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公開番号
2024104718
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-05
出願番号
2023130550
出願日
2023-08-10
発明の名称
薬物依存症の予防及び/又は治療組成物
出願人
国立大学法人金沢大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20240729BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】薬物依存症の予防及び/又は治療組成物を提供することである。
【解決手段】アイリシンペプチドが薬物依存症の治療に効果があることを見出して、本発明を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
海馬歯状回内Integrin αVβ5に結合する化合物を有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
以下の(1)~(4)のいずれか1以上のペプチドを有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
(1)アイリシンペプチド、アイリシンペプチドの保護化誘導体、アイリシンペプチドの糖鎖修飾体、アイリシンペプチドのアシル化誘導体、又はアイリシンペプチドのアセチル化誘導体
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつアイリシンペプチドと実質的同質の作用を持つアミノ酸配列からなるポリペプチド
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、40~20個、10~5個又は5~1個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつアイリシンペプチドと実質的同質の作用を持つアミノ酸配列からなるポリペプチド
【請求項3】
前記化合物は、TGF-β、osteopontin、vitronectin、 bone sialic protein、thrombospondin、又はnephroblastoma overexpressedである、請求項1に記載の薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
【請求項4】
前記薬物はコカインである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記薬物依存症はストレスに起因する薬物依存症である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、経鼻投与用組成物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
IntegrinαVβ5に結合する化合物を薬物依存症治療組成物の有効成分として選択することを含む、薬物依存症治療組成物の有効成分のスクリーニング方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物、特に、コカイン依存症の予防及び/又は治療組成物、並びに、薬物依存症治療組成物の有効成分のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【0002】
(薬物依存)
コカイン、覚せい剤(メタンフェタミン、アンフェタミン)、合成麻薬MDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)、ヘロイン、ニコチン、アルコール、フェンサイクリジン、ケタミン、大麻、危険ドラッグなどの物質の繰り返し使用は、ヒトにおいて、依存を形成し、様々な精神障害および神経障害を引き起こすことから、世界中で社会問題となっている。
日本では、危険ドラッグの使用に関連する事故や事件が大きな社会問題になっている。また、ラット、マウスなどの動物に覚せい剤を連続投与すると、惹起される異常行動が投与と共に増大する行動感作が観察される。覚せい剤を繰り返し投与すると、ヒトでは強い精神依存および覚せい剤精神病を生じ、断薬後もストレス、飲酒や1回の薬物摂取により、覚せい剤精神病が再燃する。
これら依存性薬物の繰り返し投与により生じる薬物依存や精神症状の治療薬としては、現在、精神科領域で使用されている抗精神病薬、抗うつ薬などが使用されるが、一部の症状を抑えるだけであり、根本的に治療できる薬剤は無い。現在のところ、薬物依存症に有効な治療法は確立されていない。
【0003】
(ストレスによる薬物欲求増大のメカニズム)
本発明者らは、ストレスによってなぜ薬物(コカイン)に対する欲求が増大するのかを明らかにしている(参照:非特許文献1)。
麻薬や覚醒剤などによる薬物依存症の治療を困難にしているのは、一旦止めても再び薬物を摂取してしまう再燃である。再燃は、さまざまなきっかけによって引き起こされるが、ストレスはその重要な一因であることが分かっている。しかし、ストレスがなぜ再燃を引き起こすのか、つまり、ストレスによってなぜ薬物に対する欲求が増大するのかは従来分かっていなかった。
本発明者らは、薬物欲求に関与することが示唆されている内側前頭前野(medial prefrontalcortex, mPFC)とストレスホルモンとも呼ばれるノルアドレナリン(noradrenaline, NA)に着目し、mPFC神経細胞での情報伝達と細胞の活動に対するNAの影響を調べたところ、NAは興奮性の神経情報伝達を顕著に増大させ,神経活動を上昇させることを発見した。さらに、マウスを用いてストレス負荷によってコカインに対する欲求が増大するモデルを作製し、このマウスのmPFCでNAの作用をブロックしたところ、ストレスによって増大したコカイン欲求が顕著に抑制されることが明らかになった。ストレスにより遊離されたNAがmPFCの過剰な興奮を引き起こし、これにより、コカインに対する欲求が増大されることを示した。
【0004】
(アイリシン(Irisin、イリシン))
アイリシン(アイリシンペプチド)は、膜タンパク質FNDC5が切断されることにより生成され、運動誘発性ペプチドホルモンとして知られている。
アイリシンペプチドは、肥満や糖尿病の予防に効果があることが知られている。
加えて、アイリシンペプチドの脳室投与は、抗うつ効果を示すことが知られている(参照:非特許文献2)
【0005】
(アイリシンの先行特許)
特許文献1は、「アイリシンタンパク質を有効成分として含むことを特徴とする、代謝性疾患の予防又は治療用薬学的組成物」を開示している。
しかし、アイリシンタンパク質を薬物依存治療に使用することは開示又は示唆がされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
NeuropharmacologyVolume166,April 2020, 107968
ProgNeuropsychopharmacolBiol Psychiatry. 2018 Jun 8;84(Pt A):294-303
【特許文献】
【0007】
特表2022-527981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の予防及び/又は治療組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために、本発明者らが見出した知見を基にして、アイリシンペプチドが薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の治療に効果があることを見出して、本発明を完成した。
加えて、本発明者は、アイリシンペプチドの薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の治療効果のメカニズムを解明し、さらに、該メカニズムに基づく海馬歯状回内Integrin αVβ5に結合する化合物を有効成分として含む薬物依存症の予防及び/又は治療組成物、並びに薬物依存症治療組成物の有効成分のスクリーニング方法も完成した。
【0010】
1.海馬歯状回内Integrin αVβ5に結合する化合物を有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
2.以下の(1)~(4)のいずれか1以上のペプチドを有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
(1)アイリシンペプチド、アイリシンペプチドの保護化誘導体、アイリシンペプチドの糖鎖修飾体、アイリシンペプチドのアシル化誘導体、又はアイリシンペプチドのアセチル化誘導体
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつアイリシンペプチドと実質的同質の作用を持つアミノ酸配列からなるポリペプチド
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、40~20個、10~5個又は5~1個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつアイリシンペプチドと実質的同質の作用を持つアミノ酸配列からなるポリペプチド
3.前記化合物は、TGF-β、osteopontin、vitronectin、 bone sialic protein、thrombospondin、又はnephroblastoma overexpressedである、前項1に記載の薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
4.前記薬物はコカインである、前項2に記載の組成物。
5.前記薬物依存症はストレスに起因する薬物依存症である、前項2に記載の組成物。
6.前記組成物は、経鼻投与用組成物である、前項2に記載の組成物。
7.Integrin αVβ5に結合する化合物を薬物依存症治療組成物の有効成分として選択することを含む、薬物依存症治療組成物の有効成分のスクリーニング方法。
8.前記Integrin αVβ5は海馬歯状回内Integrin αVβ5である、前項7に記載のスクリーニング方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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