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公開番号2024104091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-02
出願番号2023008136
出願日2023-01-23
発明の名称支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造
出願人前田工繊株式会社,株式会社三共シーゼル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E04G 21/32 20060101AFI20240726BHJP(建築物)
要約【課題】壁面材の起立部に対して支柱取付具の着脱作業を安全な作業環境で短時間のうちに簡単に行える、支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造を提供すること。
【解決手段】二点係止式の支柱取付具20を使用し、支柱取付具20は支柱31と連結可能な縦管21を具備し、下位係止手段である差込下爪22が縦管21の下部に下向きで一体に設けられ、上位係止手段であるフック装置25が縦管21の外周面にスライド自在に設けられていて、下位係止手段である差込下爪22および上位係止手段であるフック装置25の組付け方向と撤去方向を同一にした。
【選択図】図5A
特許請求の範囲【請求項1】
水平部と起立部を具備した壁面材の起立部の前面の二点に係止可能な下位係止手段と上位係止手段を具備した二点係止式の支柱取付具を使用し、最上位の壁面材の起立部に取付けた前記支柱取付具の上部に安全柵用の支柱を連結する、支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造であって、
前記支柱取付具は前記支柱と連結可能な縦管を具備し、
前記下位係止手段が縦管の下部に下向きで一体に設けられ、前記壁面材の起立部の前面に差し込んで位置決めが可能であり、
前記上位係止手段が縦管の外周面にスライド自在に設けられ、前記壁面材の起立部の上辺を挟持するように嵌め込んで位置決めが可能であり、
前記下位係止手段および上位係止手段の組付け方向と撤去方向がそれぞれ同一であることを特徴とする、
支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記下位係止手段が前記縦管の下部に下向きに設けた差込下爪であることを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項3】
前記上位係止手段が縦管の周面にスライド自在に設けたフック装置であり、該フック装置が縦管を把持可能なクランプ部と、前記壁面材の起立部の上辺の前後面を挟持可能な下向フック部とを具備し、前記クランプ部と下向フック部が支軸を介して回転可能に枢支してあることを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項4】
前記壁面材の起立部の上辺にキャップが装着してあり、前記下向フック部に形成した挟持溝の溝幅が前記キャップに外装可能な寸法を有することを特徴とする、請求項3に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項5】
前記縦管が、1枚の起立部の高さより長く、2枚の起立部12の高さより短い全長を有することを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項6】
前記安全柵が複数の支柱と、隣り合う支柱の間に横架した手摺とを少なくとも具備することを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項7】
前記壁面材が略菱形の開口を有するエキスパンドメタル製であることを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。
【請求項8】
前記壁面材が溶接金網製であることを特徴とする、請求項1に記載の支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、補強土壁の施工の安全性を確保する安全柵の設置技術に関し、より詳細には壁面材の起立部の前面に設置する、支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
鋼製の壁面材の設置工と、壁面材の背面側に盛土補強材を水平に敷設する盛土補強材の敷設工と、壁面材の背面側に層状に敷き均した盛土材を盛土して締め固める盛土工を繰り返し行って補強土壁を構築することは知られている。
施工中に作業者の転落事故を防止するため、壁面材側に組立式の安全柵を設置している。
【0003】
従来の安全柵は単管パイプ製で、その組立方法としては、安全柵を構成する支柱を壁面材の起立部に沿って仮固定し、仮固定した支柱の間に手摺材を横架して安全柵を組み立てる。補強土壁の最上位層の構築を終えたら、既設の壁面材から撤去した支柱を、新たに設置した最上位の壁面材に付け替えて安全柵を組み立てている。
【0004】
安全柵用の支柱を壁面材の起立部に仮固定する手段として、フック金具とスパイラルリングを用いることが知られている(特許文献1~3)。
スパイラルリングは、支柱より大径に形成した螺旋鋼線からなり、壁面材の起立部に巻き掛けて取り付けが可能である。
フック金具は、バネ鋼線を支柱の外周面に圧着可能な径に巻いて形成したリングバネ部と、リングバネ部の両端部の鋼線を外方に張り出して形成した一対のフック素子とを有し、一対のフック素子を摘まむことでリングバネ部が拡径し、一対のフック素子を離すことでリングバネ部が縮径する。
支柱にフック金具を取り付けるには、拡径操作したリングバネ部を支柱に外装した後に、リングバネ部を縮径操作することでリングバネ部を支柱の外周面に圧着する。
【0005】
