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公開番号
2024111659
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-19
出願番号
2023016291
出願日
2023-02-06
発明の名称
荷重測定器
出願人
THKプレシジョン株式会社
代理人
個人
主分類
G01L
1/14 20060101AFI20240809BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 一つの変位測定手段で複数の荷重測定範囲に対応することができ、低荷重から高荷重まで最適な分解能が得られる荷重測定器を提供する。
【解決手段】 本発明の荷重測定器1は、複数の弾性変形構造体2a,2b,2cからなる荷重測定器であって、その弾性変形構造体は、固定部3a,3b,3cと、荷重を受ける変位部4a,4b,4cと、固定部と変位部とを繋ぎ荷重が掛かったときに弾性変形する弾性ばね部5a,5b,5cと、を備え、複数の弾性変形構造体のそれぞれの固定部どうしが連結されて並列に配置され、少なくとも一つの弾性変形構造体に変位部の変位量を測定する変位測定手段6が設けられ、その変位測定手段を設けた弾性変形構造体を含む少なくとも二つ以上の弾性変形構造体のそれぞれの変位部どうしを連結する連結部材9,10,11を有し、その連結部材は、連結する弾性変形構造体の個数に応じて付け替え可能であることとする。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の弾性変形構造体からなる荷重測定器であって、
前記弾性変形構造体は、固定部と、荷重を受ける変位部と、前記固定部と前記変位部とを繋ぎ荷重が掛かったときに弾性変形する弾性ばね部と、を備え、
前記複数の弾性変形構造体のそれぞれの前記固定部どうしが連結されて並列に配置され、
少なくとも一つの前記弾性変形構造体に前記変位部の変位量を測定する変位測定手段が設けられ、
前記変位測定手段を設けた前記弾性変形構造体を含む少なくとも二つ以上の前記弾性変形構造体のそれぞれの前記変位部どうしを連結する連結部材を有し、
前記連結部材は、連結する前記弾性変形構造体の個数に応じて付け替え可能であることを特徴とする荷重測定器。
続きを表示(約 130 文字)
【請求項2】
前記変位測定手段が、前記弾性ばね部に備えられた歪みゲージを有することを特徴とする請求項1に記載の荷重測定器。
【請求項3】
前記連結部材が、荷重を掛ける荷重載荷部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷重測定器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重センサ、フォースセンサ、はかり、ロードセルなどの荷重測定器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の荷重測定器の一例を説明する。図5は、従来の荷重測定器の簡易説明図であって、(a)は無荷重時、(b)は荷重載荷時である。この荷重測定器12は固定部13と変位部14が互いに平行ばね15によって連結されている。また、変位部14の変位量D1を測定するための変位測定手段16が、固定部13に備えられている。そして、変位部14に重り20を載荷すると、図5(b)に示すように、平行ばね15には、その剛性に応じた一定の変位が生じる。変位量D1は、平行ばね15が弾性変形する範囲内では荷重に比例するため、この変位量D1を変位測定手段16によって測定することで、重り20の荷重が測定できることになる。
【0003】
このような従来の荷重測定器12の具体例として、平行ばね15の剛性を6×10^4N/mとする。そして、変位測定手段16として静電容量式変位センサを用いたときの諸特性を、測定レンジ50μm、出力電圧範囲0~10V、電気的ノイズ1mVとすると、荷重測定器12の荷重の測定範囲は、0~3Nとなる。また、一般的な荷重測定器の分解能は、変位センサの電気的ノイズによって制限される。つまり、この荷重測定器12の場合、荷重の測定分解能は電気的ノイズを荷重に換算した0.3mNとなる。
【0004】
なお、変位センサの電気的ノイズは、変位測定範囲に依らずほぼ一定なため、例えば荷重測定範囲が0~1Nの荷重測定器の場合は、剛性を1/3の2×10^4N/mにすることによって、1N載荷したときの変位量が3倍になり、荷重分解能を0.1mNに改善することができる。
【0005】
ここで、大きな荷重を測定できる荷重測定器は剛性が高いので、そのような高い剛性の荷重測定器を用いて小さな荷重を測定すると分解能が低下するという問題がある。そこで、特許文献1には、一定範囲の荷重を高分解能で測定することを目的として、低分解能荷重センサと高分解能荷重センサの両方を備え、比較的小さい荷重のときは高分解能荷重センサが使用され、比較的大きい荷重のときは低分解能荷重センサが使用されるスピンドル又はロードセルが開示されている。このようなスピンドル又はロードセルであれば、計測できる荷重範囲を一般的なスピンドル等よりも広くすることができ、また、高分解能荷重センサを非接触の計測システムにすることで、高荷重でも高分解能荷重センサが損傷を受けないようにすることができる。しかし、このような荷重測定器の場合は、2種類の荷重センサを搭載しなければならないので、機器が複雑でコストがかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2018-53437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような実情に鑑み、本願発明は、簡易な構造で、低荷重から高荷重まで広い荷重範囲に対して適切な分解能で荷重測定ができる荷重測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の荷重測定器は、複数の弾性変形構造体からなる荷重測定器であって、その弾性変形構造体は、固定部と、荷重を受ける変位部と、固定部と変位部とを繋ぎ荷重が掛かったときに弾性変形する弾性ばね部と、を備え、複数の弾性変形構造体のそれぞれの固定部どうしが連結されて並列に配置され、少なくとも一つの弾性変形構造体に変位部の変位量を測定する変位測定手段が設けられ、その変位測定手段を設けた弾性変形構造体を含む少なくとも二つ以上の弾性変形構造体のそれぞれの変位部どうしを連結する連結部材を有し、その連結部材は、連結する弾性変形構造体の個数に応じて付け替え可能であることとする。
【0009】
ここで、変位測定手段が、弾性ばね部に貼付された歪みゲージを有することにしてもよい。また、連結部材が、荷重を掛ける荷重載荷部であることにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の荷重測定器によると、測定荷重に応じて弾性変形構造体の連結個数を決定することで、荷重測定器の剛性を容易に変更することができるため、測定荷重が低荷重のときは剛性を下げ、測定荷重が高荷重のときは剛性を上げて測定荷重に適した剛性を設定し、低荷重から高荷重まで適切な分解能で測定できるという効果が得られる。
(【0011】以降は省略されています)
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