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公開番号2024114408
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023020160
出願日2023-02-13
発明の名称無電解ニッケル-錫-リンめっき液及び無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜
出願人学校法人関東学院
代理人個人
主分類C23C 18/50 20060101AFI20240816BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】本件出願に係る発明は、めっき浴の安定性が向上した、錫を高濃度に含有する無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を形成するための無電解ニッケル-錫-リンめっき液の提供を目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、本件出願に係る発明は、ニッケル源として水酸化ニッケル(II)、錫源として錫(IV)酸塩、還元剤として次亜リン酸又は次亜リン酸塩、錯化剤として有機酸を含み、水酸化ニッケル(II)に対する錫(IV)酸塩の割合はニッケルと錫との質量比として1:1~1:3であり、めっき浴のpHは10.0~12.0であり、めっき操業時の液温は80℃~95℃で用いる無電解ニッケル-錫-リンめっき液を採用する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
錫を高濃度で含有する無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を形成するための無電解ニッケル-錫-リンめっき液であって、
ニッケル源として水酸化ニッケル(II)、錫源として錫(IV)酸塩、還元剤として次亜リン酸又は次亜リン酸塩、錯化剤として有機酸を含み、
水酸化ニッケル(II)に対する錫(IV)酸塩の割合は、ニッケルと錫との質量比として1:1~1:3であり、
めっき浴のpHは、10.0~12.0であり、
めっき操業時の液温は、80℃~95℃で用いることを特徴とする無電解ニッケル-錫-リンめっき液。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
錯化剤は、クエン酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、酢酸及びその塩、プロピオン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、グリコール酸及びその塩、乳酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩からなる群から選択される何れか1種以上である請求項1に記載の無電解ニッケル-錫-リンめっき液。
【請求項3】
請求項1に記載の無電解ニッケル-錫-リンめっき液で形成した無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜であって、
錫の含有量が50質量%以上であることを特徴とする無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜。
【請求項4】
錫の含有量が50質量%~60質%である請求項3に記載の無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜。
【請求項5】
Ni

Sn

の組成を有する準安定相を含み、平均結晶子径は10nm~20nmである請求項3又は請求項4に記載の無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本件出願に係る発明は、無電解ニッケル-錫-リンめっき液及びこれを用いて形成した無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜に関する。そして、本件出願に係る発明は、特に、錫を高濃度に含有する無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を形成するための無電解ニッケル-錫-リンめっき液に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
錫を高濃度に含有するニッケル-錫合金のめっき皮膜は、耐食性に優れ、優美な色調の光沢外観を有することから、防食、装飾等の目的で、電子部品、自動車部品等の幅広い分野で用いられている。特に、皮膜中に錫を50質量%以上含有するものは、耐食性が極めて高く、工業的に有用である。しかし、この錫を高濃度に含有するニッケル-錫合金のめっき皮膜は、現状では主に電気めっき法で形成されており、複雑な形状を有する被めっき物への成膜を得意とする無電解めっき法で形成したものは、実用化されていない。その理由は、無電解めっき法で形成した当該めっき皮膜は、通常、皮膜中の錫の含有量が低く、また膜厚も小さいことから、十分な耐食性が得られないためである。
【0003】
この問題に対し、本件出願人は、特許文献1に係る発明として、ニッケル源である水溶性ニッケル塩と、錫源である水溶性スズ塩との割合を制御することにより、錫を40wt%以上含む、ニッケル-錫合金のめっき皮膜であるニッケル-錫-リンめっき皮膜を安定して得ることができる無電解ニッケル-錫-リンめっき液の開発に成功した。具体的には、特許文献1に開示の無電解ニッケル-錫-リンめっき液は、「水溶性ニッケル塩と、水溶性スズ塩と、次亜リン酸と、第1錯化剤と、第2錯化剤とを含有し、当該水溶性ニッケル塩に対する当該水溶性スズ塩の割合が1.5~3」のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-73254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この特許文献1に開示の無電解ニッケル-錫-リンめっき液は、めっき浴の安定性及び皮膜中の錫の含有量について、未だ改善の余地があるものだった。そのため、市場では、錫を高濃度に含有する無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を形成するための無電解ニッケル-錫-リンめっき液であって、めっき浴の安定性及び皮膜中の錫の含有量が更に向上した無電解ニッケル-錫-リンめっき液の提供が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件出願の発明者は、鋭意研究の結果、以下の要件を有する無電解ニッケル-錫-リンめっき液及びこの無電解ニッケル-錫-リンめっき液を用いて形成した無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を採用することにより、上述の課題を達成するに至った。
【0007】
A.無電解ニッケル-錫-リンめっき液
本件出願に係る無電解ニッケル-錫-リンめっき液は、錫を高濃度に含有する無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜を形成するためのものであって、ニッケル源として水酸化ニッケル(II)、錫源として錫(IV)酸塩、還元剤として次亜リン酸又は次亜リン酸塩、錯化剤として有機酸を含み、水酸化ニッケル(II)に対する錫(IV)酸塩の割合は、ニッケルと錫との質量比として1:1~1:3であり、めっき浴のpHは、10.0~12.0であり、めっき操業時の液温は80℃~95℃で用いることを特徴とする。
【0008】
本件出願に係る無電解ニッケル-錫-リンめっき液において、錯化剤は、クエン酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、酢酸及びその塩、プロピオン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、グリコール酸及びその塩、乳酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩からなる群から選択される何れか1種以上であることが好ましい。
【0009】
B.無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜
本件出願に係る無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜は、上述の本件出願に係る無電解ニッケル-錫-リンめっき液で形成したものであって、錫の含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
【0010】
本件出願に係る無電解ニッケル-錫-リンめっき皮膜は、錫の含有量が50質量%~60質量%であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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