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公開番号2024095363
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212594
出願日2022-12-28
発明の名称受信機,周波数スペクトラム再生方法及び周波数スペクトラム再生プログラム
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人真田特許事務所
主分類H04B 1/16 20060101AFI20240703BHJP(電気通信技術)
要約【課題】低雑音のスペクトラム再生処理を実現する。
【解決手段】無線周波数の共通分岐点からサンプリング処理を行う回路までの回路の伝達関数特性H(ω)を予め測定し、K種類のサンプリング周波数でサンプリングし、独立にフーリエ変換して、0からナイキスト周波数群までの周波数スペクトラムを取得し、K個の周波数スペクトラムの周波数刻み幅を等しく設定し、それぞれの周波数スペクトラム要素を結合したベクトル(y)を生成し、0から受信機の上限周波数までの周波数で周波数刻み幅に相当する分解能で与えられた周波数群に対応した周波数とナイキスト周波数群での折り返し周波数とに相当する周波数要素及び(y)の要素に対応する行列要素を、予め測定した伝達関数特性で無線周波数に対応する特性とし、その他の要素をゼロとした係数行列(A)を生成し、(y)=(A)(x)の解(x)を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンダーサンプリング受信方式を用いた周波数スペクトラム再生を行う受信機において、
受信した周波数スペクトラムを、共通分岐点を介して、K(Kは2以上の自然数)種類のサンプリング周波数を変えてサンプリングした時間軸データから生成する処理装置を有し、
前記処理装置は、
(1)無線周波数の前記共通分岐点からサンプリング処理を行う回路までの回路の伝達関数特性を予め測定する手段と、
(2)前記K種類のサンプリング周波数でサンプリングし、それぞれを独立にフーリエ変換して、0からナイキスト周波数群までの周波数スペクトラムを得て、1~K個の周波数スペクトラムの周波数刻み幅を等しく設定し、それぞれの周波数スペクトラム要素を結合したベクトル(y)を生成する手段と、
(3)0から受信機の上限周波数まで、あるいは必要観測帯域の周波数で、前記周波数刻み幅の分解能に相当する分解能で与えられた周波数群に対応した周波数と前記ナイキスト周波数群での折り返し周波数に相当する周波数要素と前記ベクトル(y)の要素に対応する行列要素を、予め測定した前記伝達関数特性で前記無線周波数に対応する特性とし、その他の要素をゼロとした係数行列(A)を生成する手段と、
(4)前記ベクトル(y)と前記係数行列(A)を用い、(y)=(A)(x)((x)は解ベクトル)の線型方程式の関係から、圧縮センシング法または最小二乗法により(x)を求める手段と、
(5)前記(4)の解ベクトル(x)の条件として、前記ナイキスト周波数群での折り返しが0又は偶数の場合の解xeとし、同じ所望の周波数帯域群の周波数における、前記ナイキスト周波数群での折り返しが奇数の場合の解xoとしたとき、xoとxeが複素共役である条件を前記(4)の繰り返しアルゴリズム内に実装する手段と、
(6)得られた前記解ベクトル(x)のうち、所定の帯域を抽出する手段と、
を備える、受信機。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
前記処理装置は、
瞬時信号帯域番号をi、観測される瞬時信号帯域をb

、拡大観測帯域番号をj、拡大観測帯域をβ

としたとき、
前記瞬時信号帯域biの総和がアナログデジタル変換器の独立の情報を持つサンプリング周波数の総和の半分以下の場合に、前記圧縮センシング法により前記無線周波数のスペクトラムを再生し、
前記拡大観測帯域β

の総和が前記アナログデジタル変換器の独立の情報を持つサンプリング周波数の総和の半分以下の場合に、前記最小二乗法により前記無線周波数のスペクトラムを再生する、
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記処理装置は、
データのサンプリングを行う前に、低域通過フィルタと、必要とされる周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタとの少なくとも一方に、前記受信した周波数スペクトラムを通過させる、
請求項1又は2に記載の受信機。
【請求項4】
全てのサンプリング数Nsは互いに素であり、
全ての独立の情報を持つサンプリング周波数の和の半分は受信機で必要とする観測帯域の総和以上である、
請求項1又は2に記載の受信機。
【請求項5】
前記処理装置は、
瞬時信号帯域番号をi、観測される瞬時信号帯域をb

