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公開番号
2024173431
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023091843
出願日
2023-06-02
発明の名称
ボイラシステム及び燃焼制御方法
出願人
三浦工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
F22B
35/00 20060101AFI20241205BHJP(蒸気発生)
要約
【課題】比例分配制御方式の台数制御において、設定された台数制御パラメータに基づくモデル化された燃焼制御状況と実際の燃焼制御状況とを比較する。
【解決手段】所定時間内の実際の燃焼制御時における単位時間毎の蒸気圧力値と単位時間毎の出力量との時系列に沿った関係と、台数制御パラメータ及び圧力制御帯域に基づいてモデル化される燃焼制御時における蒸気圧力値と出力量との関係と、を比較可能に出力する燃焼制御評価装置7を備えるボイラシステム。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のボイラからなるボイラ群と、
予め設定された台数制御パラメータにより、前記ボイラの運転台数を制御し、蒸気要求量に応じて蒸気を供給する制御部と、
所定時間内に所定の時間間隔で蒸気圧力値、及び少なくとも供給蒸気量、発生蒸気量、又は燃焼量のいずれかを含む出力量を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を出力する実測結果出力部と、
蒸気圧力値が、前記台数制御パラメータに基づき設定された圧力制御帯域の範囲内を変動すると仮定した場合の蒸気圧力値と出力量との関係をモデル化するモデル作成手段と、
前記モデル作成手段によりモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を出力するモデル結果出力部と、
を備えるボイラシステム。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダと、
前記蒸気ヘッダの内部の圧力値であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、を備え、
前記蒸気圧力値は、少なくとも前記ヘッダ圧力値を含む、
請求項1に記載のボイラシステム。
【請求項3】
前記ボイラシステムに設定された台数制御パラメータは、少なくともボイラの台数、最大設定圧力値、及び圧力制御の許容幅である制御幅を含む、請求項2に記載のボイラシステム。
【請求項4】
前記実測結果出力部は、前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を前記蒸気圧力値及び前記出力量の時系列データに基づいて出力する、請求項1から請求項3のいずれかに記載のボイラシステム。
【請求項5】
前記実測結果出力部は、前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を同じ時間に測定された蒸気圧力値と前記出力量を2次元グラフ上にプロットした点を時系列順に線で結ぶ軌跡図として出力する、請求項4に記載のボイラシステム。
【請求項6】
前記実測結果出力部により出力される軌跡図と、前記モデル結果出力部により出力されるモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を重ね合わせて出力する燃焼制御評価出力部を備える、請求項5に記載のボイラシステム。
【請求項7】
複数のボイラからなるボイラ群と、
予め設定された台数制御パラメータにより、前記ボイラの運転台数を制御し、蒸気要求量に応じて蒸気を供給する制御部と、
を備えるボイラシステムにおいて、プロセッサにより実行される燃焼制御評価方法であって、
所定時間内に所定の時間間隔で蒸気圧力値、及び少なくとも供給蒸気量、発生蒸気量、又は燃焼量のいずれかを含む出力量を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて測定された蒸気圧力値と出力量との関係を出力する実測結果出力ステップと、
蒸気圧力値が、前記台数制御パラメータに基づき設定された圧力制御帯域の範囲内を変動すると仮定した場合の蒸気圧力値と出力量との関係をモデル化するモデル作成ステップと、
前記モデル作成ステップによりモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を出力するモデル結果出力ステップと、
を備える燃焼制御評価方法。
【請求項8】
複数のボイラからなるボイラ群と、
予め設定された台数制御パラメータにより、前記ボイラの運転台数を制御し、蒸気要求量に応じて蒸気を供給する制御部と、
を備えるボイラシステムにおいて、プロセッサにより実行される燃焼制御評価方法であって、
所定時間内に所定の時間間隔で蒸気圧力値、及び少なくとも供給蒸気量、発生蒸気量、又は燃焼量のいずれかを含む出力量を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて測定された蒸気圧力値と出力量との関係を同じ時間に測定された蒸気圧力値と前記出力量を2次元グラフ上にプロットした点を時系列順に線で結ぶ軌跡図として出力する実測結果出力ステップと、
蒸気圧力値が、前記台数制御パラメータに基づき設定された圧力制御帯域の範囲内を変動すると仮定した場合の蒸気圧力値と出力量との関係をモデル化するモデル作成ステップと、
前記モデル作成ステップによりモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を出力するモデル結果出力ステップと、
前記実測結果出力ステップにおいて出力される軌跡図と、前記モデル結果出力ステップにおいて出力されるモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を重ね合わせて出力する燃焼制御評価出力ステップと、
