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公開番号2024137574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023064503
出願日2023-03-23
発明の名称電流センサ
出願人甲神電機株式会社
代理人
主分類G01R 15/20 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約【課題】磁気飽和を改善し、磁性部の共用部分を有した小型の電流センサを提供する。
【解決手段】導体11~1Nは貫通スリットで分岐し、2つの電流路を形成してX-方向にN本の導体が隣接して並んでおり、N個の1対の磁電変換素子を有する磁気センサ61~6Nは、1対の磁電変換素子が導体11~1Nの導体毎に貫通スリットを挟んで対向する姿勢で配置され、磁性部41、4Nは第1の1対の延伸部を有し、導体11、1Nの隣接する導体がいない側の電流路が、第1の延伸部で形成される空隙に貫通するように配置され、N-1個の磁性部42~4(N-1)は第2の1対の延伸部と第3の1対の延伸部を有し、導体11~1NのすべてのN-1箇所の導体間に、第2の1対の延伸部と、第3の1対の延伸部で形成される2つの空隙に、導体の電流路が貫通するように配置され、隣接する磁性部同士はその延伸部の端面が対向する姿勢で、その端面間に空隙を形成する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
貫通スリットで分岐し、第1方向に延伸する2つの電流路を有し、被検出電流が印加される導体と、
延伸部の先端に端面を有する第1の1対の延伸部と、前記第1の1対の延伸部で形成される第1の空隙部を有する第1の磁性部と、
延伸部の先端に端面を有する第2の1対の延伸部と第3の1対の延伸部と、前記第2の1対の延伸部で形成される第2の空隙部と、前記第3の1対の延伸部で形成される第3の空隙部を有する第2の磁性部と、
前記導体に被検出電流が印加されることで発生する磁束の所定の感磁軸方向の磁束密度をそれぞれ検出して、検出した磁束密度量に応じた出力信号を出力する1対の磁電変換素子を有する磁気センサと、を具備し、
前記導体は、前記第1の方向に垂直方向である第2の方向に複数並んで配置され、複数の前記導体にはそれぞれ異なる被検出電流が印加されており、
前記第1の磁性部は、前記導体の第2方向に異なる導体のいない側の前記電流路がそれぞれ前記第1の空隙部を貫通するように2つ配置され、
前記第2の磁性部は、全ての前記導体間に、前記第2の空隙部と前記第3の空隙部にそれぞれ異なる前記導体の前記電流路が1つずつ貫通するように配置され、
前記磁気センサは、複数の前記導体毎に、前記貫通スリットを挟んで前記第1の方向と第2の方向の垂直方向である第3方向に対向して配置され、前記第2の方向にその感磁軸があることを特徴とする電流センサ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記導体の導体数は2本であり、
前記第1の磁性部と前記第2の磁性部は、前記第1の1対の延伸部の端面と前記第2の1対の延伸部の端面は対向して離間する姿勢で、
前記導体毎に配置される前記磁気センサはそれぞれ、前記1対の磁電変換素子が挟み込む前記貫通スリットを有する前記導体の2つの前記電流路が貫通する、前記第1の空隙部を有する前記第1の磁性部と、前記第2の空隙部もしくは前記第3の空隙部を有する前記第2の磁性部の、前記第1の方向の厚み寸法と、前記第2の方向の対向する延伸部の端面間寸法と、前記第3の方向の延伸部の外側端面間寸法とで区切られる領域内に、前記1対の磁電変換素子があるように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記導体の導体数は3本以上であり、
前記第1の磁性部と前記第2の磁性部は、前記第1の1対の延伸部の端面と前記第2の1対の延伸部の端面は対向して離間する姿勢かつ、全ての前記導体間に配置された隣接する前記第2の磁性部同士は、前記第2の1対の延伸部の端面と、前記第3の1対の延伸部の端面が対向して離間する姿勢で、
前記導体毎に配置される前記磁気センサはそれぞれ、前記1対の磁電変換素子が挟み込む前記貫通スリットを有する前記導体の2つの前記電流路が貫通する、前記第1の空隙部を有する前記第1の磁性部と、前記第2の空隙部を有する前記第2の磁性部もしくは、
2つの前記電流路が貫通する前記第2の空隙部もしくは、前記第3の空隙部を有する隣接する前記第2の磁性部同士の、前記第1の方向の厚み寸法と、前記第2の方向の対向する延伸部の端面間寸法と、前記第3の方向の延伸部の外側端面間寸法とで区切られる領域内に、前記1対の磁電変換素子があるように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記第1の空隙部と前記第2の空隙部と第3の空隙部の第3の方向の高さ寸法値が、前記対向する延伸部の端面間寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項2と請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記導体は、前記貫通スリットを含む部分において、1回以上の屈折する形状を有することを特徴とする、請求項2と請求項3に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記第2の方向に複数並んだ前記導体は、前記第3の方向の高さが等しくなるように配置されることを特徴とする、請求項2と請求項3に記載の電流センサ。
【請求項7】