、拡大観測帯域番号をj、拡大観測帯域をβ

としたとき、
前記瞬時信号帯域b

の総和が、受信機の独立変数の数Nivと受信機のスペクトラムの周波数刻み幅との積の総和の半分以下である場合に、圧縮センシング法により前記無線周波数のスペクトラムを再生し、
前記拡大観測帯域β

の総和が、受信機の独立変数の数Nivと受信機のスペクトラムの周波数刻み幅Δfとの積の総和の半分以下である場合に、最小二乗アルゴリズムにより前記無線周波数のスペクトラムを再生する、
請求項1に記載の受信機。
【請求項6】
前記処理装置は、
高速フーリエ変換処理を必要とし、且つ、全てのサンプリング数Nsが互いに素で無い場合に、受信機で必要とする観測帯域の総和に対応する独立変数の数Nivは、並列アナログデジタル変換器の回路数をK、最大公約数を表す関数をgcdとするとき、
JPEG
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24
133
で求められるNivと前記周波数刻み幅の積の半分の値と前記瞬時信号帯域b

の総和と拡大観測帯域β

の総和により、最小二乗アルゴリズム又は圧縮センシング法を選択する、
ことを特徴とする、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記処理装置は、
前記受信した周波数スペクトラムの各帯域の合成前の段階に設置されるスイッチにより必要帯域のみを考慮することによって、前記瞬時信号帯域b

