TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024094651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211328
出願日2022-12-28
発明の名称人工涙液型点眼剤組成物
出願人佐賀製薬株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類A61K 9/08 20060101AFI20240703BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】清涼感を有する、保湿効果に優れた人工涙液型点眼剤を提供する。
【解決手段】人工涙液型点眼剤組成物は、(A)無機塩類、(B)粘稠剤、(C)アミノ酸類、(D)エタノール、及び(E)清涼化剤を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)無機塩類、(B)粘稠剤、(C)アミノ酸類、(D)エタノール、及び(E)清涼化剤を含有する人工涙液型点眼剤組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
(A)の無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及びリン酸水素ナトリウムからなる群より選択される一種以上である、請求項1に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項3】
(B)の粘稠剤が、セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物、ポリエチレングリコール、デキストラン、及びそれらの塩、ならびにブドウ糖からなる群より選択される一種以上である、請求項1又は2に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項4】
(B)の粘稠剤が、ヒロドキシプロピルメチルセルロース及びブドウ糖である、請求項1~3のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項5】
(C)成分のアミノ酸類が、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)、及びタウリンからなる群より選択される一種以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項6】
(A)成分の無機塩類の配合量は、人工涙液型組成物の総量に対し、塩化ナトリウムが0.05~2(w/v)%、塩化カリウムが0.05~1(w/v)%、塩化カルシウムが0~0.5(w/v)%、硫酸マグネシウムが0~0.1(w/v)%、リン酸水素ナトリウムが0.05~0.8(w/v)%、であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項7】
(B)成分の粘稠剤がヒロドキシプロピルメチルセルロースであり、(C)成分のアミノ酸類がタウリンであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項8】
タウリン1重量部に対して、ヒロドキシプロピルメチルセルロースが0.3~3重量部であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項9】
人工涙液型点眼剤組成物の総量に対し、(D)成分のエタノールを0.1~5(v/v)%、(E)成分の清涼化剤を0.004~0.05(w/v)%含有し、該清涼化剤に対する該エタノールの比率(清涼化剤/エタノール×100)が1~10(w/v)%であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項10】
清涼化剤が、メントール、ボルネオ―ル、クロロブタノール、及びカンフルからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の人工涙液型点眼剤組成物
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノール及び清涼化剤を含有し、人工涙液としての効果に優れ、更に保湿性にも優れた人工涙液型点眼剤組成物を提供する。さらに詳しくは、本発明は、清涼化剤としてメントール、カンフル、ボルネオ―ル、クロロブタノール等を含有し、人の涙の組成に近く、溶解剤としてエタノールを含有し、界面活性剤を含有しない、例えば目のかわき(ドライアイ)に効果的な水分蒸発を抑えた人工涙液型点眼剤組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、人工涙液は、目の疲れ、涙液の補助(目のかわき)、ハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズを装着しているときの不快感、目のかすみ(目やにの多いときなど)の効能効果を目的とした製剤である。このため人工涙液には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類及びタウリン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのアミノ酸類を主薬成分として配合し、これにアスパラギン酸塩類やポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ブドウ糖などの粘稠剤などを佐薬成分として配合して作製される(非特許文献3)。
【0003】
人工涙液には、点眼したときに清涼感を持たせるためにメントール、カンフル、ボルネオ―ル等のテルペン系の化合物及びクロロブタノール等を清涼化剤として配合することが行われる。これらの清涼化剤はいずれも人工涙液の溶剤である水にはほとんど溶解しないため、溶解剤として界面活性剤、例えばポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリソルベート80などの非イオン性界面活性剤なども配合されている。