を備える燃焼制御評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のボイラを備えるボイラシステムであって、予め設定された台数制御パラメータによりボイラの運転台数を制御するボイラシステムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ボイラシステムでは、工場等で使用する蒸気を必要な時に必要な量を安定的かつ効率的に供給することが求められている。このため、ボイラシステムにおいて、同じ蒸気ラインに複数のボイラ(「ボイラ群」ともいう)を設置して、これらのボイラによって生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダの内部の圧力値(以下「ヘッダ圧力値」ともいう)を、ユーザの安定させたい圧力制御帯域内に収まるように制御する台数制御方式が知られている。
具体的には、ユーザが望む圧力制御帯域を予め上限値(以下、「比例分配設定圧力値」ともいう)と制御幅(以下「比例分配制御幅」ともいう)等を例えば台数制御パラメータにより設定し、当該圧力制御帯域を、台数制御を行う全ての制御対象ボイラ(例えば、仮想ボイラ)毎に割り当てることで、複数のボイラの燃焼量の制御を行う、比例分配制御方式が知られている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、複数のボイラが燃焼段階や蒸発量が異なる異種ボイラが混在している場合に安定した、又は意図した蒸気供給を可能とする比例分配制御方式が開示されている。また、特許文献2には、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、現時点で燃焼移行可能なボイラの数、燃焼位置数又は総蒸発量を算出し、設定物理量(例えば制御圧力幅における最大圧力値)と、現時点物理量(例えば現時点のヘッダ圧力値)との偏差量を算出し、前記偏差量と、前記設定物理量と対応する制御幅との比率を算出し、前記燃焼移行可能なボイラの数、燃焼位置数又は総蒸発量と、前記比率とに基づいて、燃焼させるボイラ及び燃焼位置を算出する燃焼制御方式が開示されている。
比例分配制御方式を適用することで、圧力制御帯域の最大設定圧力値から制御幅を減算して算出される圧力値を下限値(「制御圧力帯下限値」ともいう)としたとき、ヘッダ圧力値が上限値と下限値とにより規定される圧力制御帯域の範囲内に収まるように、ボイラ群の燃焼状態が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-016829号公報
特開2011-208817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蒸気負荷や使用状況に応じた適切な燃焼制御に基づいて、ボイラシステムを運用する当該ボイラシステムにおいて、例えば、工場における一日の蒸気負荷や使用状況が大きく変化する等により、燃焼制御の台数制御パラメータ等が最適値から外れ、当初の負荷変動に対する応答性や運転効率が得られない状態になることがある。こうした状態に対応するために、台数制御パラメータ等を最適値に修正し、負荷変動に対する応答性の向上や運転効率の改善を行うことが求められている。
複数台のボイラを含むボイラシステムでは、ボイラ台数だけでなく、異なる容量や機種のボイラが含まれることも多く、ボイラシステムに設定される台数制御パラメータ(燃焼制御パラメータ)とその結果としての蒸気供給量及び蒸気圧力値との関係を把握し、それに基づいて適切な台数制御パラメータ及び圧力制御帯域等を設定することが課題となっている。
【0005】
本発明は、ボイラシステムにおいて、設定された台数制御パラメータ等に基づいて理想的な制御が行われた場合のモデル化された蒸気圧力値と出力量(例えば供給蒸気量)の関係と、実際の台数制御時(燃焼制御時)における蒸気圧力値の実測値と前記ボイラ群の出力量(例えば供給蒸気量)の実測値の関係と、を比較することで、実際の蒸気要求量の変動に対して、より適切な燃焼制御をするための台数制御パラメータ及び圧力制御帯域等を見直すことができ、ひいては、実需にあった適切な燃焼制御を行うことができるボイラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、複数のボイラからなるボイラ群と、予め設定された台数制御パラメータにより、前記ボイラの運転台数を制御し、蒸気要求量に応じて蒸気を供給する制御部と、所定時間内に所定の時間間隔で蒸気圧力値、及び少なくとも供給蒸気量、発生蒸気量、又は燃焼量のいずれかを含む出力量を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を出力する実測結果出力部と、蒸気圧力値が、前記台数制御パラメータに基づき設定された圧力制御帯域の範囲内を変動すると仮定した場合の蒸気圧力値と出力量との関係をモデル化するモデル作成手段と、前記モデル作成手段によりモデル化された蒸気圧力値と出力量との関係と、を出力するモデル結果出力部と、を備えるボイラシステムに関する。
【0007】
(2) 前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダと、前記蒸気ヘッダの内部の圧力値であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、を備え、前記蒸気圧力値は、少なくとも前記ヘッダ圧力値を含むようにしてもよい。
【0008】
(3) 前記ボイラシステムに設定された台数制御パラメータは、少なくともボイラの台数、最大設定圧力値、及び圧力制御の許容幅である制御幅を含むようにしてもよい。
【0009】
(4) 前記実測結果出力部は、前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を前記蒸気圧力値及び前記出力量の時系列データに基づいて出力するようにしてもよい。
【0010】
(5) 前記実測結果出力部は、前記測定手段により測定された蒸気圧力値と出力量との関係を同じ時間に測定された蒸気圧力値と前記出力量を2次元グラフ上にプロットした点を時系列順に線で結ぶ軌跡図として出力するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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