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公開番号2024103499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024075704,2022079462
出願日2024-05-08,2016-05-18
発明の名称全血の保存のための方法および全血の組成
出願人ヘマネクスト インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 35/14 20150101AFI20240725BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】全血輸血を受ける外傷患者の臨床転帰を改善するための方法および組成。癌患者への輸血の臨床転帰を改善するための方法および組成もまた提供される。
【解決手段】頻回輸血を必要とする患者の生存を改善するための方法であって、酸素を低減した保存赤血球(OR保存RBC)を、それを必要とする、医療処置を受ける患者に提供することを含む、方法。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
頻回輸血を必要とする患者の生存を改善するための方法であって、酸素を低減した保存赤血球(OR保存RBC)を、それを必要とする、医療処置を受ける患者に提供することを含む、方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記OR保存RBCは、酸素および二酸化炭素が低減されている(OCR-保存RBC)、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記OR保存RBCは、従来通りに保存された赤血球(保存RBC)と比較して低レベルの未結合RANTES因子を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記RANTESのレベルは、21日後には500pg/ml未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記RANTESのレベルは、脱酸素化条件下で21日保存した後には300pg/ml未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記OR保存RBCは、従来通りに保存された赤血球(保存RBC)と比較して低レベルのエオタキシン因子を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記エオタキシンのレベルは、脱酸素化条件下で21日保存した後には150pg/ml未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記エオタキシンのレベルは、脱酸素化条件下で21日保存した後には100pg/ml未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記OR保存RBCは、酸素低減‐白血球低減全血(OR-LRWB)、血小板を含む酸素低減‐白血球低減全血(OR-LRWB+PLT)、酸素低減‐白血球低減濃厚赤血球(OR-LRpRBC)、血小板を含む酸素低減‐白血球低減濃厚赤血球(OR-LRpRBC+PLT)、酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減全血(OCR-LRWB)、血小板を含む酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減全血(OCR-LRWB+PLT)、酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減濃厚赤血球(OCR-LRpRBC)、血小板を含む酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減濃厚赤血球(OCR-LRpRBC+PLT)、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記OR保存RBCは、酸素低減‐白血球低減全血(OR-LRWB)、血小板を含む酸素低減‐白血球低減全血(OR-LRWB+PLT)、酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減全血(OCR-LRWB)、または血小板を含む酸素および二酸化炭素低減‐白血球低減全血(OCR-LRWB+PLT)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、患者への輸血に有用な全血の品質を改善するための方法に関する。全血の嫌気的保存により、サイトカインレベルの低下、ならびに2,3-ジホスホグリセレート(2,3-DPG)およびアデノシン三リン酸(ATP)レベルの改善がもたらされる。改善された血液組成は、癌患者および外傷患者への輸血に有用である。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
