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公開番号
2025076107
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023187845
出願日
2023-11-01
発明の名称
人工涙液型点眼剤組成物
出願人
佐賀製薬株式会社
代理人
弁理士法人 津国
主分類
A61K
9/08 20060101AFI20250508BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】人の涙液の組成に類似した、水分の蒸発を抑えた、且つ水分の蒸発後の残渣が少ない人工涙液型点眼剤を提供する。
【解決手段】緩衝剤としてホウ酸及びホウ砂を含有しない、(A)無機塩類、(B)粘稠剤、ならびに(C)アミノ酸類としてタウリン及び/又はコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含有する人工涙液型点眼剤組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
緩衝剤としてホウ酸及びホウ砂を含有しない、(A)無機塩類、(B)粘稠剤、ならびに(C)アミノ酸類としてタウリン及び/又はコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含有する人工涙液型点眼剤組成物。
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【請求項2】
(A)の無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、及びリン酸水素ナトリウムからなる群より選択される一種以上である、請求項1に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項3】
清涼化剤、界面活性剤及びセルロース類を含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項4】
(C)のアミノ酸類として、さらに、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、及びアスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)からなる群より選択される一種以上を含有する請求項1~3のいずれかに記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項5】
(A)の無機塩類として、塩化ナトリウムを0.05~2(w/v)%、塩化カリウムを0.05~1(w/v)%、塩化カルシウムを0~0.5(w/v)%、硫酸マグネシウムを0~0.1(w/v)%、炭酸ナトリウムを0.01~0.05(w/v)%、リン酸水素ナトリウムを0.05~0.8(w/v)%、粘稠剤としてブドウ糖を0.003~0.1(w/v)%、前記(C)のアミノ酸類を0.05~1(w/v)%含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項6】
(A)の無機塩類は、塩化ナトリウムが0.05~1(w/v)%、塩化カリウムが0.05~1(w/v)%、塩化カルシウムが0~0.5(w/v)%、硫酸マグネシウムが0~0.1(w/v)%、炭酸ナトリウムが0.01~0.05(w/v)%、リン酸水素ナトリウムが0.05~0.8(w/v)%、粘稠剤としてはブドウ糖を0.005~0.05(w/v)%、前記(C)のアミノ酸類としてアスパラギン酸塩類を0.01~1(w/v)%、タウリンを0.05~1(w/v)%、及びコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを0~0.5(w/v)%含有することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の人工涙液型点眼剤組成物。
【請求項7】
タウリンを0.05~1(w/v)%及びコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを0~0.2(w/v)%を含有する請求項1~6のいずれか一項に記載の人工涙液型点眼剤組成物であって、タウリンの配合量がコンドロイチン硫酸エステルナトリウムの配合量の2倍以上であることを特徴とする人工涙液型点眼剤組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機塩類を含有し、更に、粘稠剤、タウリン及び/又はコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含有する、人工涙液としての効果に優れ、更に保湿性にも優れた人工涙液型点眼剤組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、通常人工涙液に配合されているメントール、カンフル、ボルネオール、若しくはクロロブタノール等の清涼化剤、脂溶性成分の溶解剤として配合されるポリソルベート80若しくはポリオキシエチレン硬化ひまし油などの界面活性剤、又は保湿の目的で配合されるヒプロメロース、メチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム、若しくはリピジュアなどの高分子化合物を含有しなくてもよい、人の涙液に類似した目の安全性に考慮した人工涙液に関するものである。
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【背景技術】
【0002】
従来、人工涙液は、目の疲れ、涙液の補助(目のかわき)、ハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズを装着しているときの不快感、目のかすみ(目やにの多いときなど)の効能効果を目的とした製剤である。このため人工涙液には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物などの無機塩類及びタウリン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのアミノ酸類を主薬成分として配合し、これにアスパラギン酸塩類やポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ブドウ糖などの粘稠剤などを佐薬成分として配合して作製される(非特許文献3)。ソフトコンタクトレンズ適用人工涙液に清涼化剤を配合したものが市販されているが、人の涙液に近い無機塩組成の人工涙液にタウリン或いはコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを配合した人工涙液はない(非特許文献6)。
