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公開番号2024103590
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024086614,2022159753
出願日2024-05-28,2016-05-31
発明の名称医療機器の製造方法
出願人京セラ株式会社,国立大学法人 東京大学
代理人個人
主分類A61L 27/34 20060101AFI20240725BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 容易に高分子皮膜を形成することができ、濡れ性に優れ、高い耐水性を有する医療機器の製造方法を提供する。
【解決手段】 工程A1の準備工程で、基材を準備し、工程A2の調製工程で、ホスホリルコリン基を有する第1重合体および第1重合体と親水性が異なる、ホスホリルコリン基を有する第2重合体を有機溶媒に溶解させて重合体混合溶液を調製する。工程A3の皮膜形成工程で、重合体混合溶液に基材を浸漬させたのち乾燥させて、基材の少なくとも一部の表面に第1重合体および第2重合体を含む親水性皮膜を形成することで、医療機器を製造する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材を準備する準備工程と、
ホスホリルコリン基を有する第1重合体および第1重合体よりも親水性が低い、ホスホリルコリン基を有する第2重合体を有機溶媒に溶解させて重合体混合溶液を調製する調製工程と、
調製された重合体混合溶液に基材を浸漬させたのち乾燥させて、基材の少なくとも一部の表面に第1重合体および第2重合体を含む親水性皮膜を形成する皮膜形成工程と、を有し、
前記有機溶媒に溶解させる前記第1重合体と前記第2重合体との重量比(前記第1重合体/前記第2重合体)は、1/9以上1/4以下であることを特徴とする医療機器の製造方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記有機溶媒に溶解させる前記第1重合体と前記第2重合体との重量比(前記第1重合体/前記第2重合体)は、1/9であることを特徴とする請求項1に記載の医療機器の製造方法。
【請求項3】
ホスホリルコリン基を有する第1重合体およびホスホリルコリン基を有する第2重合体は、互いに共重合比が異なる2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとn-ブチルメタクリレートとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の医療機器の製造方法。
【請求項4】
前記第2重合体の平均分子量は300,000以上5,000,000以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の医療機器の製造方法。
【請求項5】
重合体混合溶液中の第1重合体および第2重合体の混合物の含有濃度が、0.1~0.5重量%であることを特徴とする請求項1~4に記載の医療機器の製造方法。
【請求項6】
親水性皮膜が形成された基材に、高エネルギー線を照射する照射処理または親水性皮膜が形成された基材にガスプラズマを接触させるガスプラズマ処理を施す滅菌工程をさらに有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の医療機器の製造方法。
【請求項7】
前記被膜形成工程よりも前に、前記基材の少なくとも前記親水性皮膜を形成する表面に大気プラズマまたは酸素プラズマを照射する工程をさらに有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の医療機器の製造方法。
【請求項8】
前記皮膜形成工程において、前記乾燥は真空乾燥であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の医療機器の製造方法。
【請求項9】
前記有機溶媒は水を含まないことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の医療機器の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9の製造方法により製造された医療機器であって、
水温37℃の純水に浸漬させた場合に、前記親水性皮膜表面のリン原子濃度が浸漬時間の経過に伴い低下しないことを特徴とする医療機器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ホスホリルコリン基を含有する合成高分子は、生体内の細胞膜と同様の構造を持つため、生体親和性、高潤滑特性、低摩擦特性、タンパク吸着抑制、細胞接着抑制、細菌付着抑制などの様々な優れた特性を持ち、コンタクトレンズ、カテーテル、人工関節等の医療機器や、ウェルプレートなどの検査用医療機器や診断用医療機器等、多くの医療機器の表面へ応用されている。
【0003】
ホスホリルコリン基を含有する合成高分子を医療機器の表面へ応用するとき、医療機器が必要とする特性に合わせて、様々なホスホリルコリン基を含有する高分子が用いられる。例えば、特許文献1には、ホスホリルコリン基を含有する高分子の一例である2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、メタクリル酸エステルの共重合体が記載されている。
【0004】
例えば、コンタクトレンズなどの医療機器やウェルプレートなどの検査用医療機器には、比較的穏やかな水環境下においてタンパク質等の吸着を防ぐことを目的として、ホスホリルコリン基を含有する高分子が用いられている。したがって、疎水性のホスホリルコリン基を含有する合成高分子を溶解させた有機溶媒に基材を浸漬したり、疎水性のホスホリルコリン基を含有する合成高分子を溶解させた有機溶媒を基材に噴霧したりしたのち、乾燥して、ホスホリルコリン基を含有する高分子によるコーティングを行っている。
【0005】
特許文献2には、薬剤放出ステントのような体内埋め込み型医療機器として、金属基材の表面に、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンからなる高分子などの合成リン脂質成分をスプレー噴霧などでコーティングを行うことが記載されている。
【0006】
人工関節には、日常生活において絶えず摺動するような過酷な使用環境において、高い潤滑特性、耐摩耗特性を獲得するために、ホスホリルコリン基を含有する合成高分子が用いられている。前出の浸漬や噴霧などによるコーティングでの表面改質では、ホスホリルコリン基を含有する高分子は基材に物理吸着しているだけなので、生体内においてホスホリルコリン基を含有する高分子が基材から容易に剥離してしまう。したがって、剥離を防止するために、人工関節では、光照射によるグラフト重合によりホスホリルコリン基を含有する合成高分子と基材を共有結合により強固に固着させている。これによりホスホリルコリン基を含有する合成高分子が基材表面を長期間にわたって保護している。また、ホスホリルコリン基を含有する合成高分子の末端が基材と共有結合することで固定されているため、ホスホリルコリン基を含有する合成高分子が高い親水性であっても、生体内に溶出しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平9-3132号公報
特開2012-46761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
物理吸着によるコーティングで、ホスホリルコリン基を含有する合成高分子の皮膜を基材表面に形成させる方法は、皮膜を容易に形成させることが可能で、かつ、基材の材質や形状に制限がほとんどない。しかし、高い親水性を示すホスホリルコリン基を含有する合成高分子による皮膜は、水に溶解しやすく、耐水性に劣るため、生体内などの水環境下での使用が制限される。一方、疎水性のホスホリルコリン基を含有する合成高分子による皮膜は、皮膜が水和するまでの間、ぬれ性に劣り、ホスホリルコリン基を含有する合成高分子の性能が十分に発現するまでに時間を要する。
【0009】
光照射によるグラフト重合で形成した親水性の高いホスホリルコリン基を含有する合成高分子による皮膜は、生体内において瞬時に高い親水性や耐摩耗特性を発現し、また安定してそれらの性能を発揮するが、光照射によるグラフト重合反応の条件などが複雑であり、コーティングをする基材の材質や形状により制限される。
【0010】
本発明の目的は、容易にホスホリルコリン基を含有する合成高分子皮膜を形成することができ、生体内において早期に高いぬれ性を発現し、その使用環境下での高い安定性を有する医療機器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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