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公開番号2024145455
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057814
出願日2023-03-31
発明の名称ボイラシステムおよびボイラシステムの運転方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F22B 37/52 20060101AFI20241004BHJP(蒸気発生)
要約【課題】アンモニアを含む燃料をバーナへ供給する燃料供給系統に供給されたアンモニアを追加の設備や作業の負担を要することなく適切に再利用する。
【解決手段】アンモニア燃料バーナ210Aによりアンモニア燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ10と、アンモニア燃料バーナ210Aへアンモニアを含むアンモニア燃料を供給する第1燃料供給系統210と、ボイラ10へボイラ水を供給する給水系統と、第1燃料供給系統210に供給されたアンモニアを給水系統に導いてボイラ水のpH値を上昇させるアンモニア回収系統220と、を備えるボイラシステム100を提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1バーナにより第1燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、
前記第1バーナへアンモニアを含む前記第1燃料を供給する第1燃料供給系統と、
前記ボイラへボイラ水を供給する給水系統と、
前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導いて前記ボイラ水のpH値を上昇させるアンモニア回収系統と、を備えるボイラシステム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記給水系統へアンモニア水を供給するアンモニア供給系統を備え、
前記アンモニア供給系統は、
前記給水系統へ供給するアンモニア水を貯蔵する貯蔵部と、
前記貯蔵部に貯蔵されるアンモニア水のpH値を計測する第1計測部と、
前記第1計測部が計測する前記pH値が第1目標値となるように前記pH値に応じて前記貯蔵部に貯蔵されるアンモニア水の濃度を調整する第1濃度調整部と、を有し、
前記アンモニア回収系統は、前記アンモニア供給系統を介して、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導く請求項1に記載のボイラシステム。
【請求項3】
前記給水系統へアンモニア水を供給するアンモニア供給系統を備え、
前記アンモニア供給系統は、
前記給水系統へ供給するアンモニア水を貯蔵する貯蔵部と、
前記貯蔵部に貯蔵されるアンモニア水のpH値を計測する第1計測部と、
前記第1計測部が計測する前記pH値が第1目標値となるように前記pH値に応じて前記貯蔵部に貯蔵されるアンモニア水の濃度を調整する第1濃度調整部と、を有し、
前記アンモニア回収系統は、前記アンモニア供給系統を介さずに、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統へ直接的に導く請求項1に記載のボイラシステム。
【請求項4】
前記アンモニア回収系統は、
前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを保管する保管部と、
前記保管部に保管されるアンモニアのpH値を計測する第2計測部と、
前記第2計測部が計測する前記pH値が第2目標値となるように前記pH値に応じて前記保管部に保管されるアンモニアを水で希釈してアンモニア水のpH値を調整する第2濃度調整部と、を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラシステム。
【請求項5】
前記アンモニア回収系統は、
前記第1燃料供給系統に供給されるアンモニアのpH値を計測する第2計測部と、
前記第2計測部が計測する前記pH値に応じて前記給水系統へのアンモニアの供給量を調整する流量調整部と、を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラシステム。
【請求項6】
前記ボイラは、第2バーナにより第2燃料を燃焼させて蒸気を生成し、
前記第2バーナへアンモニアを含まない前記第2燃料を供給する第2燃料供給系統を備え、
前記アンモニア回収系統は、前記第1燃料供給系統から前記第1バーナへ前記第1燃料を供給せず、かつ前記第2燃料供給系統から前記第2バーナへ前記第2燃料を供給する場合に、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラシステム。
【請求項7】
前記アンモニア回収系統は、前記ボイラにおける蒸気の生成を停止させる場合に、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラシステム。
【請求項8】
ボイラシステムの運転方法であって、
前記ボイラシステムは、
第1バーナにより第1燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、
前記第1バーナへアンモニアを含む前記第1燃料を供給する第1燃料供給系統と、
前記ボイラへボイラ水を供給する給水系統と、を有し、
前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導いて前記ボイラ水のpH値を上昇させるアンモニア回収工程を備えるボイラシステムの運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラシステムおよびボイラシステムの運転方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素化に有効な技術として、発電機等を駆動する蒸気を発生させるための燃料としてアンモニア燃料を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるボイラは、アンモニア供給手段からバーナにアンモニア燃料を供給し、石炭供給手段からバーナに石炭燃料を供給し、アンモニア燃料と石炭燃料の双方をボイラの火炉内で混焼させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-112280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンモニア燃料供給系統からバーナにアンモニア燃料を供給する場合、例えば、ボイラにおけるアンモニア燃料の燃焼を停止させる際など、アンモニア燃料供給系統の内部に残存するアンモニア燃料を適切に排出することが必要となることがある。この場合、例えば、アンモニア燃料を窒素ガスにより押し出して回収設備へ排出する方法や、アンモニアガスを水に溶解させてアンモニア水にして回収設備へ排出する方法が考えられる。
【0005】
回収設備へ排出されたアンモニア燃料やアンモニア水を廃棄する場合には、これらを無害化するための装置が必要となる。また、回収設備へ排出されたアンモニア燃料やアンモニア水を再利用することも可能であるが、例えば、アンモニア燃料と混合した窒素ガスを除去するなどの処理が必要となり、再利用するために必要な設備や作業が負担となってしまう。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、アンモニアを含む燃料をバーナへ供給する燃料供給系統に供給されたアンモニアを、追加の設備や作業の負担を要することなく適切に再利用することが可能なボイラシステムおよびボイラシステムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示に係るボイラシステムは、第1バーナにより第1燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、前記第1バーナへアンモニアを含む前記第1燃料を供給する第1燃料供給系統と、前記ボイラへボイラ水を供給する給水系統と、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導いて前記ボイラ水のpHを上昇させるアンモニア回収系統と、を備える。
【0008】
本開示に係るボイラシステムの運転方法において、前記ボイラシステムは、第1バーナにより第1燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、前記第1バーナへアンモニアを含む前記第1燃料を供給する第1燃料供給系統と、前記ボイラへボイラ水を供給する給水系統と、を有し、前記第1燃料供給系統に供給されたアンモニアを前記給水系統に導いて前記ボイラ水のpHを上昇させるアンモニア注入工程を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、アンモニアを含む燃料をバーナへ供給する燃料供給系統に供給されたアンモニアを追加の設備や作業の負担を要することなく適切に再利用することが可能なボイラシステムおよびボイラシステムの運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の第1実施形態に係るボイラを示す概略構成図である。
本開示の第1実施形態に係るボイラシステムにおけるボイラ水の循環系統を示す概略構成図である。
本開示の第1実施形態に係るボイラシステムにおける燃料供給系統およびアンモニア回収系統を示す概略構成図である。
本開示の第1実施形態のボイラシステムの運転方法を示すフローチャートである。
本開示の第2実施形態に係るボイラシステムにおける燃料供給系統およびアンモニア回収系統を示す概略構成図である。
本開示の第3実施形態に係るボイラシステムにおける燃料供給系統およびアンモニア回収系統を示す概略構成図である。
本開示の第4実施形態に係るボイラシステムにおける燃料供給系統およびアンモニア回収系統を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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