保存血液を従来通りに保存した場合、特に、溶血、ヘモグロビン分解、ならびにATPおよび2,3-DPG濃度の低下を含む、種々の保存障害に関連する劣化が着実に起こる。患者に輸血されると、保存中の着実な劣化の影響が、例えば、24時間での体内回復として現れる。これらおよび他の保存血液の輸血による医学的後遺症のために、保存が血液に及ぼす影響を最小限に抑え、医学的転帰を改善するための様々な手法が開発されてきた。例えば、Zimring et al.,「Established and theoretical factors to consider in assessing the red cell storage lesion」 in Blood,125:2185-90(2015)を参照されたい。
【0003】
保存障害を最小限に抑え、輸血の転帰を改善することを目的とした数多くの手法が開発されている。ある手法は、保存中に含まれる添加液の開発であった。この手法の例として、血液の保存および活性化のための添加液を対象とする、Hamasakiらに対する米国特許第4,769,318号およびSasakawaらに対する米国特許第4,880,786号が挙げられる。例えば、Rejuvesol(登録商標)(Citra Lab LLC、Braintree,MAから入手可能)は、低温保存(すなわち、4℃)の後で輸血の直前に、または長期保存のために凍結する(すなわち、グリセロールを用いて-80℃)前に、血液に加えられる。Hessらに対する米国特許第6,447,987号は、ヒト赤血球の冷蔵保存のための添加液を対象としている。代替の手法は、血液を冷凍して保存障害の発生を防止することである。凍結血液の保存は当該技術分野で既知であるが、そのような凍結血液には限界がある。Serebrennikovらに対する米国特許第6,413,713号は、0℃未満の温度で血液を保存する方法を対象としている。Chaplin et al.,「Blood Cells for Transfusion,」Blood,59:1118-20(1982)、およびValeri et al.,「The survival,function,and hemolysis of human RBCs stored at 4 degrees C in additive solution(AS-1,AS-3,or AS-5)for 42 days and then biochemically modified,frozen,thawed,washed,and stored at 4 degrees C in sodium chloride and glucose solution for 24 hours,」Transfusion,40:1341-5(2000)を参照されたい。別のアプローチは、Satoらに対する米国特許第4,837,047号に提供されるような血液保存のための容器に関する。
【0004】
血液の品質を改善し、その有用性を拡張することに成功することが証明されている手法の1つは、酸素の枯渇および嫌気性条件下での保存によるものである。Bitenskyらに対する米国特許第5,624,794号、Bitenskyらに対する米国特許第6,162,396号、およびBitenskyに対する米国特許第5,476,764号は、酸素枯渇条件下での赤血球の保存を対象としている。Bitenskyらに対する米国特許第5,789,151号は、血液保存添加液を対象としている。酸素枯渇条件下で血液を保存することの利点の中には、ATPおよび2,3-DPGレベルの改善、ならびに溶血の低減がある。また、酸素枯渇条件下で血液を保存することは、従来の条件下で保存された血液と比較した場合に、微小粒子レベルの低下、変形能喪失の低減、脂質およびタンパク質酸化の低減、ならびにより高い輸血後生存率をもたらし得る。
【0005】
Bitenskyらに対する米国特許第6,162,396号(‘396特許)は、酸素不透過性の外層、酸素に対して透過性の赤血球(RBC)適合性内層を備え、内層と外層との間に配置された酸素スクラバーを有する、血液保存のための嫌気的保存バッグを開示している。
【0006】
酸素枯渇が濃厚赤血球に及ぼす影響については調査されてきたが、酸素枯渇が全血に及ぼす影響は報告されていない。一つには、全血の脱酸素化に関する研究の欠如は、有害作用が血小板の酸素が不足したときに起こり得るという予想に起因している可能性がある。より具体的には、凝固プロセスにおける血小板の重要な役割を考えると、血小板機能の低下が凝固障害を引き起こし、臨床転帰に悪影響を与えるという懸念が存在する。
【0007】
血小板の保存は、温度、pH、O
2
およびCO
2
濃度を含む最も好ましい条件を特定するために広く研究されてきた。この研究の結果は、保存血小板が輸血後にレシピエント内で生き残るために、血小板は、酸素への接触および室温での保存を必要とするという結論である。MurphyおよびGardnerは、1975年に、望ましくない形態学的変化は酸素消費量の低下と関連していると述べている。Murphy et al.,「Platelet storage at 22 degrees C:role of gas transport across plastic containers in maintenance of viability,」Blood 46(2):209-218(1975)を参照されたい。著者は、酸素への接触の増加が好気的代謝(酸化的リン酸化)を可能にし、乳酸産生速度の低下を引き起こすと観察している。低PO
