TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024099167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-25
出願番号2023002901
出願日2023-01-12
発明の名称粒度解析画像の取得方法及びシステム
出願人鹿島建設株式会社
代理人個人
主分類G01N 15/0227 20240101AFI20240718BHJP(測定;試験)
要約【課題】スケールが配置されておらずカメラも定置されていない場合でも粒度解析対象の粒度を解析するための粒度解析画像を取得することができる方法及びシステムを提供する。
【解決手段】粒度解析対象Eに臨ませた深度センサ付きカメラ10によりxy方向の二次元画像の各画素にz方向の深度が付された深度付き画像G0を撮影し,その深度付き画像G0の各画素をカメラ10の中心点Oと粒度解析対象E上の最小深度点Mとを結ぶ直線Lに垂直な平面P上に射影変換して粒度解析画像Gc0を作成する。好ましくは,深度付き画像G0から精度の確保できる範囲G1又は凹凸変化の小さい範囲G1を抽出し,画像抽出手段22により抽出した範囲の深度付き画像G1から粒度解析画像Gc1を作成する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒度解析対象に臨ませた深度センサ付きカメラによりxy方向の二次元画像の各画素にz方向の深度が付された深度付き画像を撮影し,前記深度付き画像の各画素を前記カメラの中心点と前記粒度解析対象上の最小深度点とを結ぶ直線に垂直な平面上に射影変換して粒度解析画像を作成してなる粒度解析画像の取得方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1の方法において,前記深度センサ付きカメラを前記粒度解析対象の上方又は近傍で移動する移動体に搭載してなる粒度解析画像の取得方法。
【請求項3】
粒度解析対象に臨ませてxy方向の二次元画像の各画素にz方向の深度が付された深度付き画像を撮影する深度センサ付きカメラ,及び前記深度付き画像の各画素を前記カメラの中心点と前記粒度解析対象上の最小深度点とを結ぶ直線に垂直な平面上に射影変換して粒度解析画像を作成する画像変換手段を備えてなる粒度解析画像の取得システム。
【請求項4】
請求項3のシステムにおいて,前記深度センサ付きカメラを,前記粒度解析対象の上方又は近傍で移動する移動体上に取り付け可能なものとしてなる粒度解析画像の取得システム。
【請求項5】
請求項3のシステムにおいて,前記深度付き画像から精度の確保できる範囲又は凹凸変化の小さい範囲を抽出する画像抽出手段を設け,前記画像抽出手段により抽出した範囲の深度付き画像を前記画像変換手段に入力して粒度解析画像を作成してなる粒度解析画像の取得システム。
【請求項6】
請求項3のシステムにおいて,前記深度センサ付きカメラに前記深度付き画像をネットワーク経由でクラウドサーバに送る送信装置を含め,前記画像変換手段をクラウドサーバ上又はネットワークに接続されたコンピュータ上に設けてなる粒度解析画像の取得システム。
【請求項7】
請求項6のシステムにおいて,前記クラウドサーバ上又はネットワークに接続されたコンピュータ上に前記粒度解析画像から前記粒度解析対象の粒度を求める粒度解析手段を設けてなる粒度解析画像の取得システム。
【請求項8】
粒度解析対象の粒度を求める画像を取得するためコンピュータを,粒度解析対象に臨ませた深度センサ付きカメラで撮影したxy方向の二次元画像の各画素にz方向の深度が付された深度付き画像を入力する入力手段,及び前記深度付き画像の各画素を前記カメラの中心点と前記粒度解析対象上の最小深度点とを結ぶ直線に垂直な平面上に射影変換して粒度解析画像を作成する画像変換手段として機能させる粒度解析画像の取得プログラム。
【請求項9】