の総和が、受信機の独立変数の数Nivと受信機のスペクトラムの周波数刻み幅との積の総和の半分以下、あるいは拡大観測帯域β

の総和が、受信機の独立変数の数Nivと受信機のスペクトラムの周波数刻み幅Δfとの積の総和の半分以下条件を満足させる、
ことを特徴とする、請求項5記載の受信機。
【請求項8】
アンダーサンプリング受信方式を用いた周波数スペクトラム再生方法において、
受信した周波数スペクトラムを、共通分岐点を介して、K(Kは2以上の自然数)種類のサンプリング周波数を変えてサンプリングした時間軸データから生成する際に、
(1)無線周波数の前記共通分岐点からサンプリング処理を行う回路までの回路の伝達関数特性を予め測定し、
(2)前記K種類のサンプリング周波数でサンプリングし、それぞれを独立にフーリエ変換して、0からナイキスト周波数群までの周波数スペクトラムを得て、1~K個の周波数スペクトラムの周波数刻み幅を等しく設定し、それぞれの周波数スペクトラム要素を結合したベクトル(y)を生成し、
(3)0から受信機の上限周波数まで、あるいは必要観測帯域の周波数で、前記周波数刻み幅の分解能に相当する分解能で与えられた周波数群に対応した周波数と前記ナイキスト周波数群での折り返し周波数に相当する周波数要素と前記ベクトル(y)の要素に対応する行列要素を、予め測定した前記伝達関数特性で前記無線周波数に対応する特性とし、その他の要素をゼロとした係数行列(A)を生成し、
(4)前記ベクトル(y)と前記係数行列(A)を用い、(y)=(A)(x)((x)は解ベクトル)の関係から、圧縮センシング法または最小二乗法により(x)を求め、
(5)前記(4)の解ベクトル(x)の条件として、前記ナイキスト周波数群での折り返しが0又は偶数の場合の解xeとし、同じ所望の周波数帯域群の周波数における、前記ナイキスト周波数群での折り返しが奇数の場合の解xoとしたとき、xoとxeが複素共役である条件を前記(4)の繰り返しアルゴリズム内に実装し、
(6)得られた前記解ベクトル(x)のうち、所定の帯域を抽出する、
周波数スペクトラム再生方法。
【請求項9】
受信した周波数スペクトラムを、共通分岐点を介して、K(Kは2以上の自然数)種類のサンプリング周波数を変えてサンプリングした時間軸データから生成する際に、無線周波数の前記共通分岐点からサンプリング処理を行う回路までの予め測定した回路の伝達関数特性を使用し、アンダーサンプリング受信方式を用いた周波数スペクトラム再生プログラムにおいて、
(1)前記K種類のサンプリング周波数でサンプリングし、それぞれを独立にフーリエ変換して、0からナイキスト周波数群までの周波数スペクトラムを得て、1~K個の周波数スペクトラムの周波数刻み幅を等しく設定し、それぞれの周波数スペクトラム要素を結合したベクトル(y)を生成し、
(2)0から受信機の上限周波数まで、あるいは必要観測帯域の周波数で、前記周波数刻み幅の分解能に相当する分解能で与えられた周波数群に対応した周波数と前記ナイキスト周波数群での折り返し周波数に相当する周波数要素と前記ベクトル(y)の要素に対応する行列要素を、予め測定した前記伝達関数特性で前記無線周波数に対応する特性とし、その他の要素をゼロとした係数行列(A)を生成し、
(3)前記ベクトル(y)と前記係数行列(A)を用い、(y)=(A)(x)((x)は解ベクトル)の関係から、圧縮センシング法または最小二乗法により(x)を求め、
(4)前記(3)の解ベクトル(x)の条件として、前記ナイキスト周波数群での折り返しが0又は偶数の場合の解xeとし、同じ所望の周波数帯域群の周波数における、前記ナイキスト周波数群での折り返しが奇数の場合の解xoとしたとき、xoとxeが複素共役である条件を前記(3)の繰り返しアルゴリズム内に実装し、
(5)得られた解ベクトル(x)のうち、所定の帯域を抽出する、
処理をコンピュータに実行させる、周波数スペクトラム再生プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する技術は、受信機,周波数スペクトラム再生方法及び周波数スペクトラム再生プログラムに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ダイレクトRadio Frequency(RF)アンダーサンプリング技術は、比較的低周波のサンプリングでRF信号を捉えることができるため、高周波回路のデジタル化に必須な技術である。しかし、アンダーサンプリングの性質上、スペクトラムの折り返しが発生し、RF信号の特定には特殊な方法が必要である。そのため、ダイレクトRFアンダーサンプリング技術を用いたRFスペクトラム再生方法が、種々提案されている。
【0003】
RFスペクトラム再生方法として、Analog-Digital Converter(ADC)のサンプリン周波数を選定し必要な帯域のスペクトラムが復元される技術がある。この手法では、各観測帯域の帯域通過フィルタ(Band Pass Filter;BPF)を配置し、折り返し雑音や帯域外妨害波の除去が行われている。また、RFアンダーサンプリングされたデータからFast Fourier Transform(FFT)により必要な観測帯域の周波数スペクトラムが得られる。
【0004】
他のRFスペクトラム再生方法として、受信信号が複数並列に接続されたサンプリング周波数の異なるADCによりサンプリングされ、圧縮センシングアルゴリズムにより、元のRFスペクトラムが再生される技術も存在する。この技術でのRFスペクトラム再生アルゴリズムにおいて、アンダーサンプリングで得られたスペクトラム(以下、「アンダーサンプリングスペクトラム」と称す場合がある。)は、元のRFスペクトラムの折り返しを加算したものである。この圧縮センシングアルゴリズムでは、受信したRF信号に対して、トップフィルタを通過させてスペクトラム再生が行われてよい(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、受信したRF信号に対して、トップフィルタを通過させずにスペクトラム再生を行う最小二乗アルゴリズムも提案されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-106340号公報
【非特許文献】
【0007】
芝隆司,亀田卓,末松憲治「折り返し雑音除去用トップフィルタを用いないダイレクトRFアンダーサンプリング方式の提案」IEICE Technical Report、2021年10月28日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来例におけるRFスペクトラム再生方法では、受信したRF信号の特性を正確に捉えることができず、各周波数帯域におけるADCへの信号入力の際に誤差が生じるおそれがあることがわかった。
【0009】
本発明者らはこの原因を鋭意検討した結果、これは、特許文献1の図4や、非特許文献の図3に示されるように、従来の信号処理では、結合行列要素を1としていたため、特に、高周波においては、受信したRF信号の特性を正確に表すことができていなかったためであることがわかった。
【0010】
1つの側面では、本明細書に記載する技術は、低雑音のスペクトラム再生処理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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