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公開番号
2024095271
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2022212437
出願日
2022-12-28
発明の名称
小胞体ストレス抑制剤
出願人
フジッコ株式会社
,
国立大学法人静岡大学
,
株式会社シャンピニオン
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
A61K
31/704 20060101AFI20240703BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】小胞体ストレスを原因とする疾患又はその病態の改善、特に当該疾患の発症予防又はその病態の進行抑制に有効に使用することができる新たな物質、及びその用途を提供する。
【解決手段】本発明の小胞体ストレス抑制剤はエリナシンA、またはそれを含むヤマブシタケ菌糸体、若しくはエリナシンAを含有するヤマブシタケ菌糸体処理物を有効成分とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エリナシンAを有効成分とする小胞体ストレス抑制剤。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
エリナシンAがヤマブシタケ菌糸体に由来する、請求項1に記載する小胞体ストレス抑制剤。
【請求項3】
ヤマブシタケ菌糸体、又はエリナシンAを含有するヤマブシタケ菌糸体処理物を含有する、請求項1に記載する小胞体ストレス抑制剤。
【請求項4】
前記小胞体ストレス抑制剤が、小胞体ストレス保護剤、及び/又はアミロイドβ凝集沈着抑制剤である、請求項1又は3に記載する小胞体ストレス抑制剤。
【請求項5】
経口医薬品、経口医薬部外品、又は飲食物である、請求項1又は3に記載する小胞体ストレス抑制剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は小胞体ストレス抑制剤に関する。また本発明は、ヤマブシタケ菌糸体の新規用途への有効活用に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
総務省統計局によると、日本の総人口(2022年推計)は前年に比べて82万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3627万人と、前年(3621万人)に比べ6万人増加し、過去最多となっている(非特許文献1)。一方、65歳以上の高齢者のうち、認知症罹患高齢者は今後も増加していくと推計されており、2025年には約700万人もの高齢者が認知症罹患高齢者であると推計されている(非特許文献2)。認知症問題は、高齢化が進む日本で早急な対策を要する社会的な課題であるといえる。
【0003】
認知症に関連する代表的な疾患としてアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症が挙げられる。その中で最も高い割合を占めるのがアルツハイマー型認知症であり、本人の気づかないうちに徐々に症状が進行することが特徴である。認知症は、一旦発症して症状が進行すると完治が難しくなるため、軽度の段階において、神経細胞死を防いだり、症状を緩和したりすることが重要である(非特許文献3)。またアルツハイマー型認知症は、その原因として、神経成長因子(Nerve Growth Factor:NGF)の不足やNGFの前駆体型(proNGF)から成熟型(mNGF)への変換不良による機能不全のニューロンの産生に加えて、アミロイドβペプチドの小胞体ストレスが知られている。アミロイドβペプチドはNGFのproNGFからmNGFへの変換を阻害することや、NGFがアミロイドβペプチドの生成を減らすことができることも知られている(非特許文献4)。このため、NGFの産生やNGFのproNGFからmNGFへの変換を促進するだけでは十分でなく、さらにアミロイドβペプチドによる小胞体ストレスから神経細胞を保護すること、アミロイドβペプチドによるNGFのproNGFからmNGFへの変換阻害を抑制することが、アルツハイマー型認知症の発症予防や進行抑制には効果的であると考えられる。
【0004】
NGFの産生を誘導する物質としては、ヤマブシタケの子実体に含まれているベンジルアルコール誘導体(特許文献1)、及びクロマン誘導体(特許文献2)、並びにヤマブシタケの菌糸体に含まれているシアタン誘導体(特許文献3~5)が知られている。また、小胞体ストレスを抑制する物質として、ヤマブシタケの子実体(キノコ)の脂溶性抽出物が知られている(特許文献6及び7、非特許文献5)。
【0005】
しかしながら、ヤマブシタケの子実体(キノコ)の栽培は、光、温度、湿度の制御が必要であり技術的に困難であることに加え、大量生産には不向きである。そこで、主に温度制御のみを必要とする菌糸体の培養が試みられてきた(非特許文献6)。ヤマブシタケ菌糸体抽出物にはNGF産生を誘導する効果があるエリナシン類が含まれることが知られており(非特許文献7~10)、in vitroで現在知られている活性物質の中で最も強力なものに位置づけられる。
【0006】
また、認知症の治療薬としては、脳神経伝達物質の一つであるアセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害し、アセチルコリンの濃度を高めることで認知機能を改善するドネペジル塩酸塩や、脳内のNMDA受容体(N-メチル-D-アスパラギン酸受容体)拮抗作用によって過剰なカルシウムイオンの脳神経細胞への流入を防ぎ、神経細胞の損傷を防ぐメマンチン塩酸塩などが挙げられる。これら従来の医薬品は、抗認知症効果を有するが、メマンチン塩酸塩を有効成分とする医薬品の処方・服用は中程度~重度のアルツハイマー病患者に限られており、軽度のアルツハイマー病患者は適用外である。さらに、これらの医薬品には興奮作用やめまい、幻覚・妄想等の副作用がある為、必ずしも十分な解決策とはなっていない。
【0007】
一方で、食品由来の有効性成分を含有する抗認知機能飲食品は、食経験のある素材で構成されていることから、軽度の認知症患者も摂取することができ、医薬品のような副作用は少ない。治療を受けることのできない軽度のアルツハイマー病患者に対し、さらに優れた抗認知症効果が得られる食品が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平4-266848号公報
特開平4-275285号公報
特開平6-256352号公報
特開平7-069961号公報
特開平7-070168号公報
特開2003-212790号公報
特開2009-269911号公報
【非特許文献】
【0009】
人口推計,総務省統計局
日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学二宮教授)
日臨麻会誌,Vol.28, No.4, 526-534, Jul.2008
Chang Yang, Yuli Liu, Xiuqin Ni, Ning Li, Baohui Zhang, Xiubin Fang, Enhancement of the nonamyloidogenic pathway by exogenous NGF in an Alzheimer transgenic mouse model. Neuropeptides. 2014 Aug;48(4):233-8.
Ueda, K., Tsujimori, M., Kodani S., Chiba, A., Kubo, M., Masuno, K., Sekiya, A., Nagai, K. and Kawagishi, H.(2008). An endoplasmic reticulum (ER) stress-suppressive compound and its analogues from the mushroom Hericium erinaceum. Bioorg Med Chem, 16(21), 9467-70.
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、小胞体ストレス抑制効果を発揮することで、小胞体ストレスを原因とする疾患又はその病態の改善、特に当該疾患の発症予防又はその病態の進行抑制に有効に使用することができる新たな物質、及びその用途を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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