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公開番号2024133451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024040421
出願日2024-03-14
発明の名称プロセス蒸気を生成するためのプロセスおよび蒸気生成装置
出願人フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツァー フェルデルング デア アンゲヴァンテン フォーシャング アインゲトラーゲナー フェアアイン,FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT ZUR FORDERUNG DER ANGEWANDTEN FORSCHUNG E.V.
代理人個人
主分類F22D 11/06 20060101AFI20240925BHJP(蒸気発生)
要約【課題】給水(11)の形態で戻された復水(4)を使用してプロセス蒸気(3)を生成するための蒸気生成装置に関する。
【解決手段】プロセス蒸気(3)の少なくとも部分的な凝縮によって復水(4)を形成するために、プロセス蒸気(3)を消費装置に送出することと、消費装置からの復水(4)を、処理のために、給水処理システム(7)に供給することと、給水処理システム(7)からの給水(11)をフラッシュタンク(12)において蒸気相(13)と液相(14)とに分離することと、生蒸気(21)を形成するために、蒸発器(19)において給水(11)の液相(14)を蒸発させることと、プロセス蒸気(3)を形成するために、少なくとも1つの圧縮器(15)において給水(11)の蒸気相(13)と生蒸気(21)とを圧縮することと、が提案される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
給水(11)の形態で戻された復水(4)を使用してプロセス蒸気(3)を生成するための方法であって、
- 前記プロセス蒸気(3)の少なくとも部分的な凝縮によって復水(4)を形成するために、前記プロセス蒸気(3)を消費装置(V)に送出し、
- 処理のために、前記復水(4)を前記消費装置(V)から給水処理システム(7)に供給し、
- 前記給水処理システム(7)からの給水(11)をフラッシュタンク(12)において蒸気相(13)と液相(14)とに分離し、
- 生蒸気(21)を形成するために、蒸発器(19)において前記給水(11)の前記液相(14)を蒸発させ、
- プロセス蒸気(3)を形成するために、少なくとも1つの圧縮器(15)において前記給水(11)の前記蒸気相(13)と前記生蒸気(21)とを圧縮する、
方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
- 特に酸素(O

)および/または二酸化炭素(CO

)を分離することによって、給水(11)を形成するために、前記給水処理システム(7)において前記復水(4)を少なくとも部分的に脱気し、
- 前記復水(4)を、特に直接、加熱するために、好ましくは、前記復水(4)を加熱用蒸気(8)と共に前記給水処理システム(7)に供給する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 前記復水(4)を60°と100℃の間、好ましくは70℃と80℃の間、特に少なくともほぼ80℃、の温度で前記給水処理システム(7)に供給する、および/または、
- 前記給水処理システム(7)において、前記復水(4)を1バールと2バールの間、好ましくは1.1バールと1.5バールの間、特に少なくとも基本的に1.2バール、の圧力で、および/または100℃より高い温度、好ましくは102℃と108℃の間、特に少なくとも基本的に105℃、の温度で、脱気する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
- 前記フラッシュタンク(12)を0.07バールと0.9バールの間、好ましくは0.12バールと0.8バールの間、特に少なくとも基本的に0.2バールまたは0.6バール、の圧力で作動させる、および/または、
- 前記フラッシュタンク(12)を40℃と96℃の間、好ましくは50℃と93.5℃の間、特に少なくともほぼ60℃または85.9℃、の温度で作動させる、
請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
- 前記圧縮器(15)は、少なくとも前記給水処理システム(7)内の圧力に比べ、前記フラッシュタンク内を負圧にする、および/または、
- 前記少なくとも1つの圧縮器(15)は、プロセス蒸気(3)を100℃と450℃の間、好ましくは100℃と250℃の間、特に少なくともほぼ200℃、の温度で生成する、
請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
