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公開番号2024108439
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012809
出願日2023-01-31
発明の名称蒸気供給システム及び蒸気供給方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F22B 1/18 20060101AFI20240805BHJP(蒸気発生)
要約【課題】GTCCとCO2回収装置を組み合わせたプラントにおいて、GTCCの起動時にも十分な蒸気をCO2回収装置へ供給することができる制御方法を提供する。
【解決手段】ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを含む発電プラントが排出する排ガスからCO2を回収するCO2回収装置へ、前記排熱回収ボイラにて発生させた蒸気を供給する蒸気供給システムであって、発電プラントの起動中は、排熱回収ボイラにて発生させた中圧蒸気を前記CO2回収装置に供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを含む発電プラントが排出する排ガスからCO

を回収するCO

回収装置へ、前記排熱回収ボイラにて発生させた蒸気を供給する蒸気供給システムであって、
前記排熱回収ボイラにて発生させた中圧蒸気を前記CO

回収装置に供給する第1系統と、
前記排熱回収ボイラから前記蒸気タービンへ低圧蒸気を供給する低圧系統から前記低圧蒸気の一部を抽気して前記CO

回収装置に供給する第2系統と、
前記発電プラントの起動中は、前記第1系統を通じて前記CO

回収装置へ蒸気を供給するよう制御する制御装置と、
を備える蒸気供給システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記発電プラントの起動が完了すると、前記第2系統を通じて前記CO

回収装置へ供給するよう制御する、
請求項1に記載の蒸気供給システム。
【請求項3】
前記第2系統には前記発電プラントの起動開始時には全閉とされる抽気弁が設けられ、
前記制御装置は、前記低圧系統と前記第2系統の接続位置の圧力が、前記第2系統における前記抽気弁よりも蒸気流れ方向の下流側の圧力を上回ると、前記抽気弁を所定の時間をかけて全開となるまで開く、
請求項2に記載の蒸気供給システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記抽気弁が全開となると、前記第1系統に設けられた減圧弁を全閉とする、
請求項3に記載の蒸気供給システム。
【請求項5】
前記低圧系統における前記第2系統との接続位置よりも蒸気流れ方向の下流側には、前記第2系統によって抽気された低圧蒸気の圧力を制御するための圧力調節弁が設けられ、
前記制御装置は、前記抽気弁の前記下流側の圧力が所定の目標値となるよう前記圧力調節弁の開度を制御する、
請求項3に記載の蒸気供給システム。
【請求項6】
前記第1系統には減圧弁が設けられ、
前記制御装置は、前記中圧蒸気の圧力が所定の目標値まで減圧されるように前記減圧弁の開度を制御する、
請求項1又は請求項2に記載の蒸気供給システム。
【請求項7】
前記低圧系統には、前記低圧蒸気を、前記蒸気タービンをバイパスして排出するバイパス系統が接続され、前記バイパス系統にはバイパス弁が設けられ、
前記制御装置は、前記蒸気タービンを併入した後の前記バイパス弁の位置の圧力の目標値に、前記所定の目標値よりも高い値を設定し、前記バイパス弁の位置の圧力が、当該値となるように前記バイパス弁の開度を制御する、
請求項6に記載の蒸気供給システム。
【請求項8】
前記発電プラントの起動開始時には前記減圧弁は全閉とされ、
前記制御装置は、前記減圧弁の蒸気流れ方向における上流側の圧力が下流側の圧力を上回ると、前記減圧弁を開き、前記所定の目標値に基づく前記減圧弁の開度の制御を開始する、
請求項6に記載の蒸気供給システム。
【請求項9】
前記第1系統に前記中圧蒸気を減温するためのスプレイが設けられた
請求項1又は請求項2に記載の蒸気供給システム。
【請求項10】
前記第1系統と前記第2系統とを所定の位置で接続して、前記第1系統および/又は前記第2系統を通じて供給された蒸気を前記CO

回収装置へ供給する第3系統を設け、前記第3系統に前記蒸気を減温するためのスプレイが設けられた
請求項1又は請求項2に記載の蒸気供給システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、CO

回収装置へ蒸気を供給する蒸気供給システム及び蒸気供給方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)にCO

回収装置を組み合わせたプラントが提供されている。特許文献1には、GTCCとCO

回収装置を組み合わせたプラントにおいて、蒸気タービン用の熱交換器とは別に、CO

回収装置用の補助熱交換器を用意し、CO

回収装置へ必要な蒸気を供給する構成が開示されている。この構成の場合、HRSG内の熱交換設計を見直す必要がある。特許文献2には、蒸気タービンとCO

回収装置を組み合わせたプラントにおいて、高圧タービンを駆動した蒸気を低圧タービンに導く配管と、この配管から分岐して高圧タービンを駆動した蒸気の一部をCO

回収装置へ導く抽気管を備えた構成が開示されている。この構成をGTCCとCO

回収装置を組み合わせたプラントに適用すれば、既存のGTCCの構成を大きく変えずにCO

回収装置との結合が可能となると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/208416号
特許第5968176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GTCCが、定格負荷で運転しているような場合、蒸気タービンを駆動する蒸気の一部をCO