請求項8のプログラムにおいて,前記コンピュータを,前記深度付き画像から精度の確保できる範囲又は凹凸変化の小さい範囲を抽出する画像抽出手段として機能させ,前記画像抽出手段により抽出した範囲の深度付き画像を前記画像変換手段に入力して粒度解析画像を作成してなる粒度解析画像の取得プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は粒度解析画像の取得方法及びシステムに関し,とくに解析対象の粒度を求めるための粒度解析画像を取得する方法及びシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば土木・建築構造物を構築する際に,様々な粒径の礫,砂,粘土等の粒状材が混在した地盤材料を使用することがあり,構築する構造物の品質(とくに強度)を確保するため,使用する地盤材料の粒度(粒度分布等)の測定を求められることがある。一般に地盤材料の粒度は,混在する各粒状材の粒径dを横軸(対数軸)とし,各粒径d以下の粒状材の全体に対する質量百分率(=その粒径d以下の粒状材の総質量/粒状材全体の総質量×100,加積通過率と呼ばれる)を縦軸(線形軸)とした片対数グラフ,すなわち粒径加積曲線によって確認することができる。
【0003】
粒径加積曲線を作成する従来方法の一例は,地盤材料中に混在する各粒状材を篩い分けして各粒径dの加積通過率P(d)を求めるものである。しかし,地盤材料は最大粒径から最小粒径までの範囲(粒径範囲)が広いので,粒径加積曲線を作成するためには相応の量の地盤材料の篩い分け作業を篩い目の種類の数だけ繰り返さなければならず,粒度の測定(以下,粒度の解析ということがある)に非常に手間がかかる課題があった。そこで,地盤材料の画像からコンピュータによる画像処理技術によって粒度を解析する方法が開発されている(特許文献1~3参照)。
【0004】
例えば特許文献1は,図5に示すように,地盤材料Eの解析対象範囲を矩形のスケール付き外枠材46で囲い,その外枠材46の中央上方に昇降支持軸44a付き支持装置44によって下向きデジタルカメラ40を設置すると共に,その周囲に異なる向きの複数の照明(ランプ)42a~42dを設置して画像を取得する方法を提案している。複数の照明42a~42dを異なる向きで順次に照射しながらデジタルカメラ40により陰影位置の異なる複数の画像Ga~Gdを撮影し,陰影の異なる画像Ga~Gdを合成することにより.解析対象範囲の個々の粒状材Sを精度よく分離識別することができる。また,デジタルカメラ40によりスケール付き外枠材46が含まれる画像を撮影することにより,外枠材46のスケールを利用して撮影した各粒状材Sの粒径dを計測し,地盤材料Eの粒度を求めることができる。
【0005】
粒径範囲の広い地盤材料Eを対象とする場合は,地盤材料Eの単独の画像Gから特定の粒径d(例えば100mm)以下の粒状材を全て検出して加積通過率P(d)を直接的に求めることは難しい場合もある。そこで,例えば特許文献2が開示するように,画像Gから特定の粒径d以上の粒状材を全て検出し,画像G中の地盤材料の全体面積Eに対する粒径d以上の粒状材の面積eの総和(Σe)の割合Σe/E(以下,粒度インデクスIという)から,その粒径dの加積通過率P(d)を間接的に求めることが提案されている。このような方法を用いることにより,図5のような地盤材料Eの単独の画像Gから,その地盤材料Eの粒径加積曲線を求めることができる。
【0006】
また特許文献3は,図6に示すように,地盤材料Eを建築現場へ搬入する経路に振動ベルトコンベア50を設置し,そのベルトコンベア50の搬送面と対向させて定置した下向きデジタルカメラ60により画像を取得する方法を提案している。振動ベルトコンベア50は,駆動プーリ56とローラ57との間に環状ベルト58を架け渡し,駆動装置59により駆動プーリ56を駆動して環状ベルト58を回転させることにより,ベルト58の上面(搬送面)に載置した地盤材料Eを搬送する。搬送面の下方には,搬送方向に沿って複数のキャリアローラ53,55が並べられており,搬送面上流部のキャリアローラ53は第1支持体51によって連結支持され,他のキャリアローラ55は第1支持体51から縁切りされた第2支持体54によって連結支持されている。
【0007】
第1支持体51には振動装置52が取り付けられており,振動装置52を振動させることにより搬送面の上流側のみを振動させ,その上流部に投入された地盤材料Eを振動させて分散させたのち,分散後の地盤材料Eを搬送面の下流側に送って振動させずに観察することができる。その搬送面の下流側に遮光板で覆われた撮影建屋61を設け,その撮影建屋61内に照明装置と共にデジタルカメラ60が定置されている。カメラ60は搬送面との距離F及び向きが一定となるように固定されており,一定の距離F及び向きで地盤材料Eの画像Gを撮影することにより撮影範囲の大きさ(長さd´)とカメラ60の内部仕様(焦点距離f)とから画像G内の各粒状材Sの粒径d(=d´×F/f)を計測し,地盤材料Eの粒度を求めることができる。