- 特にスロットル(25)によって絞られた、プロセス蒸気(3)および/または生蒸気(21)によって、前記給水処理システム(7)の前記加熱用蒸気(8)を少なくとも部分的に提供する、
請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
- 前記蒸発器(19)において、伝熱媒体(20)、特に給水(11)、バイオマスプラントおよび/またはヒートポンプからの熱流、廃熱流、および/または地熱流体(G)、との熱交換によって、前記給水(11)の前記液相(14)を蒸発させ、
- 好ましくは、前記地熱流体(G)は、少なくとも40℃、好ましくは少なくとも60℃、特に少なくとも80℃、の温度を有する、
請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
- プロセス蒸気(3)を形成するために、前記フラッシュタンク(12)からの前記給水(11)、特に前記給水(11)の前記液相(14)、を少なくとも1つの蒸気ボイラ(17)に部分的に供給し、前記少なくとも1つの蒸気ボイラ(17)において蒸発させ、
- 好ましくは、前記少なくとも1つの蒸気ボイラ(17)からの前記プロセス蒸気(3)と前記少なくとも1つの圧縮器(15)からの前記プロセス蒸気(3)とを少なくとも部分的に組み合わせ、前記送出装置(2)を介して前記消費装置(V)に送出する、
請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
好ましくは請求項1~8の何れか一項に記載の方法によって、給水(11)の形態で戻された復水(4)を使用してプロセス蒸気(3)を生成するための蒸気生成装置(1)であって、前記給水(11)を蒸気相(13)と液相(14)とに分離するためのフラッシュタンク(12)と、生蒸気(21)を形成するために、前記給水(11)の前記液相(14)を蒸発させるための蒸発器(19)と、プロセス蒸気(3)を形成するために、前記給水(11)の前記蒸気相(13)と前記生蒸気(21)とを圧縮するための少なくとも1つの圧縮器(15)と、前記プロセス蒸気(3)の凝縮によって復水(4)を形成するための消費装置(V)への送出装置(2)と、復水(4)を供給するための返送装置(5)と、前記給水(11)を形成するために、前記復水(4)を処理するための給水処理システム(7)と、を備えた蒸気生成装置。
【請求項10】
前記給水処理システム(7)は、前記復水(4)を、特に直接、加熱するための加熱用蒸気供給ライン(26)、および/または前記復水(4)から放出された気体を排出するための排蒸気排出ライン(10)、を有することと、好ましくは、プロセス蒸気(3)を絞ることによって加熱用蒸気(8)を形成するためのスロットル(25)が前記加熱用蒸気供給ライン(26)に割り当てられていることと、を特徴とする、請求項9に記載の蒸気生成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、給水の形態で戻された復水を使用してプロセス蒸気を生成するための方法に関する。更に、本発明は、このような方法により、給水の形態で戻された復水を使用してプロセス蒸気を生成するための蒸気生成装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
蒸気生成装置は、通常、蒸気タービンを駆動できる、または工業プロセスの加熱に使用できる、プロセス蒸気を生成するために使用される。このような工業プロセスは、特定の位置で、または特定のプロセスステップを実施するために、熱を必要とする化学プロセスまたは他の製造プロセスであり得る。これらは、例えば、単に、乾燥プロセスまたはこれに類するものであり得る。
【0003】
原則として、蒸気生成装置は、化石または再生燃料を燃やす、所謂蒸気ボイラの形態の、蒸気生成器を1つ以上備えている。これによって放出された燃焼エネルギーと得られた高温の排煙とは、蒸気ボイラに供給された給水を蒸発させるために使用される。通常、給水はパイプを介して工業用蒸気ボイラに過圧で供給されるので、接続されている消費装置に基本的に一定圧力および一定温度で連続的且つ効率的にプロセス蒸気を供給できる。上記のように、消費装置の種類は、大きく異なり得る。消費装置の種類に拘らず、プロセス蒸気は、消費装置における放熱によって凝縮される。復水は、通常、返送装置を介して戻され、蒸気生成装置の給水処理システムに供給され、そこで復水は脱気される。こうして生成された給水は、その後、蒸気ボイラにおいて再び蒸発させられ、プロセス蒸気として消費装置に供給される。
【0004】
排煙のエネルギーを蒸気生成器においてできる限り効果的に利用し、これを給水に伝達するには、給水をできる限り低温で蒸気生成器に供給することが望ましい。ただし、特定レベル未満への温度低下に対する他の理由が複数存在し得る。例えば、腐食を回避するために、給水は、排煙の酸露点未満への温度低下を防止する十分な温度である必要がある。さもなければ、排煙は蒸気生成器から相対的に高温で出るので、相対的に大量の未利用熱が存在することになる。ただし、給水処理システムにおける加熱脱気の場合、給水は100℃より僅かに高い温度レベルでもたらされる。脱気後の給水温度を下げるために、熱交換器が公知である。熱交換器において、給水は、例えば新鮮な水によって、冷却される。この新鮮な水は、その後、復水の損失を埋め合わせるために、給水処理システムに供給され得る。復水の損失が発生し得るのは、例えば、水回路内に蓄積した不揮発性の不純物質を除去するために、復水の一部が排出された場合である。