前記第2の方向に複数並んだ前記導体は、前記第3の方向の高さが異なるように配置されることを特徴とする、請求項2と請求項3に記載の電流センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、小型化された電流センサに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来のモーター駆動用インバータなどで使用される電流センサにおいて、電流センサは、被検出電流が印加される導体と、磁性材料で形成され導体が配置される中空部とギャップを有するC型もしくはU型形状の磁性部と、ギャップ内に配置される磁電変換素子を有する磁気センサと、を具備し、被検出電流が印加されることで生じる磁束を磁性部で集磁して、磁性部のギャップから漏れ出る磁束を磁電変換素子で検出し、検出した磁束密度量に応じて、磁気センサが出力信号を外部に出力することで、被検出電流の電流値の検出がなされてきた。
【0003】
特許文献1に示される複数の検出相を有する電流センサ(例えば複数の三相交流電流を検出する電流センサ)において、電流検出相毎に電流センサの構成が並べられている構造が示されている。
しかしながら、被検出電流が大電流化すると、磁性部が磁気飽和して電流検出の直線性誤差が大きくなるため、磁性部の体格を大きくせざるを得ず、それに併せて電流センサの体格も大きくなり、センサの重量もまた重くなる。また隣接する電流検出相毎に磁性部を用意する必要があるため、小型化には限度がある。
【0004】
それらの問題を解決するため、特許文献2に示されている構造のように、隣接する電流検出相同士で、磁性部の一部を共用し、磁性部の体格を小さくできる構造が提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-148512
特許6790774
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に示された構造は確かに電流センサの小型化に寄与するが、被検出電流が大電流化すると、磁性部が磁気飽和する事実は変わらず、磁気飽和すると電流検出の直線性誤差が大きくなる。よって被測定電流の大電流化に対応するためには、従来の電流センサと同じく磁性部の体格を大きくせざるを得ない。特に被検出電流が三相交流電流の場合、被検出電流の位相をずらしていることで、隣接する電流検出相で印加される電流の正負が逆転するため、磁性部を共用している箇所に磁束が集中するため飽和しやすい課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を鑑み、本発明における電流センサは、磁性部の磁気飽和を大幅に改善し、電流センサの体格を小さくできる電流センサ構造を提案するものである。
【0008】
本発明における電流センサは、貫通スリットで分岐し、第1方向に延伸する2つの電流路を有し、被検出電流が印加される導体と、延伸部の先端に端面を有する第1の1対の延伸部と、前記第1の1対の延伸部で形成される第1の空隙部を有する第1の磁性部と、延伸部の先端に端面を有する第2の1対の延伸部と第3の1対の延伸部と、前記第2の1対の延伸部で形成される第2の空隙部と、前記第3の1対の延伸部で形成される第3の空隙部を有する第2の磁性部と、前記導体に被検出電流が印加されることで発生する磁束の所定の感磁軸方向の磁束密度をそれぞれ検出して、検出した磁束密度量に応じた出力信号を出力する1対の磁電変換素子を有する磁気センサと、を具備し、前記導体は、前記第1の方向に垂直方向である第2の方向に複数並んで配置され、複数の前記導体にはそれぞれ異なる被検出電流が印加されており、前記第1の磁性部は、前記導体の第2方向に異なる導体のいない側の前記電流路がそれぞれ前記第1の空隙部を貫通するように2つ配置され、前記第2の磁性部は、全ての前記導体間に、前記第2の空隙部と前記第3の空隙部にそれぞれ異なる前記導体の前記電流路が1つずつ貫通するように配置され、前記磁気センサは、複数の前記導体毎に、前記貫通スリットを挟んで前記第1の方向と第2の方向の垂直方向である第3方向に対向して配置され、前記第2の方向にその感磁軸があることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、飽和特性が大幅に改善されることで磁性部の小型化が可能であり、小型化した電流センサを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施の形態1に関わる電流センサの概略図であり、図1(a)は電流センサの斜視図で、図1(b)は電流センサの平面視図で、図1(c)は断面図である。
図1に示した電流センサの磁性部の形状と、導体の配置と形状と、磁電変換素子の配置を変えた構成例を示す図である。
本発明の実施の形態1に関わる電流センサに被検出電流として三相交流電流を印加した場合の磁束経路を示す概略図で、図3(a)、(b)、(c)は1つの導体に最大電流値が印加された際、他の2つの導体に最大電流値×-1/2の電流値の電流が印加された際に生じる磁束経路を示す図である。
本発明の実施の形態1に関わる電流センサのシミュレーションに用いた構成例を示す図であり、図4(a)は電流センサの平面視図で、図4(b)は断面図である。
本発明の実施の形態1に関わる電流センサのシミュレーションによりから得られた解析値から算出した、磁性部の直線性誤差を示すグラフであり、図5(a)、(b)は図4に示した構成例の直線性誤差を示す表とグラフであり、図5(c)(d)(e)(f)は従来技術で示された電流センサと直線性誤差を比較した表とグラフである。
本発明の実勢の形態2に関わる電流センサの概略図であり、図6(a)は電流センサの平面視図で、図6(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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