【0008】
特許文献1~3のように地盤材料Eの画像Gから粒度を求める方法によれば,従来の篩い分け方法に比して迅速に,しかも精度よく地盤材料Eの粒度を解析することができる。なお,画像Gから粒度を解析する対象は地盤材料Eに限定されるものではなく,特許文献4が開示するように,例えば岩盤切羽の発破掘削時に生じる発破ズリ(岩盤砕屑物)等の粒状材の堆積物を粒度解析対象とすることもでき,特許文献1~3の画像処理技術によって発破ズリの画像Gから発破ズリの粒度を求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2006-078234号公報
特開2011-163836号公報
特開2016-124665号公報
特開2012-159468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
盛土とする地盤材料Eを掘削する現場等において,掘削した地盤材料が盛土として適切か否かを判定したり,土質の変化を判定することが行われる。その際,バックホウ等の採掘機械(作業重機)に搭載したデジタルカメラで取得した画像を適切に抽出し,解析を行うことによって迅速な判定をすることが可能となる。例えば,所定サイズ以下の地盤材料Eを掘削する現場等において,掘削時に出現する地盤材料Eの粒度をリアルタイムで解析できれば,地盤材料Eの粒度が所定サイズ以下であるか否かを直ちに判断することができ,所定サイズ以上の地盤材料(例えば大きな岩等)は選別又は粉砕することにより作業の迅速化・効率化を図ることが期待できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

鹿島建設株式会社
接合構造
21日前
鹿島建設株式会社
摩擦ダンパ
1日前
鹿島建設株式会社
計測システム
15日前
鹿島建設株式会社
トンネル掘削機
1日前
鹿島建設株式会社
コンクリート打設方法
14日前
鹿島建設株式会社
地下構造物の施工方法
15日前
鹿島建設株式会社
吹付け方法及び埋戻し方法
7日前
鹿島建設株式会社
運搬機構および管体の搬送方法
1日前
鹿島建設株式会社
構造物および構造物の構築方法
8日前
鹿島建設株式会社
既設コンクリート構造物の補強方法
15日前
鹿島建設株式会社
擁壁構造物施工方法及び擁壁構造物
8日前
鹿島建設株式会社
自動墨出しシステム及び自動墨出し方法
14日前
鹿島建設株式会社
受衝装置、調整方法、および摩擦ダンパ
今日
鹿島建設株式会社
中和処理システム、及び、中和処理方法
1日前
鹿島建設株式会社
工事計画生成システム及び工事計画生成方法
1日前
鹿島建設株式会社
シールド掘進機及びシールド掘進機における空気抜き方法
9日前
鹿島建設株式会社
レインガーデン評価装置及びレインガーデン評価プログラム
9日前
鹿島建設株式会社
摩擦ダンパ
1日前
鹿島建設株式会社
二酸化炭素排出量算定システム及び二酸化炭素排出量算定方法
14日前
鹿島建設株式会社
微生物および微生物由来の有機物汚れの検出及び残留評価技術
14日前
中国電力株式会社
封緘養生装置及び打設コンクリートの封緘養生方法
9日前
鹿島建設株式会社
非焼成骨材および非焼成骨材の製造方法、フレッシュコンクリート、水硬性硬化体
15日前
鹿島建設株式会社
床版揚重装置及び床版揚重装置の設置方法
10日前
甲神電機株式会社
電流センサ
11日前
アズビル株式会社
差圧計
9日前
アズビル株式会社
調節計
14日前
アズビル株式会社
差圧計
8日前
株式会社小野測器
検出器
14日前
株式会社小野測器
測定器
14日前
株式会社トプコン
測量装置
14日前
株式会社アトラス
計量容器
今日
大和製衡株式会社
組合せ秤
8日前
株式会社トプコン
測量装置
1日前
株式会社チノー
気体流量調整機構
3日前
株式会社チノー
気体流量調整機構
3日前
アズビル株式会社
圧力センサ
3日前
続きを見る