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公開番号2024112699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023017927
出願日2023-02-08
発明の名称ヤンキードライヤーの監視システム
出願人株式会社メンテック
代理人個人,個人,個人,個人
主分類D21H 27/00 20060101AFI20240814BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】経験則によらないで、ヤンキードライヤーに対策を施す適切なタイミングを認識することができ、歩留まりの低下を抑制することが可能なヤンキードライヤーの監視システムを提供する。
【解決手段】光沢を有する金属製のヤンキードライヤーYDにクレープ剤を付与するための薬液付与装置Nと、当接されたクレーピングドクターCRと、光を照射する照明Lと、ヤンキードライヤーYDを監視するための監視カメラCと、監視カメラCとネットワークを介して接続された制御装置10と、を有し、制御装置10が、監視カメラCで撮影された画像を、監視カメラCから取得する取得手段と、画像の画素毎に測定した平均輝度を算出する算出手段と、取得手段及び算出手段が繰り返されることにより得られる複数の平均輝度を経時的に記憶する記憶手段と、平均輝度が予め設定した閾値を超えるか否かで、ヤンキードライヤーの状態を判定する判定手段と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
クレープ加工におけるヤンキードライヤーの状態を監視するためのヤンキードライヤーの監視システムであって、
光沢を有する金属製のヤンキードライヤーと、該ヤンキードライヤーにクレープ剤を付与するための薬液付与装置と、前記ヤンキードライヤーに当接されたクレーピングドクターと、前記ヤンキードライヤーに光を照射する照明と、前記ヤンキードライヤーを監視するための監視カメラと、該監視カメラとネットワークを介して接続された制御装置と、を有し、
前記制御装置が、
前記監視カメラで撮影された、稼働中の前記ヤンキードライヤーの表面の任意の領域の画像を、前記監視カメラから取得する取得手段と、
前記画像の画素毎に測定した輝度の平均値である平均輝度を算出する算出手段と、
前記取得手段及び前記算出手段が繰り返されることにより得られる複数の前記平均輝度を経時的に記憶する記憶手段と、
前記平均輝度が予め設定した閾値を超えるか否かで、前記ヤンキードライヤーの状態を判定する判定手段と、
を備えるヤンキードライヤーの監視システム。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記画像における前記ヤンキードライヤーの幅方向をX軸、該X軸に直交する方向をY軸とした場合に、
前記算出手段が、更に、Y軸方向に連なる画素列における平均輝度をX軸方向の画素列それぞれに算出するものである請求項1記載のヤンキードライヤーの監視システム。
【請求項3】
前記監視カメラがラインスキャンカメラである請求項1記載の監視システム。
【請求項4】
前記照明及び前記監視カメラが、前記ヤンキードライヤーの抄紙と接している部分に向けられている請求項1記載の監視システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヤンキードライヤーの監視システムに関し、更に詳しくは、抄紙機におけるクレープ加工において、ヤンキードライヤーの状態を監視するための監視システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
紙の製造においては、一般に、乾燥したパルプシートを解繊し、填料やサイズ剤等の添加剤を加えたものを攪拌混合してパルプの分散体とする紙料調成工程と、抄紙機を用い、パルプの分散体を抄紙用のワイヤーに載せ余分な水を自然落下させるワイヤーパート、これを一対のプレスロール間に通しフェルトを介してプレスロールで押圧することにより、紙中の水分をフェルトに移行させ、これにより抄紙を脱水するプレスパート、プレスパートを通過した抄紙を、加熱されたドライヤーに接触させることで乾燥させるドライパート、抄紙をスプールに巻き取るリールパート等の各パートを経由させて紙とする抄紙工程とが行われる。
また、かかる抄紙工程においては、ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の家庭紙を製造する場合、抄紙にクレープと呼ばれる皴を設けるクレープ加工が行われている。
【0003】
ところで、クレープ加工においては、抄紙をヤンキードライヤーから剥離させる際に、紙粉がヤンキードライヤーに残存するという事態が生じる。そして、その紙粉は、経時的に蓄積され、抄紙の付着性を阻害する要因となる。
