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公開番号2024100705
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023218799
出願日2023-12-26
発明の名称塊茎処理装置
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人個人,個人
主分類A01B 39/18 20060101AFI20240719BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎からの発芽を防止することができる塊茎処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明の塊茎処理装置は、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎Aを処理し、土とともに前記塊茎Aをすくい上げる掘り取り部10と、前記掘り取り部10ですくい上げた前記塊茎Aを前記土と粗分離するコンベア部20と、前記コンベア部20から搬送される前記塊茎Aを圧壊するローラ部30とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎を処理する塊茎処理装置であって、
土とともに前記塊茎をすくい上げる掘り取り部と、
前記掘り取り部ですくい上げた前記塊茎を前記土と粗分離するコンベア部と、
前記コンベア部から搬送される前記塊茎を圧壊するローラ部と
を有する
ことを特徴とする塊茎処理装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記土を撹拌するロータリの後方に取り付けられ、前記ロータリによって代掻きを行う際に用いられ、
前記掘り取り部では、前記ロータリによって撹拌された泥をすくい上げ、
前記コンベア部では、前記塊茎より大きく前記泥ととともにすくい上げられる石を前記ローラ部に搬送されないように傾斜によって落下させる
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項3】
前記コンベア部を、前記掘り取り部側を低く、前記ローラ部側を高くして傾斜させる
ことを特徴とする請求項2に記載の塊茎処理装置。
【請求項4】
前記コンベア部の上方に回転体部を有し、
前記コンベア部に前記土とともにすくい上げられる稲株などの有機残渣物を、前記回転体部によって前記ローラ部に搬送されないように棒によりはね飛ばす
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項5】
前記ローラ部を、
進行方向となる前方に配置する第1ローラと、
前記第1ローラより後方に配置する第2ローラとで構成し、
前記第2ローラを前記第1ローラより大径とし、
前記第2ローラを、前記進行方向となるように回転させる
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項6】
前記ローラ部の外周面に、前記塊茎よりも小さな孔を有する網材を設ける
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項7】
前記コンベア部の載置面に、前記塊茎よりも小さな孔を有するメッシュベルトを用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項8】
前記コンベア部の載置面に、前記塊茎よりも小さな孔を有する小孔形成材を用い、前記小孔形成材上部の幅方向に複数の搬送バーを設ける
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項9】
前記コンベア部の下方にそりを設ける
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
【請求項10】
前記掘り取り部、前記コンベア部、及び前記ローラ部を支える走行用車輪を取り外し可能に設ける
ことを特徴とする請求項1に記載の塊茎処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎を処理する塊茎処理装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を掲げ、有機農業の拡大が急務となってい
る。有機農業の拡大において、除草作業の省力化は大きな課題であり、水稲作では一年生
雑草を対象にした機械除草技術の開発が進められているものの、塊茎を形成する水田多年
生雑草への対応は困難で、効率的な防除技術は確立されていない。
特許文献1や特許文献2は機械除草機を提案しており、水稲の条間をロータなどで除草し、株間をツースなどによって除草し、また、条間について土中数センチに雑草を埋没させ、株間については稲を傷つけないように田面の表層を撹拌して発芽から生育初期の雑草を浮かせて除去するものがある。
また、畑用の雑草処理装置としては、ロータリで土ごと掘り上げ、ふるいによって分離するもの(特許文献3)や、ロータリと同時に火炎により焼却するもの(特許文献4)が提案されている。
また、雑草種子の発芽を抑制する方法としては、有機栽培では深水管理によって土壌表面に還元層を作る方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-59286号公報
特開2020-39291号公報
実用新案登録第3211869号公報
特許第3504083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水田用の既存技術については、土中に埋没している多年生雑草への効果が低い。また、条間の多年生雑草の塊茎を埋没させても、再び出芽することがある。
畑用の既存技術については、湛水状態では利用困難である。また、落水時に使用した場合、特許文献3については、水田土壌は粘土質であることが多く、ふるい分けができない。
特許文献4については、火炎に要する燃料コストが多大となる。
また、深水管理についても、土壌の深い部分にある塊茎から出芽する多年生雑草には効果がない。
【0005】
