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公開番号2024125956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023034115
出願日2023-03-06
発明の名称Cr合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法
出願人株式会社プロテリアル,国立大学法人東北大学
代理人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20240911BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 Cr合金層にスプラッシュが混入することが抑制できるターゲットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 原子比における組成式がCr100-a-b-c-Wa-Sib-Bc、5≦a≦40、0≦b≦5、5≦c≦15で表わされ、残部が不可避的不純物からなり、相対密度が95.0%以上であるCr合金スパッタリングターゲットであり、このCr合金スパッタリングターゲットは、上記原子比における組成式で表わされ、残部が不可避的不純物からなる粉体組成物を焼結温度1200~1400℃、加圧圧力100~200MPa、焼結時間1~4時間の条件で加圧焼結して得ることができる。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
原子比における組成式がCr
100-a-b-c
-W

-Si

-B

、5≦a≦40、0≦b≦5、5≦c≦15で表わされ、残部が不可避的不純物からなり、相対密度が95.0%以上であるCr合金スパッタリングターゲット。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
原子比における組成式がCr
100-a-b-c
-W

-Si

-B

、5≦a≦40、0≦b≦5、5≦c≦15で表わされ、残部が不可避的不純物からなる粉体組成物を、焼結温度1200~1400℃、加圧圧力100~200MPa、焼結時間1~4時間の条件で加圧焼結するCr合金スパッタリングターゲットの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、熱アシスト磁気記録媒体の下地層を形成するためのCr合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
磁気記録媒体は、記録密度の高密度化のため、従来の垂直磁気記録方式に替わる記録方式の一つとして熱アシスト記録方式が盛んに研究されている。熱アシスト記録方式とは、記録媒体に近接場光を照射し、その領域における記録層の保磁力を局所的に低下させて磁気情報を記録する方式である。
【0003】
熱アシスト磁気記録媒体の記録層としては、例えば、高い磁気異方性定数を有するL1

型のFePt合金が用いられる。そして、L1

型FePt合金の直下には、一般に(100)配向しているMgOが用いられる。これは、MgOの(100)とL1

型FePt合金の(001)の格子整合性が高いため、FePt合金を(001)配向させやすくするためである。さらに、MgOを(100)配向させるための下地層として、BCC構造のCr合金層や、アモルファスまたは微結晶のCr合金層が用いられる。BCC構造のCr合金層を用いる場合は、(100)配向したCr合金の格子上に、MgOの(100)が45°回転して配向する。また、アモルファスまたは微結晶のCr合金層を用いる場合は、下地層として膜の表面平滑性を向上させることが重要になる。
【0004】
磁気記録媒体の製造時において、FePtを成膜する際は、L1

型に規則合金化するために、500℃~700℃での加熱成膜が必要となり、下地層となるCr合金層も500℃~700℃に加熱される。このとき、アモルファスまたは微結晶でなるCr合金層のアモルファス相が結晶化したり、微結晶粒が粗大化した場合、Cr合金層の表面に凹凸が発生して表面平滑性が悪化し、上層に形成されたMgO層の(100)配向や記録層の(001)配向が劣化する虞れがある。そのため、Cr合金層は、500℃~700℃に加熱された後も、アモルファスまたは微結晶であり、表面平滑性を維持しなければならない。
【0005】
特許文献1では、MgOを(100)配向させるためのCr合金層として、CrにAl、Ti、Mo、W、V、Ruからなる元素の内の1種または2種以上の元素と、B、C、P、Si、Snからなる元素の内の1種または2種以上含有し、残部がCrおよび不可避的不純物からなる、BCC構造の磁気記録用Cr合金が提案されている。また、特許文献2では、MgOを(100)配向させるためのCr合金層として、アモルファス相のCrBが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-164780号公報
特開2017-157265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に開示されるCr合金層は、MgO層を(100)配向させることができる点で有用な材料である。しかし、本発明者は、Crに添加する元素としてW、Si、Bを選択し、Cr合金層を形成するためのCr合金スパッタリングターゲット(以下、単に「ターゲット」ともいう。)を作製した際に、相対密度が低くなることを確認した。また、特許文献2に開示されるCr合金層は、Bの含有量が多くなるほど、アモルファスまたは微結晶になる反面、ターゲットの相対密度が低くなることを確認した。そして、相対密度が低いターゲットを用いて形成したCr合金層にはスプラッシュが混入する場合があり、MgO層の(100)配向が劣化する虞があることを確認した。
【0008】
本発明の目的は、Cr合金層にスプラッシュが混入することが抑制できるターゲットおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原子比における組成式がCr
100-a-b-c
-W

-Si

-B

、5≦a≦40、0≦b≦5、5≦c≦15で表わされ、残部が不可避的不純物からなり、相対密度が95.0%以上であるCr合金スパッタリングターゲットの発明である。
【0010】
また、本発明のターゲットは、原子比における組成式がCr
100-a-b-c
-W

-Si

-B

、5≦a≦40、0≦b≦5、5≦c≦15で表わされ、残部が不可避的不純物からなる粉体組成物を、焼結温度1200~1400℃、加圧圧力100~200MPa、焼結時間1~4時間の条件で加圧焼結することで得ることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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