電極52の周期が1.2μmのとき得られたインピーダンスの周波数特性を示す。その共振周波数は約3.2GHz、比帯域幅は3.8%、インピーダンス比は65dBであった。また、17.2GHzに高次モードらしき小さなレスポンスが見られるが、使用できるレベルではない。すだれ状電極52の周期を1μmまで微細化したとしても、その共振周波数は約3.8GHzであり、このように、従来のSAWデバイスでは、5G以降はもちろん、5Gに必要とされる周波数帯をカバーすることもできない。
【0005】
ここで、特許文献1には、メタライゼーション比0.45以下のAlより重いPt,Cu,Mo,Ni,Ta,Wなどの電極をオイラー角(0°,80~130°、0°)のLiNbO

基板に埋め込んでラブ波の基本モードを励振し、広い帯域幅が得られるようにした弾性表面波デバイスが開示されている。また、非特許文献1には、42°回転Y板のLiTaO

基板に0.1波長以下のCu電極を埋め込み、その上にAl電極を形成して、基本モードで励振して高いQ値が得られるようにした弾性表面波デバイスが開示されている。一方、1.9GHzの周波数帯を有する弾性波フィルタとして、AlNやScAlNの圧電薄膜を用いたバルク弾性波デバイス(FBAR;film bulk acoustic resonator)が研究されている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2014/054580号
【非特許文献】
【0007】
T. Kimura, M. Kadota, and Y. IDA, “High Q SAW resonator using upper-electrodes on Grooved-electrode in LiTaO3“, Proc. IEEE Microwave Symp. (IMS), p.1740, 2010.
Keiichi Umeda et al., “PIEZOELECTRIC PROPERTIES OF ScAlN THIN FILMS FOR PIRZO-MEMS DEVICES”, MEMS 2013, Taipei, Taiwan January 20-24, 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、非特許文献1に記載された技術は、電極に使用する金属が重く、メタライゼーション比も小さく、5G以降で求められる3.6GHz以上の高周波数帯では十分な性能が得られなかった。非特許文献2に記載のバルク弾性波デバイスは、圧電薄膜が多結晶薄膜であるため、1.9GHzで55dBのインピーダンス比しか得られておらず、超高周波での減衰が大きく、良好な特性を実現するのは難しかった。また、FBARの周波数は、薄膜の音速/(2×薄膜の厚み)で決定され、周波数を高くするためには、薄膜の厚みを極端に薄くしなければならない。現行のFBARは、自己支持された圧電薄膜を有するため、それが極端に薄くなる超高周波帯では、機械的強度を保てなかった。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、3.8GHz以上の高周波数帯でも、良好な特性を得ることができると共に、十分な機械的強度を保つことができる高次モード弾性表面波デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る高次モード弾性表面波デバイスは、LiTaO

結晶又はLiNbO

結晶を含む圧電基板と、圧電基板の表面に埋め込まれたすだれ状電極とを含み、高次モードの弾性表面波を利用するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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