【0003】
通常、人工涙液を点眼したときに清涼感を持たせるためにメントール、カンフル、ボルネオール等のテルペン系の化合物及びクロロブタノール等を清涼化剤として配合することが行われる。しかしこれらの清涼化剤を配合すると、清涼感は得られるものの、反面、目に対して刺激を与え、角膜への影響が懸念される。また清涼化剤は水に溶解しないため、通常界面活性剤などの溶解剤に溶解して配合される。しかしながら、人工涙液で配合される界面活性剤は合成の界面活性剤であるため、目の角膜などに対する刺激性が報告され、界面活性剤がソフトコンタクトレンズ装用者に見られる角膜障害の原因になることが報告されている(非特許文献1)。また、界面活性剤がソフトコンタクトレンズに取り込まれて角膜障害の原因の一つになるとの報告も示されている(非特許文献2)。
従って、目に対して刺激性のある清涼化剤や界面活性剤を配合しない人工涙液が求められている。
【0004】
また、人工涙液型の点眼剤は、浸透圧比を0.85~1.55、またpHを5.5~8.0にすることが規定されている(非特許文献3)。これは人工涙液が、安全性の点から物理的、化学的性状を目の生理的状態に近づけることが必要とされているためである。人の涙液は、-52℃で0.9%の食塩水溶液に相当することが報告され、点眼剤を等張にするための必要な成分の量は、各成分について計算された食塩価〔ある成分の一定量(1g)と同等の浸透圧を示す塩化ナトリウムの量(g数):食塩当量〕を用いて、以下のとおり計算される:
点眼剤を等張にするための必要な成分の量:X=0.9-(各成分の食塩価)×(100mL中の各成分のg数)。
従って、食塩価の大きい成分を配合した場合、浸透圧の観点からその配合量は少ない量に制限され、有効成分等、その他の成分の配合が制限されることになる。
【0005】
また、ソフトコンタクトレンズ適用の人工涙液は、ソフトコンタクトレンズとの適合性試験及びソフトコンタクトレンズへの人工涙液成分の吸着がないことを示す試験に適合する必要がある(非特許文献5)。このため、ソフトコンタクトレンズ適用の人工涙液は、界面活性剤を配合することで、ソフトコンタクトレンズへの適合性をクリアするための特許が多数出願されている(特許文献1~6)。
【0006】
特にソフトコンタクトレンズ適用人工涙液型点眼剤の場合、人の涙液の成分に合わせるため無機成分が主な有効成分として配合される。しかし、無機成分はいずれも食塩価が高いため、特にホウ酸とホウ砂のような食塩価の高い緩衝剤を使用すると浸透圧が高くなりすぎ、人の涙液に近い無機イオン組成にすることは困難であった。点眼剤のpHを安定に維持するためにリン酸水素ナトリウム水和物をリン酸二水素ナトリウムなどと組み合わせて、リン酸緩衝液として用いる例があるが、これはホウ酸とホウ砂の緩衝剤でみられた食塩価の問題があることに加えて、リン酸イオンが多くなりすぎることにより人の涙液の組成に近づけることができないといった問題があった。これを解決した特許として、本発明者らはホウ酸及びホウ砂を配合しないソフトコンタクトレンズ適用人工涙液を出願している(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特願平11-130667号公報
特願平11-180858号公報
特開2001-122774号公報
特開2001-192333号公報
特開2002-322048号公報
特開2003-279906号公報
特開2001-139493号公報
【非特許文献】
【0008】
水谷聡ら:第38回日本コンタクトレンズ学会“界面活性剤による眼障害” 日コレ誌,38,82-85,1996
伊藤孝雄ら:第33回日コレ学会“含水性ソフトコンタクトレンズへの界面活性剤の取り込みに関する研究” 日コレ誌,32,120-125,1990
医薬品製造販売指針 別冊 一般用医薬品 製造販売承認基準 2012 「7.眼科用薬」93-104 (配合ルール)
小川葉子:“D 涙液の正常と異常”、「Ocular Surfaceの診断と治療:ドライアイ」(監修小口芳久、編集坪田一男)24~30頁、1993年10月、メディカル葵出版、東京
医薬審第645号 2021年12月28年まで「二、ソフトコンタクトレンズの製造(輸入)承認申請書の記載および申請に際し添付すべき資料の取扱いについて」
一般用医薬品集 2022「人工涙液」839~845頁,2022年,一般財団法人 日本医薬情報センター編集・発行
山田昌和ら:“角結膜表面よりの水分蒸発量の測定” 日眼会誌,94巻11号,1061-1067,1990
Gilbard JP, Farris RLら:”Osmolarity of tear microvolumes in keratoconjunctivitis sicca”, Arch Opthalmol, 96(4): 677-81, 1978
エスハイ実験室-第8回 沸点の測定-海と山編<URL:https://www.hakko.co.jp/expe/eshb/eshb0804.htm>
第18改正日本薬局方、保存効力試験法、参考情報、2594-2596頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
安全性の高い人工涙液としては、(i)人の涙液に含まれる成分及び組成を有すること、(ii)目の涙液、角膜等に存在する成分が配合されていること、(iii)清涼化剤、界面活性剤、セルロース類の配合の必要がないこと、(iv)ホウ酸、ホウ砂などの細胞毒性のある成分の配合の必要性がないこと、(v)pH及び浸透圧比が人の涙液に合わせられていることが好ましい。
【0010】
特許文献7の製剤においては無機成分及びアミノ酸類の組成及び組成比を人の涙液に合わせることが目的であり、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒプロメロースなどの保湿性のある粘稠剤を配合していないため、目のかわき(ドライアイ)の効果が十分とは言えなかった。
しかし、人工涙液の目的である目のかわき(ドライアイ)を防ぐため、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系化合物、ヒアルロン酸ナトリウム、ポビドン、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体などの高分子化合物を配合しても、今度は使用感の点で十分とは言えない問題が出てきた。また、界面活性剤も、前述の眼の角膜などに対する刺激性に加えて、粘稠性があるため、べたつきがあり、同様に使用感が悪くなるという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)
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