一方で、付着性を向上させるためのクレープ剤は、ヤンキードライヤーの表面に付与されるものの、それが連続して案内される抄紙に徐々に転移するため、クレープ剤のヤンキードライヤーへの付与量が徐々に低下する。そうすると、抄紙の付着性が徐々に低下することになる。
したがって、単純にクレープ加工を継続すると、ヤンキードライヤーへの抄紙の付着性が徐々に低下し、所望の皴が得られないことになる。このため、現状においては、クレープ剤の反復付与による付着性対策、ヤンキードライヤーに付着した紙粉を除去する清掃やクレーピングドクターの交換等による紙粉対策等の対策が行われている。
【0004】
ところが、これらの対策は、経験則に基づくタイミングで行われるため、例えば作業者が変わった場合等に適切なタイミングでこれらの対策ができるとは必ずしもいえない。仮に対策のタイミングを外すと、クレープ加工の歩留まりが大きく低下するという事態が生じ得る。
【0005】
これに対し、クレープ加工を監視することにより、経験則の利用を除外する試みがなされている。
例えば、ヤンキードライヤーに形成されるクレープ剤による被膜を監視する方法が知られている。すなわち、(a)クレーピングシリンダ(ヤンキードライヤー)表面にコーティング(被膜)を形成することと、(b)示差法によりクレーピングシリンダ表面のコーティングの厚さを測定することであって、コーティングと物理的に接触しない複数の装置を示差法が利用することと、(c)クレーピングシリンダ表面に均一厚さコーティングを設けるように、コーティングの厚さに応じてクレーピングシリンダの一つ以上の規定ゾーンにおけるコーティングの形成を任意で調節することと、(d)追加デバイスを任意で使用して、クレーピングシリンダのコーティングの厚さを除くコーティングの他の面を監視して任意で制御することと、を包含する、クレーピングシリンダ表面への性能向上剤(PEM)含有コーティングの形成を監視して任意で制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このコーティングの形成を監視する方法によれば、ヤンキードライヤーに対するクレーピング剤の付与量を監視できるので、経験則によらずとも、クレープ剤の付与のタイミングは認識することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2012-505322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載のコーティングの形成を監視する方法により、コーティングの形成を監視するだけでは、十分であるとはいえない。すなわち、クレープ加工においては、ヤンキードライヤーに紙粉が必ず付着するため、仮にコーティングの形成が十分であっても、紙粉の蓄積により歩留まりが低下することが生じ得る。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ヤンキードライヤーの状態を監視することにより、経験則によらないで、ヤンキードライヤーに対策を施す適切なタイミングを認識することができ、その結果、歩留まりの低下を抑制することが可能なヤンキードライヤーの監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、クレープ剤及び紙粉が付着する対象であるヤンキードライヤーを直接監視できないかと考えた。そして、照明で光を照射した場合のヤンキードライヤーの輝度に着目し、平均輝度を算出する手段と、当該平均輝度が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定手段とを備えることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明は、クレープ加工におけるヤンキードライヤーの状態を監視するためのヤンキードライヤーの監視システムであって、光沢を有する金属製のヤンキードライヤーと、該ヤンキードライヤーにクレープ剤を付与するための薬液付与装置と、ヤンキードライヤーに当接されたクレーピングドクターと、ヤンキードライヤーに光を照射する照明と、ヤンキードライヤーを監視するための監視カメラと、監視カメラとネットワークを介して接続された制御装置と、を有し、制御装置が、監視カメラで撮影された、稼働中のヤンキードライヤーの表面の任意の領域の画像を、監視カメラから取得する取得手段と、画像の画素毎に測定した輝度の平均値である平均輝度を算出する算出手段と、取得手段及び算出手段が繰り返されることにより得られる複数の平均輝度を経時的に記憶する記憶手段と、平均輝度が予め設定した閾値を超えるか否かで、ヤンキードライヤーの状態を判定する判定手段と、を備えるヤンキードライヤーの監視システムである。
(【0011】以降は省略されています)

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