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公開番号2024112096
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-20
出願番号2023016950
出願日2023-02-07
発明の名称部分めっき部品の製造方法
出願人マクセル株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 18/18 20060101AFI20240813BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】基材とめっき膜との密着性に優れ、かつ、生産性に優れた部分めっき部品の製造方法を提供する。
【解決手段】部分めっき部品の製造方法は、樹脂製の基材20の表面の一部に選択的にめっき膜が形成された部分めっき部品を製造する方法であって、基材20の表面にマスク30を配置して紫外線を照射する工程と、紫外線を照射した基材20の表面に無電解めっきによってめっき膜を形成する工程と、を備え、基材20は、紫外線が照射される領域20Aの少なくとも一部に立体的な形状を有し、マスク30は、基材20の紫外線が照射される領域20Aの形状に沿った形状を有し、紫外線の光源が拡散光源であり、基材20とマスク30との平均距離δtが10~200μmである。
【選択図】図3A
特許請求の範囲【請求項1】
基材の表面の一部に選択的にめっき膜が形成された部分めっき部品を製造する方法であって、
前記基材の表面にマスクを配置して紫外線を照射する工程と、
前記紫外線を照射した前記基材の表面に無電解めっきによって前記めっき膜を形成する工程と、を備え、
前記基材は、前記紫外線が照射される領域の少なくとも一部に立体的な形状を有し、
前記マスクは、前記基材の前記紫外線が照射される領域の形状に沿った形状を有し、
前記紫外線の光源が拡散光源であり、
前記基材と前記マスクとの平均距離δtが10~200μmである、部分めっき部品の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記紫外線が照射される領域内における前記基材の最大の高低差dが2mm以上である、請求項1に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項3】
前記紫外線が照射される領域内における前記基材の最大の高低差をdとし、前記紫外線が照射される領域の幅をwとしたとき、d/wが0.035以上である、請求項1に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項4】
前記基材は、前記紫外線が照射される領域に、前記基材の内側に向かって凸となる面又は前記基材の外側に向かって凸となる面を有する、請求項1に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項5】
前記基材の内側に向かって凸となる面の法線を含む断面、又は前記基材の外側に向かって凸となる面の法線を含む断面において、前記紫外線が照射される領域の端部の2点、及びこの中間の点を通る円の半径をrとしたとき、rが200mm以下である、請求項4に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項6】
前記めっき膜の幅D0(μm)と対応する部分の前記マスクの透過部の幅D1(μm)とが、下記の関係式を満たす、請求項1~5のいずれか一項に記載の部分めっき部品の製造方法。
0.5≦D1/D0≦1.0
【請求項7】
前記めっき膜の幅D0(μm)と対応する部分の前記マスクの透過部の幅D1(μm)とが、下記の関係式を満たす、請求項1~5のいずれか一項に記載の部分めっき部品の製造方法。
0.1≦(D0-D1)/δt≦3.0
【請求項8】
前記めっき膜の厚さが0.2μm以上10μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項9】
前記紫外線を照射する工程の前に、前記基材に触媒失活剤を付与する工程をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の部分めっき部品の製造方法。
【請求項10】
前記マスクの厚さが10μm以上500μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の部分めっき部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、部分めっき部品の製造方法に関し、より詳しくは、立体的な形状を有する基材の表面の一部に選択的にめっき膜が形成された部分めっき部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
基材の表面の一部に選択的にめっき膜を形成する(パターニングする)方法として、以下の(1)~(5)の方法が知られている。
【0003】
(1)基材の表面にレジストを塗布してレジスト層を形成する。マスクを使って露光・現像を行い、レジスト層を所定のパターンで選択的に除去する。残ったレジスト層を含む基材の表面の全体にめっきを行った後、残ったレジスト層を除去する(リフトアップ)。
(2)基材の表面の全体にめっきを行った後、レーザー描画装置を使って、不要部分のめっき膜を除去する。
(3)めっき膜を形成したい部分をレーザー描画装置によって粗化し、その部分にめっき触媒を担持させて、選択的にめっき膜を形成する。
(4)基材の樹脂に予め触媒を混ぜておき、めっき膜を形成したい部分にレーザーを照射して触媒を活性化させて、選択的にめっき膜を形成する。
(5)基材の表面の全体に触媒失活剤を塗布した後、めっき膜を形成したい部分にレーザーを照射して触媒失活剤を除去して、選択的にめっき膜を形成する。
【0004】
また、基材に紫外線を照射してめっき膜を形成する方法も知られている。
【0005】
特開平8-253869号公報には、樹脂材料表面に紫外光を少なくとも照射量50mJ/cm

以上照射した後、無電解めっきによって金属膜を形成することが記載されている。同公報には、紫外光を照射することで樹脂表面が活性化され、無電解めっきによって形成される金属膜との密着性が強固になると記載されている。
【0006】
特許第5856278号公報には、樹脂製品の表面の一部を無電解めっきが析出するように選択的に改質する改質方法が記載されている。この改質方法は、紫外線を樹脂製品の表面の一部に照射する改質工程を含む。この改質工程において、少なくとも2つの紫外光束による干渉パターンが樹脂製品の表面に形成されるように紫外線を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平8-253869号公報
特許第5856278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
立体的な形状を有する基材(以下「立体成形品」という。)にめっき膜を形成する場合、上記(1)~(5)の方法には、次のような問題がある。
【0009】
上記(1)の方法では、立体成形品に均一にレジストを塗布するのが困難な場合がある。レジストの厚さにムラがあると、レジストの薄い部分では露光が進んでパターンが広がり、厚い部分では露光が遅れてパターンが狭くなる等、めっきのパターンにムラが生じる場合がある。
【0010】
上記(2)の方法では、レーザーでめっき膜を除去する部分の面積が大きいと、除去に長時間を要する場合がある。また、基材の表面に単純にめっき膜を形成すると、基材とめっき膜との密着性が不十分となる場合がある。密着性を向上させるため、基材の表面を予めブラスト等で粗化しておくことや、カップリング剤等で化学的に処理しておくことが考えられるが、立体成形品の処理ではムラが生じやすく、また、均一な処理には長時間を要するため、生産性が課題となる。
(【0011】以降は省略されています)

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