本発明は、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎からの発芽を防止することができる塊茎処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の塊茎処理装置は、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎Aを処理する塊茎処理装置であって、土とともに前記塊茎Aをすくい上げる掘り取り部10と、前記掘り取り部10ですくい上げた前記塊茎Aを前記土と粗分離するコンベア部20と、前記コンベア部20から搬送される前記塊茎Aを圧壊するローラ部30とを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記土を撹拌するロータリ2の後方に取り付けられ、前記ロータリ2によって代掻きを行う際に用いられ、前記掘り取り部10では、前記ロータリ2によって撹拌された泥をすくい上げ、前記コンベア部20では、前記塊茎Aより大きく前記泥ととともにすくい上げられる石Bを前記ローラ部30に搬送されないように傾斜によって落下させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の塊茎処理装置において、前記コンベア部20を、前記掘り取り部10側を低く、前記ローラ部30側を高くして傾斜させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記コンベア部20の上方に回転体部50を有し、前記コンベア部20に前記土とともにすくい上げられる稲株などの有機残渣物Cを、前記回転体部50によって前記ローラ部30に搬送されないように棒52によりはね飛ばすことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記ローラ部30を、進行方向となる前方に配置する第1ローラ31と、前記第1ローラ31より後方に配置する第2ローラ32とで構成し、前記第2ローラ32を前記第1ローラ31より大径とし、前記第2ローラ32を、前記進行方向となるように回転させることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記ローラ部30の外周面に、前記塊茎Aよりも小さな孔を有する網材33を設けることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記コンベア部20の載置面に、前記塊茎Aよりも小さな孔を有するメッシュベルト21を用いることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記コンベア部20の載置面に、前記塊茎Aよりも小さな孔を有する小孔形成材22を用い、前記小孔形成材22上部の幅方向に複数の搬送バー23を設けることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記コンベア部20の下方にそり40を設けることを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記掘り取り部10、前記コンベア部20、及び前記ローラ部30を支える走行用車輪60を取り外し可能に設けることを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記掘り取り部10の下方に掘り取り部用そり11を設け、前記掘り取り部10の前端10aを、前記掘り取り部用そり11の底面よりも高い位置とすることを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項11に記載の塊茎処理装置において、前記掘り取り部10には、長孔形成材を用い、前記掘り取り部用そり11には、進行方向を長手方向とするスリットを形成することを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項1に記載の塊茎処理装置において、前記掘り取り部10の上方に掘り取り部用ロータリ13を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の塊茎処理装置によれば、コンベア部によってある程度の土を除去することで、ローラ部で塊茎を効率よく押しつぶすことができ、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎からの発芽を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例による塊茎処理装置の構成図
同塊茎処理装置のコンベア部を示す構成図
同塊茎処理装置のローラ部を示す構成図
同塊茎処理装置の回転体部を示す構成図
同塊茎処理装置の使用状態を示す構成図
図2(c)、図2(d)に示すコンベア部における小孔形成材及び搬送バーの最適な構成を示す説明図
本発明の他の実施例による掘り取り部を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による塊茎処理装置は、土とともに塊茎をすくい上げる掘り取り部と、掘り取り部ですくい上げた塊茎を土と粗分離するコンベア部と、コンベア部から搬送される塊茎を圧壊するローラ部とを有するものである。本実施の形態によれば、コンベア部によってある程度の土を除去することで、ローラ部で塊茎を効率よく押しつぶすことができ、水田の土中に埋没している多年草雑草の塊茎からの発芽を防止することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による塊茎処理装置において、土を撹拌するロータリの後方に取り付けられ、ロータリによって代掻きを行う際に用いられ、掘り取り部では、ロータリによって撹拌された泥をすくい上げ、コンベア部では、塊茎より大きく泥ととともにすくい上げられる石をローラ部に搬送されないように傾斜によって落下させるものである。本実施の形態によれば、塊茎より大きく泥ととともにすくい上げられる石を傾斜によってコンベア部から落下させることで、塊茎より大きな石によってローラ部の回転が妨げられたり、塊茎の圧壊への支障を防止できる。
(【0011】以降は省略されています)

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