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公開番号2025015873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2023118741
出願日2023-07-21
発明の名称ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F22B 37/36 20060101AFI20250124BHJP(蒸気発生)
要約【課題】熱変形の影響を受け難いボイラのシール構造を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るボイラのシール構造は、ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造である。スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有する。スキンケーシングの上記管の延在方向に沿った断面形状は、上記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、第1端部から第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造であって、
前記スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、
前記スキンケーシングの前記管の延在方向に沿った断面形状は、前記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる、
ボイラのシール構造。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記延在方向から見たときの前記第1端部に最も近い曲線部の曲率半径は、他の曲線部の前記曲率半径より大きい、
請求項1に記載のボイラのシール構造。
【請求項3】
前記延在方向から見たときに隣り合う2つの前記曲線部の組の内、少なくとも1つの組は、前記延在方向から見たときに直線的に延在する直線部を介さずに隣り合う2つの前記曲線部同士が直接接続されている、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。
【請求項4】
前記第1端部と前記管との間に設けられていて、前記管の中心軸を中心とする径方向の外側の端部が前記第1端部と接続され、前記径方向の内側の端部が前記管と直接又は間接的に接続されていて、前記中心軸を中心とする周方向に前記管を取り囲むように前記周方向の少なくとも一部の領域に配置される塞ぎ板、
を備える、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。
【請求項5】
前記第1端部と前記第2端部とは、前記延在方向に離間しており、
前記塞ぎ板の前記内側の端部は、前記塞ぎ板の前記外側の端部よりも前記延在方向に沿って前記第2端部から離れている、
請求項4に記載のボイラのシール構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つの管は、複数の管を含み、
前記複数の管は、前記延在方向と交差する方向に間隔を空けて配置された管列を構成し、
前記スキンケーシングは、前記延在方向から見たときに前記管列の周囲を取り囲むように形成されている、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。
【請求項7】
前記断面形状は、前記管列の列の端に配置された第1管の第1中心軸を中心とする周方向の少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で前記曲線部を3か所以上含んでいる、
請求項6に記載のボイラのシール構造。
【請求項8】
前記延在方向から見たときの複数の管の中心軸同士を結ぶ線分と前記第2端部との距離の内、前記第1中心軸の位置における第1距離は、前記管列の列の中央領域に配置された第2管の第2中心軸の位置における第2距離よりも大きい、
請求項7に記載のボイラのシール構造。
【請求項9】
前記断面形状に含まれる3か所以上の前記曲線部の内の少なくとも1つの前記曲線部の曲率半径は、前記スキンケーシングの板厚の10倍以上である、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。
【請求項10】
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造の補修方法であって、
補修対象の既存スキンケーシングの少なくとも一部を前記ボイラから除去するステップと、
前記既存スキンケーシングの少なくとも一部が除去された前記ボイラに対し、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、前記管の延在方向に沿った断面形状が前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる新規スキンケーシングを取り付けるステップと、
を備える、
ボイラのシール構造の補修方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
例えば石炭焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが周方向に沿って配設されている。また、石炭焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
【0003】
このようなボイラにおいて、火炉壁や、火炉の上方を規定する天井壁は、炉壁管を備えるいわゆるメンブレンウォールとなっている。また、天井壁の上方には、熱交換器(過熱器,再熱器など)のヘッダ等を配置するペントハウスが設けられている。すなわち、熱交換器を構成する伝熱管の一部は、天井壁を貫通するように設けられている。ペントハウス内に、火炉内で生成された燃焼ガスが流入すると、燃焼ガスの熱や成分によってヘッダ等が損傷する可能性がある。したがって、ペントハウス内への燃焼ガスの流入を防止するために、伝熱管が貫通する天井壁を貫通する部分にはガスのシール構造を設ける場合がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-101320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガスのシール構造として、貫通部分をケーシング(スキンケーシング)で覆う構成を適用した場合には、スキンケーシングを天井壁側の部材と伝熱管側の部材とに溶接固定する。またスキンケーシングには、燃焼ガスや伝熱管内を流れる高温の流体からの熱によって加熱されるため熱変形が生じる。スキンケーシングはこのような熱変形を吸収できるように、例えば伝熱管の延在方向に沿った断面形状が曲がり部を有するように形成されている。
しかし、板の材質や曲がり部の寸法等によっては熱変形を十分に吸収できず、曲がり部や、天井壁側の部材や伝熱管側の部材との溶接部分等に亀裂を生じるおそれがある。
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、熱変形の影響を受け難いボイラのシール構造、及びボイラのシール構造の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造は、
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造であって、
前記スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、
前記スキンケーシングの前記管の延在方向に沿った断面形状は、前記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる。
【0008】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造の補修方法は、
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造の補修方法であって、
補修対象の既存スキンケーシングの少なくとも一部を前記ボイラから除去するステップと、
前記既存スキンケーシングの少なくとも一部が除去された前記ボイラに対し、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、前記管の延在方向に沿った断面形状が前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる新規スキンケーシングを取り付けるステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、熱変形の影響を受け難いボイラのシール構造、及びボイラのシール構造の補修方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図である。
石炭焚きボイラに設けられた熱交換器と、蒸気及び給水系統と、を示す概略図である。
図1の過熱器を示す模式的な側面図である。
図3の要部の拡大図であり、本実施形態に係るシール構造の要部を示す側面図である。
図4に示したシール構造を上方から見た図4のV-V矢視図である。
図5のVI-VI矢視図である。
図5のVII-VII矢視図である。
本実施形態のシール構造の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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