【0005】
蒸気生成器とは、通常、特に、給水を予熱または加熱するためのエコノマイザと、予熱および/または加熱された給水を蒸発させるための蒸発器と、蒸気を所望の温度に、または少なくとも飽和蒸気温度より高い温度に、加熱するための過熱器とを有し得るものと理解される。ただし、場合によっては、エコノマイザおよび/または過熱器を省くことができる。蒸気生成器は、燃料を燃やして必要な熱を発生させるための炉を更に含み得る。ただし、これは必須ではない。給水は、好ましくは、予熱、加熱、蒸発、および/または過熱用の伝熱媒体に対する対向流として供給される。この場合、伝熱媒体は排煙でもよいが、そうである必要はない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、冒頭で言及した、およびより大きな効率を実現できるように上で詳細に説明した種類のプロセスおよび蒸気生成装置を設計し、更に発展させるという目的に基づく。
【0007】
この課題は、請求項1によると、給水の形態で戻された復水を使用してプロセス蒸気を生成するためのプロセスによって、解決される。このプロセスにおいては、
- プロセス蒸気の少なくとも部分的な凝縮によって復水を形成するために、プロセス蒸気を消費装置に送出し、
- 処理のために、復水を、消費装置から給水処理システムに供給し、
- 給水処理システムからの給水を、フラッシュタンクにおいて蒸気相と液相とに分離し、
- 生蒸気を形成するために、蒸発器において給水の液相を蒸発させ、
- プロセス蒸気を形成するために、少なくとも1つの圧縮器において給水の蒸気相と生蒸気とを圧縮する。
【0008】
前記目的は、更に、請求項9によると、給水の形態で戻された復水を使用して、好ましくは請求項1~8の何れか一項に記載の方法により、プロセス蒸気を生成するための蒸気生成装置によって解決される。本蒸気生成装置は、給水を蒸気相と液相とに分離するためのフラッシュタンクと、生蒸気を形成するために、給水の液相を蒸発させるための蒸発器と、プロセス蒸気を形成するために、給水の蒸気相と生蒸気とを圧縮するための少なくとも1つの圧縮器と、プロセス蒸気の凝縮によって復水を形成するための消費装置への送出装置と、復水を供給するための返送装置と、給水を形成するために、復水を処理するための給水処理システムと、を有する。
【0009】
したがって、プロセスの観点から、プロセス蒸気は蒸気生成装置において形成され、消費装置に送出され、そこでプロセス蒸気の熱が使用され、その結果、プロセス蒸気は凝縮される。消費装置におけるプロセス蒸気の凝縮時に生じた復水を蒸気生成装置に戻すことができ、そこで復水は、その後、給水処理システムに供給される。復水は、給水処理システムにおいて処理される。そうしないと、望ましくない量の不純物質が復水中に蓄積している可能性があり得る。この不純物質は、特に、しかし必ずしもそうでないが、復水中に溶存している気体であり、その後、給水を再蒸発させるときに問題を引き起こし得る。溶存気体の代わりに、またはこれに加え、本給水処理システムにおいては、必要であれば復水の一部と共に、液体または固体を分離することもできる。これにより発生した復水の損失は、例えば、新鮮な水を給水処理システムに追加することによって、埋め合わせることができる。
【0010】
したがって、給水処理システムにおいて処理された復水は給水と称され、給水処理システムからフラッシュタンクに供給され、そこで給水の圧力が低減される。その結果、処理された給水の一部がフラッシュタンク内で蒸発し、蒸気相を形成する。給水の非蒸発部分は、フラッシュタンク内で液相を形成する。給水の部分的蒸発によって給水から熱が除去されるので、給水の蒸気相および液相は、給水処理システム内の給水の温度より著しく低い温度を有する。蒸発器における液相の蒸発が低温度レベルの熱源によって可能になるまで、フラッシュタンク内の給水の温度を下げることができる。簡素化のために、蒸発器は、熱交換器、特に管束型熱交換器またはプレート式熱交換器、の形態を取り得る。この場合、熱源は、液体および/または気体によって形成され得る。これは、低温度レベルの故に、その熱を他の如何なる合理的方法でも使用できないプロセス流であり得る。ただし、このプロセス流の熱は、給水の液相を蒸発させるために使用できる。給水の液相は、フラッシュタンク内で、特定の温度に、特に熱源の温度未満に、冷却可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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