支柱を壁面材に取り付けるには、上下2つの壁面材の起立部に対して夫々スパイラルリングを取り付ける工程と、上位のスパイラルリングに支柱を挿通する工程と、支柱の周面にフック金具を取り付ける工程と、フック金具の下向フック部をスパイラルリングに引っ掛ける工程を経て、2つの壁面材に跨って支柱の下部と中間部の2点を係留して取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-169027号公報
特開2011-208415号公報
特許2016-50427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の安全柵にはつぎの解決すべき課題を有する。
<1>スパイラルリングは、作業員が最上段の盛土層から身を乗り出して壁面材に取り付けなければならず、スパイラルリングの取付作業中に作業員が転落する危険がある。
<2>支柱の設置作業を円滑に行うため、スパイラルリングの内径は、ゆとりを持たせて支柱の径よりも大きい径に設定してあり、フック金具の下向フック部の屈曲幅もゆとり持たせて幅広に形成している。
そのため、支柱の組付け後において、各スパイラルリングと支柱の間だけでなく、スパイラルリングとフック金具の下向フック部との間に隙間が生じる。
支柱の支持部に生じた隙間は、支柱がガタつく原因となって、安全柵が不安定となる。
<3>壁面材の起立部に係留した状態のスパイラルリングに支柱を遠隔から挿し込む作業が難しく、支柱の挿入作業に多くの時間と労力を要して作業性が悪い。
<4>特に、支柱の下部をスパイラルリングに挿入する作業と、支柱の下部に装着したフック金具をスパイラルリングに掛止する作業を並行して行わなければならず、支柱の下部の位置決め作業に多くの時間と労力を要する。
<5>使用を終えたスパイラルリングを回収せずに壁面材の起立部に残置すると、壁面材の起立部に多数のスパイラルリングが露出して景観性が悪くなる。
使用を終えたスパイラルリングを撤去する場合には、別途に足場を設置しなければならず、パイラルリングの撤去コストが高くつく。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、以上の課題を解決できる、支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水平部と起立部を具備した壁面材の起立部の前面の二点に係止可能な下位係止手段と上位係止手段を具備した二点係止式の支柱取付具を使用し、最上位の壁面材の起立部に取付けた支柱取付具の上部に安全柵用の支柱を連結する、支柱取付具を用いた安全柵の取付け構造であって、前記支柱取付具は前記支柱と連結可能な縦管を具備し、前記下位係止手段が縦管の下部に下向きで一体に設けられ、前記壁面材の起立部の前面に差し込んで位置決めが可能であり、前記上位係止手段が縦管の外周面にスライド自在に設けられ、前記壁面材の起立部の上辺を挟持するように嵌め込んで位置決めが可能であり、前記下位係止手段および上位係止手段の組付け方向と撤去方向がそれぞれ同一である。
すなわち、前記下位係止手段および上位係止手段を介して、前記支柱取付具を壁面材の起立部の前面に着脱可能に係止した。
本発明の他の形態において、前記下位係止手段が前記縦管の下部に下向きに設けた差込下爪である。
本発明の他の形態において、前記上位係止手段が縦管の周面にスライド自在に設けたフック装置であり、該フック装置が縦管を把持可能なクランプ部と、前記壁面材の起立部の上辺の前後面を挟持可能な下向フック部とを具備し、前記クランプ部と下向フック部が支軸を介して回転可能に枢支してある。
前記壁面材の起立部の上辺にキャップが装着してあり、前記下向フック部に形成した挟持溝の溝幅が前記キャップに外装可能な寸法を有する。
本発明の他の形態において、前記縦管が、1枚の起立部の高さより長く、2枚の起立部12の高さより短い全長を有する。
本発明の他の形態において、前記安全柵が複数の支柱と、隣り合う支柱の間に横架した手摺とを少なくとも具備する。
本発明の他の形態において、前記壁面材が略菱形の開口を有するエキスパンドメタル製または溶接金網製である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>壁面材の起立部に対する支柱取付具の下位係止手段(差込下爪)および上位係止手段(フック装置)の組付け方向と撤去方向が同一であるため、壁面材の起立部に対する支柱取付具の着脱作業を短時間のうちに簡単に行える。
<2>最上位の壁面材を対象に安全な作業環境下で支柱取付具を取り付けできるので、作業者が前方に大きく身を乗り出したり、腹ばいになったりせずに済み、作業者の安全性が格段に向上する。
<3>壁面材の起立部に対して支柱取付具をガタツキのない状態で取り付けできるので、安全柵の安定性が向上する。
<4>支柱取付具の上下二箇所の掛止手段を介して壁面材の起立部に係合しているので、鉛直方向の荷重を分散して支持できるだけでなく、起立部の離間方向へ向けた外力に対しても抵抗することができる。
したがって、支柱取付具は高い支持力で安全柵を支持することができる。
<5>壁面材の起立部にキャップを装着してある場合は、キャップを介して起立部の上辺の前後面を挟持して位置決めできるので、上位係止手段と起立部の上辺との間の荷重伝達性能がよくなると共に、起立部の上辺の変形を抑制できる。
<6>フック装置(上位係止手段)を構成するクランプ部と下向フック部の間を回転可能に枢支したことで、起立部に縦向きに取付ける際に縦管が多少左右に傾倒していても、縦管の傾倒の影響を受けずに、下向フック部の奥深くまで起立部の上辺を嵌め込むことができる。
<7>支柱取付具は簡単な構造であるため、低コストでかつ堅牢に製作できる。
そのため、支柱取付具は耐久性に優れ、長期間に亘って繰り返しの使用に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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