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公開番号2024114116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023019599
出願日2023-02-13
発明の名称酵母培養培地および酵母の培養方法
出願人日清食品ホールディングス株式会社
代理人
主分類C12N 1/16 20060101AFI20240816BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】入手しやすく、価格も安く、酵母エキスで培養した場合と同等もしくはそれ以上の増殖能や産生能が担保された代替品を用いることで、酵母の大量培養を可能とし、ひいては工業化への道筋をつけることを目的とする。
【解決手段】酵母培養培地であって、酵母エキスの代わりにおから又はおから抽出液を用いることを特徴とする、酵母培養培地を提供する。また、酵母の培養方法であって、酵母エキスの代わりにおからの入った培地で前培養する工程と、前記前培養した酵母を、酵母エキスの代わりにおからの入った培地で本培養する工程と、本培養培地からおからを除去する工程と、からなる酵母の培養方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酵母培養培地であって、酵母エキスの代わりにおから又はおから抽出液を用いることを特徴とする、酵母培養培地。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
おから抽出液が、おから乾燥重量に対して15-40倍の重量の水を添加後に酵素処理したものであることを特徴とする、請求項1記載の酵母培養培地。
【請求項3】
さらに硫酸アンモニウムを添加することを特徴とする、請求項1又は2に記載の酵母培養培地。
【請求項4】
酵母の培養方法であって、
酵母エキスの代わりにおからの入った培地で前培養する工程と、
前記前培養した酵母を、酵母エキスの代わりにおからの入った培地で本培養する工程と、
本培養培地からおからを除去する工程と、
からなる酵母の培養方法。
【請求項5】
酵母の培養方法であって、
酵母エキスの代わりにおから抽出液の入った培地で前培養する工程と、
前記前培養した酵母を、酵母エキスの代わりにおから抽出液の入った培地で本培養する工程と、
からなる酵母の培養方法。
【請求項6】
培地にさらに硫酸アンモニウムを添加することを特徴とする、請求項4又は5に記載の酵母の培養方法

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵母の培養に関するものである。詳しくは、酵母培養培地および酵母の培養方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
2015年9月の国連サミットにおいて、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標としてSDGsが設定された。SDGsは17のゴール・169のターゲットから構成されており、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的なものとして現在多くの企業が取り組んでいる。食品業界におけるSDGsへの取り組みの一例として、パーム油に対する取り組みが挙げられる。
【0003】
パーム油は、アブラヤシの果実から得られる常温で固体の植物油であり、世界で最も生産されている植物油である。パーム油の用途としては、食用油以外に、マーガリン、ショートニング又は石鹸の原料が知られている。また、パーム油は、即席フライ麺又はポテトチップスのようなスナック菓子の揚げ油としても利用されている。
【0004】
アブラヤシは、1年を通して実をつけるので単位面積当たりの収穫量が他の植物油原料よりはるかに高く、大豆油又は菜種油と比べて8~10倍もの生産が可能である。そのため、パーム油は他の植物油脂よりも安価である。また、安定供給が可能なため、多くの国々がパーム油を輸入している。しかし、アブラヤシが育つのは赤道直下の高温多湿の熱帯地方のみであり、生育条件が熱帯雨林の分布と重なっている。そのため、アブラヤシプランテーションを開発するためには、熱帯雨林を伐採する他なく、毎年多くの熱帯雨林が伐採によって消失している。また、プランテーション開発時には大規模な森林火災も発生している。このような熱帯雨林の消失によって、そこに住む希少な野生動物が絶滅の危機に瀕している。さらに、急速なパーム油需要の拡大に伴い、労働者が劣悪な労働環境におかれたり、土地開発において地域住民と開発業者との衝突を生じたりするなどの問題も生じている。
【0005】
そこで、アブラヤシに代わってLipomyces属酵母に注目が集まっている。Lipomyces属酵母は油脂産生酵母であり、パーム油の脂肪酸組成に近似した油脂を産生することが知られている。また、Lipomyces属酵母は通常の酵母と同じく培養が比較的簡単であり、アブラヤシと比べても単位面積当たりの油脂回収量が高いことが魅力である。
【0006】
一方で、酵母を培養するためには酵母エキスが必須であるが、酵母エキスは他の培地素材と比べて高価である。そのため、酵母を大量培養するにはコストの増加が避けられず、工業化への課題となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Kyle, V. Probst, et al., Evaluation of Green Solvents; Oil Extraction from Oleaginous Yeast Lipomyces starkeyi Using Cyclopentyl Methyl Ether (CPME). Biotechnology Progress. 2017; 33:1096-1103
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものである。具体的には、入手しやすく、価格も安く、酵母エキスで培養した場合と同等もしくはそれ以上の増殖能や産生能が担保された代替品を用いることで、酵母の大量培養を可能とし、ひいては工業化への道筋をつけることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題に対して酵母エキスの代替となる物質について鋭意検討を重ねた。そして、豆腐や油揚げ等の製造時に大量に発生・廃棄されているおからを酵母エキスの代わりに用いることで、食品ロスを減らしつつ、酵母を培養することができることを見出した。また、おからを用いて油脂産生酵母を培養した場合には、油脂産生酵母が産生した油脂をその他の生産に活用することでき、循環型の持続可能な開発が達成できることを新たに見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
上記課題解決のため、本発明は、酵母培養培地であって、酵母エキスの代わりにおから又はおから抽出液を用いることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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