しかしながら通常点眼剤に使用される界面活性剤は合成の界面活性剤であるため、目の角膜などに対する刺激性が報告され、界面活性剤がソフトコンタクトレンズ装用者に見られる角膜障害の原因になることが報告されている(非特許文献1)。また、界面活性剤がソフトコンタクトレンズに取り込まれて角膜障害の原因の一つになるとの報告が示されている(非特許文献2)。また、界面活性剤を使用すると粘稠性があるためべたつきがあり使用感が悪くなることも問題となっている。
従って、界面活性剤を使用しないで清涼化剤を配合した人工涙液が求められている。
【0004】
また、人工涙液型の点眼剤は、浸透圧比を0.85~1.55、またpHを5.5~8.0、にすることが規定されている(非特許文献3)。これは人工涙液が、安全性の点から物理的、化学的性状を目の生理的状態に近づけることが必要とされているためである。人の涙液は、-52℃で0.9%の食塩水溶液に相当することが報告され、点眼剤を等張にするための必要な成分の量は、各成分について計算された食塩価〔ある成分の一定量(1g)と同等の浸透圧を示す塩化ナトリウムの量(g数):食塩当量〕を用いて、以下のとおり計算される:
点眼剤を等張にするための必要な成分の量:X=0.9-(各成分の食塩価)×(100mL中の各成分のg数)。
従って、食塩価の大きい成分を配合した場合、浸透圧の観点からその配合量は少ない量に制限され、有効成分等、その他の成分の配合が制限されることになる。
【0005】
また、ソフトコンタクトレンズ適用の人工涙液は、ハードコンタクトレンズと違い、タイプI、II、III、IV及びハイドロゲルレンズ等への適合性試験及び有効成分並びに清涼化剤等の添加剤のレンズへの吸着試験が義務づけられている。従って、ソフトコンタクトレンズ適用の人工涙液は、ソフトコンタクトレンズとの適合性試験及びソフトコンタクトレンズへの人工涙液成分の吸着がないことを示す試験に適合する必要がある(非特許文献5)。このため、ソフトコンタクトレンズ適用の人工涙液は、界面活性剤を配合することで、ソフトコンタクトレンズへの適合性をクリアするための特許が多数出願されている(特許文献1~6)。
【0006】
特にソフトコンタクトレンズ適用人工涙液型点眼剤の場合、人の涙液の成分に合わせるため無機成分が主な有効成分として配合される。しかし、無機成分はいずれも食塩価が高いため、特にホウ酸とホウ砂のような食塩価の高い緩衝剤を使用すると浸透圧が高くなりすぎ、人の涙に近い無機イオン組成にすることは困難であった。点眼剤のpHを安定に維持するためにリン酸水素ナトリウムをリン酸二水素ナトリウムなどと組み合わせて、リン酸緩衝液として用いる例があるが、これはホウ酸とホウ砂の緩衝剤でみられた食塩価の問題があることに加えて、リン酸イオンが多くなりすぎることにより人の涙液の組成に近づけることができないといった問題があった。これを解決した特許として、本発明者らはホウ酸及びホウ砂を配合しないソフトコンタクトレンズ適用人工涙液を出願している(特許文献7)。
【0007】
しかしながら、この特許文献7の製剤においては無機成分及びアミノ酸類の組成及び組成比を人の涙に合わせることが目的であり、使用時の清涼感を持たせるために通常配合されるメントール、カンフル等の清涼化剤を配合することは、これらの清涼化剤を配合するためには通常界面活性剤を溶解剤として配合する必要があるため、界面活性剤の目に対する安全性或いは、点眼後の界面活性剤の残渣を目に残さない等の観点から清涼化剤を配合することはできなかった。
【0008】
なお、人工涙液に清涼感を持たせるために、清涼化剤を配合した製品が開発されたり、特許が出願されたりしている(特許文献1~7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平11-130667号公報
特開平11-180858号公報
特開2001-122774号公報
特開2001-192333号公報
特開2002-322048号公報
特開2003-279906号公報
特開2001-139493号公報
【非特許文献】
【0010】
水谷聡ら:第38回日本コンタクトレンズ学会“界面活性剤による眼障害” 日コレ誌,38,82-85,1996
伊藤孝雄ら:第33回日コレ学会“含水性ソフトコンタクトレンズへの界面活性剤の取り込みに関する研究” 日コレ誌,32,120-125,1990
医薬品製造販売指針 別冊 一般用医薬品 製造販売承認基準 2012 「7.眼科用薬」93-104 (配合ルール)
高野正彦:今日の皮膚外用剤「表6-46.症例1におけるアルコールと関連物質のパッチテスト結果」242頁,1984年4月10日,第1版第3刷,南山堂,東京
医薬審第645号 2021年12月28年まで「二、ソフトコンタクトレンズの製造(輸入)承認申請書の記載および申請に際し添付すべき資料の取扱いについて」
一般用医薬品集 2022「人工涙液」839~845頁,2022年,一般財団法人 日本医薬情報センター編集・発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

佐賀製薬株式会社
人工涙液型点眼剤組成物
29日前
佐賀製薬株式会社
人工涙液型点眼剤組成物
11か月前
個人
健康器具
3か月前
個人
歯茎みが品
4か月前
個人
鼾防止用具
3か月前
個人
白内障治療法
3か月前
個人
マッサージ機
4か月前
個人
脈波測定方法
3か月前
個人
導電香
4か月前
個人
洗井間専家。
2か月前
個人
脈波測定方法
3か月前
個人
塗り薬塗り具
6か月前
個人
健康器具
6か月前
個人
収納容器
5か月前
個人
片足歩行支援具
4か月前
個人
ホバーアイロン
2か月前
個人
クリップ
4か月前
個人
矯正椅子
15日前
個人
眼科診療車
5か月前
個人
シャンプー
1か月前
個人
車椅子持ち上げ器
3か月前
個人
歯の保護用シール
15日前
三生医薬株式会社
錠剤
2か月前
個人
口内洗浄具
3か月前
株式会社結心
手袋
3か月前
株式会社コーセー
化粧料
4か月前
個人
服薬支援装置
2か月前
個人
避難困難者救出台車
5か月前
株式会社コーセー
美爪料
4か月前
株式会社 MTG
浴用剤
4か月前
株式会社八光
剥離吸引管
10日前
個人
除菌システム
4か月前
個人
尿バッグカバー
4か月前
株式会社ファンケル
化粧料
3か月前
個人
歯列矯正用器具
3か月前
株式会社ファンケル
化粧料
6か月前
続きを見る