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公開番号
2024111519
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-19
出願番号
2023016074
出願日
2023-02-06
発明の名称
弱酸性次亜塩素酸水の製造方法
出願人
株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類
C01B
11/04 20060101AFI20240809BHJP(無機化学)
要約
【課題】 次亜塩素酸分解能及び水溶性有機物溶出性を有する酸性イオン交換樹脂(活性H型イオン交換樹脂)を用いて、次亜塩素酸金属塩が溶解した水溶液(原料水溶液)のイオン交換を行うことにより、分子型次亜塩素酸が溶解した弱酸性水溶液を製造するに際して、生成した次亜塩素酸の分解によるロスを低減する。
【解決手段】 原料水溶液のイオン交換を行う前に、イオン交換水等の洗浄水で活性H型イオン交換樹脂を洗浄するようにすると共に、該洗浄では、活性H型イオン交換樹脂について、例えば96時間といった比較的長時間洗浄水に浸漬する等の方法により、水溶性有機物を、その含有量が所定値以下となるまで除去して、次亜塩素酸分解能を低減させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
次亜塩素酸分解能及び水溶性有機物溶出性を有する酸性イオン交換樹脂からなる「活性H型イオン交換樹脂」を、イオン交換水及び/又は純水からなる洗浄水を用いて水洗することにより前記「活性H型イオン交換樹脂」から水溶性有機物を溶出させた後に前記洗浄水と分離して、次亜塩素酸分解能及び水溶性有機物溶出性が低減された酸性イオン交換樹脂からなる「不活化H型イオン交換樹脂」を得る水洗工程;及び
前記「不活化H型イオン交換樹脂」と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて、前記金属塩の金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させるイオン交換工程;を含み、
40℃の水100mlと酸性イオン交換樹脂50mlとを混合して撹拌下に24時間抽出を行って得られた水溶性有機物を含む水溶液の有機物濃度(ppm)を当該酸性イオン交換樹脂における水溶性有機物の最大溶出量としたときに、
前記水洗工程において、水溶性有用性有機物の最大溶出量が130ppm以上である「活性H型イオン交換樹脂」から水溶性有用性有機物の最大溶出量が30ppm以下である「不活化H型イオン交換樹脂」を得る、
ことを特徴とする弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
容器内で「活性H型イオン交換樹脂」50mlあたり常温の洗浄水25~500mlに浸漬する浸漬法により前記水洗工程を行う、請求項1に記載の弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
【請求項3】
前記水洗工程において、前記水洗工程において洗浄水について経時的に化学的酸素要求量の測定を行って洗浄水中に抽出された水溶性有用性有機物の量(質量部)を求め、
(1)水洗対象物である「活性H型イオン交換樹脂」における水溶性有機物の最大溶出量と、洗浄水中に抽出された水溶性有用性有機物の総質量を上記「活性H型イオン交換樹脂」の質量で除した値と、の差に基づき水洗処理の終点を決定するか、又は
(2)前記測定を行った時点における水溶性有機物の抽出速度(質量/時間)に基づき水洗処理の終点を決定する、
請求項1又は2に記載の弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱酸性次亜塩素酸水の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
水溶液中の次亜塩素酸は、pHによって存在形態が変化する。具体的には、pHが3~6程度の弱酸性領域では殆どが分子型の次亜塩素酸(HClO)として存在し、pH9以上の塩基性領域では解離した次亜塩素酸イオン(OCl
-
)としての存在が優勢となり、また強酸性領域(たとえばpH3未満)ではpHの低下に伴い塩素分子(Cl
2
)の発生が優勢となる。これら存在形態の中で分子型次亜塩素酸(HClO)が極めて高い殺菌効果を有し、その殺菌効果はイオン型次亜塩素酸(OCl
-
)の約80倍であるとも言われている。このような高い殺菌効果を有する分子型次亜塩素酸を多く含むpH3~6の弱酸性次亜塩素酸水溶液は、人体に対する安全性も比較的高いことから、医療、歯科、農業、食品加工等、様々な分野における除菌剤又は殺菌剤として使用されている。そして、近年では、介護施設、教育施設、商業施設等の公共施設や、一般家庭における除菌や殺菌の用途に使用されるようになり、その消費量は年々増加している。
【0003】