2
レベルでは、パスツール効果と一致して乳酸産生が増加する。Moroffらは、保存血小板のpHをpH7に維持するためには、持続的な酸素消費が必要であると述べている。Moroff et al.,「Factors Influencing Changes in pH during Storage of Platelet Concentrates at 20-24℃,」Vox Sanguinis 42(1):33-45(1982)を参照されたい。特別に適合させた容器システムは、二酸化炭素および酸素に対する透過性を実現し、pHの壊滅的な低下を防止する。Kakaiya et al.,「Platelet preservation in large containers,」Vox Sanguinis 46(2):111-118(1984)に示されるように、血小板の品質を維持することは、ガス交換に利用可能な表面積の増加によって達成される改善されたガス交換条件の結果であった。血小板の保存中に酸素レベルを維持することの重要性が、ガス透過性容器の開発、および酸素富化雰囲気中での血小板の保存に結び付いた。1984年6月19日にGrodeに対して発行された米国特許第4,455,299号を参照されたい。保存血小板の生存能力に関する酸素の重要性は、酸素の乏しい環境では乳酸レベルが5~8倍増加するという観察によって裏付けられた。Kilkson et al.,「Platelet metabolism during storage of platelet concentrates at 22 degrees C.,」Blood 64(2):406-14(1984)を参照されたい。Wallvik et al.,「Platelet Concentrates Stored at 22℃ Need Oxygen The Significance of Plastics in Platelet Preservation,」Vox Sanguinis 45(4):303-311(1983)は、保存の最初の5日間に酸素を維持することが血小板の保存にとって不可欠であったと報告している。また、Wallvikおよび同僚は、成功裏に5日間保存することができる最大血小板数は、保存バッグの酸素拡散能の決定に基づいて予測可能であることも示した。Wallvik et al,「The platelet storage capability of different plastic containers,」Vox Sanguinis 58(1):40-4(1990)を参照されたい。十分なガス交換特性を有する血液バッグを提供することにより、pHが維持され、ATPの喪失およびα顆粒血小板因子4(PF4)の放出が防止された。上記参考文献の各々は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0008】
これらの知見は、特に、輸血後の生存能力を最大限に生かすために、室温での保存中に血小板の酸素添加を確実にするよう業務の標準化をもたらした。血小板が冷蔵温度で保存された場合、輸血後の生存能力が失われ、そのような血小板は、自身の血小板を産生することができない癌患者への予防的輸血には不適切となる。その一方で、冷蔵温度で保存された血小板は、レシピエントに輸血されたときに止血機能を維持する。したがって、外傷性出血を呈する患者に血小板を投与する場合、生存能力は止血活性ほど重要ではない。我々は、最長3週間冷蔵した全血の嫌気的保存が、従来通りに冷蔵保存した全血と一致する止血活性をもたらすことを実証し、たとえそれらが酸素欠乏状態であっても、血小板の止血活性は低温保存によって維持されることを明確に示した。
【0009】
全血中の酸素の枯渇は文献中に述べられているが、全血の嫌気的保存の影響については開示されていない。前述のように、レシピエントにおける血小板(PLT)の長期生存(24時間を上回る)のためには、室温での保存だけではなく保存中の酸素も必要であることは十分に確立されている。しかしながら、出血性外傷蘇生の場合、PLTの長期生存は、その止血能と比較して重要ではない。近頃、保存全血または新鮮全血、および再構成全血(血漿、赤血球、および血小板の混合物)を輸血された患者が、有意により低い外傷後死亡率を有することが明らかとなった。我々は、最近、低温保存がPLTの嫌気的保存を可能にし、また、全血において、濃厚赤血球中に観察される嫌気的に保存されたRBCの既知の利点も提供することを発見した。より具体的には、有害な影響を引き起こすことなく予想外に凝固能を保持する一方で、脱酸素化された全血は、2,3,-DPGレベルの改善を提供する。保存期間にわたって、RBCの変形能は、脱酸素化条件下で維持される。
【0010】
イソプロスタン等の脂質過酸化のマーカーの蓄積によって示唆されるように、保存中の酸化による損傷は、濃厚赤血球(pRBC)の膜損傷の主要原因として関与しているとされてきた。保存期間中のサイトカイン量の増加も、輸血の負の転帰に関する潜在的な臨床的意義を有する保存障害の発生の一因となり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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