回収装置へ供給することによって、CO

回収装置では、CO

の目標回収率を達成する運転が可能である。しかし、GTCCの起動時には、十分な量の蒸気が発生していないため、CO

回収装置へ蒸気を供給できず、CO

回収率が低下する可能性がある。プラント起動時のように蒸気が不足する場合のために、別途、臨時で蒸気を発生させるための補助ボイラ等を設けることも考えられるが、例えば、コスト面で課題が残る。
【0005】
本開示は、上記課題を解決することができる蒸気供給システム及び蒸気供給方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の蒸気供給システムは、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを含む発電プラントが排出する排ガスからCO

を回収するCO

回収装置へ、前記排熱回収ボイラにて発生させた蒸気を供給する蒸気供給システムであって、前記排熱回収ボイラにて発生させた中圧蒸気を前記CO

回収装置に供給する第1系統と、前記排熱回収ボイラから前記蒸気タービンへ低圧蒸気を供給する低圧系統から前記低圧蒸気の一部を抽気して前記CO

回収装置に供給する第2系統と、前記発電プラントの起動中は、前記第1系統を通じて前記CO

回収装置へ蒸気を供給するよう制御する制御装置と、を備える。
【0007】
本開示の蒸気供給方法は、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを含む発電プラントと、前記発電プラントが排出する排ガスからCO

を回収するCO

回収装置を含むプラントにおいて、前記発電プラントの起動中には、前記排熱回収ボイラにて発生させた中圧蒸気を前記CO

回収装置に供給する。
【発明の効果】
【0008】
上述の蒸気供給システム及び蒸気供給方法によれば、GTCCとCO

回収装置を組み合わせたプラントにおいて、GTCCの起動時にも十分な蒸気をCO

回収装置へ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
各実施形態に係るプラントの概略図である。
第一実施形態に係るプラント構成の要部の一例を示す第1図である。
第一実施形態に係るプラント構成の要部の一例を示す第2図である。
第一実施形態に係るプラント起動時のGTCC及びCO

回収装置の状態量の推移の一例を示す図である。
第二実施形態に係る蒸気供給系統の切り替え制御の一例を示すタイムチャートである。
第二実施形態に係る蒸気供給系統の切り替え制御の一例を示すフローチャートである。
第三実施形態に係る蒸気供給系統の切り替え制御の一例を示すフローチャートである。
第四実施形態に係る蒸気供給系統の切り替え制御の一例を示すフローチャートである。
第五実施形態に係るプラント構成の要部の一例を示す図である。
各実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概要)
以下、本開示に係るCO

回収装置への蒸気供給制御について、図1~図10を参照して説明する。
図1に、GTCC(コンバインドサイクル発電プラント)とCO

回収装置を組み合わせたプラントの概略構成を示す。プラント100は、ガスタービン10と、HRSG(Heat Recovery Steam Generator:排熱回収ボイラ)20と、蒸気タービン30と、CO

回収装置40と、発電機G1,G2と、制御装置50と、を備える。ガスタービン10には発電機G1が接続され、発電機G1を駆動する。蒸気タービン30には発電機G2が接続され、発電機G2を駆動する。ガスタービン10から排出される排ガスはHRSG20へ送られ、HRSG20にて使用された後にCO

回収装置40へ送られる。HRSG20は、排ガスから熱を回収し、高圧蒸気、中圧蒸気、低圧蒸気を生成し、それらを蒸気タービン30へ供給するとともに、低圧蒸気をCO

回収装置40の再生塔42へと供給する。また、HRSG20は、熱回収後の排ガスをCO

回収装置40へ送出する。CO

回収装置40は、吸収塔41と再生塔42を備え、吸収塔41と再生塔42の間で吸収液を循環させることによって、HRSG20から送出された排ガスからCO

を抽出する。CO

の抽出には、熱源として蒸気が必要となるが、プラント100では、熱源として、HRSG20から供給された低圧蒸気が用いられる。CO

抽出の過程で使用された低圧蒸気は復水されて低圧温水となり、生成された低圧温水はCO

回収装置40からHRSG20へ供給される。このような構成の場合、GTCCが起動してから、HRSG20にて十分な量の低圧蒸気が発生するまでは、CO

回収装置40への蒸気の供給ができなくなる。そこで、本実施形態では、HRSG20から中圧蒸気の一部を抽気して、CO

回収装置40へ供給する起動用中圧抽気系統L10と、CO

回収装置40への蒸気の供給に関し、低圧蒸気をCO

回収装置40へ供給する系統と起動用中圧抽気系統L10とを切り替える制御を行う制御装置50と、を設け、GTCC起動時に、低圧蒸気に比べて早期に十分な量の蒸気が発生する中圧蒸気の一部を、起動用中圧抽気系統L10を通じてCO

回収装置40へ蒸気を供給するよう制御する。これにより、GTCC起動時にもCO

回収装置40へ蒸気を供給することを可能とする。
(【0011】以降は省略されています)

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