このような弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造する方法としては、次亜塩素酸塩水溶液からなる原料水溶液を酸性イオン交換樹脂で処理する方法(以下、単に「イオン交換法」ともいう。特許文献1および特許文献2参照。)が知られている。該イオン交換法は、電解装置のような特殊な装置を必要とせず、また危険な塩素ガスが発生しにくく、簡便且つ安全に弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するための方法として優れた方法である。しかしながら、使用する酸性イオン交換樹脂の状態によって次亜塩素酸分解能を有する場合には、生成した分子状次亜塩素酸の一部が製造中に分解することによって原料水溶液中に含まれる有効塩素をロスしてしまう。このような問題の解決法としては、予め酸化剤水溶液により処理した酸性イオン交換樹脂を用いる方法が知られている(特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2011-509275号公報
特開2013-001620号公報
特開2020-117422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3に記載された方法では、所定の濃度の酸化剤水溶液を予め準備する必要があるばかりでなく、処理の際にもイオン交換樹脂の酸化量をコントールする必要がある。このため、特に、コストがかかり専用設備が必要な再生処理を行った再生酸性イオン交換樹脂を用いることなく、(比較的高い次亜塩素酸分解能を有する)新しい酸性イオン交換樹脂を毎回使用してバッチ法により弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造する場合には、酸化剤水溶液処理に要する酸化剤のコストや操作の煩雑性が大きな問題となる。
【0006】
そこで、本発明は、酸化剤水溶液を用いた処理を行うことなく、簡便且つ低コストで有効塩素のロスを低減してイオン交換法により弱酸性次亜塩素酸水を製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記課題を解決するものであり、本発明の一の形態は、次亜塩素酸分解能及び水溶性有機物溶出性を有する酸性イオン交換樹脂からなる「活性H型イオン交換樹脂」を、イオン交換水及び/又は純水からなる洗浄水を用いて水洗することにより前記「活性H型イオン交換樹脂」から水溶性有機物を溶出させた後に前記洗浄水と分離して、次亜塩素酸分解能及び水溶性有機物溶出性が低減された酸性イオン交換樹脂からなる「不活化H型イオン交換樹脂」を得る水洗工程;及び
前記「不活化H型イオン交換樹脂」と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて、前記金属塩の金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させるイオン交換工程;を含み、
40℃の水100mlと酸性イオン交換樹脂50mlとを混合して撹拌下に24時間抽出を行って得られた水溶性有機物を含む水溶液の有機物濃度(ppm)を当該酸性イオン交換樹脂における水溶性有機物の最大溶出量としたときに、
前記水洗工程において、水溶性有機物の最大溶出量が130ppm以上である「活性H型イオン交換樹脂」から水溶性有機物の最大溶出量が30ppm以下である「不活化H型イオン交換樹脂」を得る、
ことを特徴とする弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。
【0008】
上記形態の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)においては、容器内で「活性H型イオン交換樹脂」50mlあたり常温の洗浄水25~500mlに浸漬する浸漬法により前記水洗工程を行う、ことが好ましい。
【0009】
また、前記水洗工程において、前記水洗工程において洗浄水について経時的に化学的酸素要求量の測定を行って洗浄水中に抽出された水溶性有機物の量(質量部)を求め、
(1)水洗対象物である「活性H型イオン交換樹脂」における水溶性有機物の最大溶出量と、洗浄水中に抽出された水溶性有機物の総質量を上記「活性H型イオン交換樹脂」の質量で除した値と、の差に基づき水洗処理の終点を決定するか、又は
(2)前記測定を行った時点における水溶性有機物の抽出速度(質量/時間)に基づき水洗処理の終点を決定する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法における水洗工程によれば、たとえば酸性イオン交換樹脂を過剰量のイオン交換水及び/又は純水中に浸漬して数日間放置した後にデカンテーションするという極めて簡便且つ低コストの処理を行うだけで酸性イオン交換樹脂の次亜塩素酸分解能を問題のないレベルまで低減することができる。その結果、イオン交換法中における有効塩素(分子型次亜塩素酸)のロスを抑制することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、酸化剤コストを要し操作が煩雑な酸化剤水溶液処理を行うことなく、イオン交換法で弱酸性次亜塩素酸水溶液を効率よく安価に製造することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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