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公開番号2024093310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209606
出願日2022-12-27
発明の名称歯磨組成物
出願人ライオン株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類A61K 8/19 20060101AFI20240702BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】口腔粘膜の刺激を伴わない高い収斂感を有する歯磨組成物を提供する。
【解決手段】(A)口腔粘膜に対して収斂作用がある成分と、(B)酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の金属酸化物とを含有する歯磨組成物。更に、(C)ノニオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤、及び/又は(D)キサンタンガムを含有する上記歯磨組成物。また更に、(E)冷感剤を含有する上記歯磨組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（Ａ）口腔粘膜に対して収斂作用がある成分と、
（Ｂ）酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウムから選ばれる１種以上の金属酸化物と
を含有する歯磨組成物。
続きを表示（約 650 文字）【請求項２】
（Ａ）成分が、水溶性金属塩である請求項１記載の歯磨組成物。
【請求項３】
（Ａ）成分が、水溶性のアルカリ金属塩である請求項２記載の歯磨組成物。
【請求項４】
（Ａ）成分が、硝酸カリウム、塩化ナトリウム及び重曹から選ばれる１種以上である請求項３記載の歯磨組成物。
【請求項５】
（Ａ）成分が、乳酸アルミニウム、フッ化第一スズ及びグルコン酸銅から選ばれる１種以上の水溶性金属塩である請求項１又は２記載の歯磨組成物。
【請求項６】
（Ａ）成分と（Ｂ）成分との量比を示す（Ａ）／（Ｂ）が、質量比として０．００２～５００である請求項１又は２記載の歯磨組成物。
【請求項７】
（Ｂ）成分の含有量が０．１～５質量％である請求項１又は２記載の歯磨組成物。
【請求項８】
更に、（Ｃ）ノニオン性界面活性剤及び／又は両性界面活性剤を含有する請求項１記載の歯磨組成物。
【請求項９】
（Ｃ）成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる１種以上の界面活性剤である請求項８記載の歯磨組成物。
【請求項１０】
（Ｃ）成分の含有量が０．１～５質量％である請求項８又は９記載の歯磨組成物。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、口腔粘膜の刺激を伴わない高い収斂感を有する歯磨組成物に関する。
続きを表示（約 3,300 文字）【背景技術】
【０００２】
歯磨組成物には、種々の機能成分が有効成分として配合されている。例えば、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム、フッ化スズは知覚過敏予防、塩化ナトリウムや重曹は歯肉炎予防の目的で配合されている。これらの機能は、歯肉、特に歯周ポケットのような歯と歯茎の境で働くことが多く、これら成分自身が収斂性をもっているものである場合、歯磨きして使用中の歯茎の収斂感は、効果実感として好ましいものである。しかしながら、これら有効成分の収斂感はそれほど強いものではないことが多く、このため、満足度を高めるためにはこれらの効果実感を高めることが期待される収斂感の改善が課題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００３－１８３１４２号公報
国際公開第２００６／０６８０１１号
特開２０００－３７１８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔粘膜の刺激を伴わない高い収斂感を有する歯磨組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、口腔粘膜に対して収斂作用がある成分に、特定の金属酸化物を併用して歯磨組成物に配合すると、口腔粘膜の刺激を伴うことなく、収斂感を増強させて向上できることを知見した。即ち、本発明によれば、（Ａ）口腔粘膜に対して収斂作用がある成分と、（Ｂ）酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウムから選ばれる１種以上の金属酸化物とを含有する歯磨組成物が、口腔粘膜の刺激を伴わない高い収斂感を有することを知見し、本発明をなすに至った。
【０００６】
従来、歯磨組成物等の口腔用組成物には、製剤外観の白色化のための酸化チタンが広く使用され、また、歯牙の白色化や美白のため二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が応用されている（特許文献１～３：特開２００３－１８３１４２号公報、国際公開第２００６／０６８０１１号、特開２０００－３７１８６号公報）が、これら金属酸化物の収斂感は十分とはいえないものであった。これに対して、本発明では、（Ｂ）成分を（Ａ）成分に併用することによって、両成分が相乗的に作用し、これにより、歯磨き中の口腔粘膜への収斂感を顕著に増強させることができた。なお、一般に収斂感は粘膜への刺激を伴うことが多い傾向にあるが、（Ｂ）成分による収斂感の向上には刺激の増加は伴わず、（Ａ）及び（Ｂ）成分の併用系によって、口腔粘膜の刺激を感じさせることなく高い収斂感を与えることができた。
本発明の作用効果は、（Ａ）及び（Ｂ）成分の併用系に特異なものである。後述の比較例に示すように、（Ａ）成分を含有しても（Ｂ）成分を欠くと、歯磨き中の収斂感が低く（比較例１～３）、また、（Ｂ）成分単独では、歯磨き中の収斂感が低い（比較例４）ものであった。これに対して、実施例に示すように、本発明の（Ａ）及び（Ｂ）成分を含有する歯磨組成物は、歯磨き中の収斂感に優れ、刺激についても良好であった。
【０００７】
従って、本発明は、下記の歯磨組成物を提供する。
［１］
（Ａ）口腔粘膜に対して収斂作用がある成分と、
（Ｂ）酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウムから選ばれる１種以上の金属酸化物と
を含有する歯磨組成物。
［２］
（Ａ）成分が、水溶性金属塩である［１］記載の歯磨組成物。
［３］
（Ａ）成分が、水溶性のアルカリ金属塩である［２］記載の歯磨組成物。
［４］
（Ａ）成分が、硝酸カリウム、塩化ナトリウム及び重曹から選ばれる１種以上である［３］記載の歯磨組成物。
［５］
（Ａ）成分が、乳酸アルミニウム、フッ化第一スズ及びグルコン酸銅から選ばれる１種以上の水溶性金属塩である［１］又は［２］記載の歯磨組成物。
［６］
（Ａ）成分と（Ｂ）成分との量比を示す（Ａ）／（Ｂ）が、質量比として０．００２～５００である［１］～［５］のいずれかに記載の歯磨組成物。
［７］
（Ｂ）成分の含有量が０．１～５質量％である［１］～［６］のいずれかに記載の歯磨組成物。
［８］
更に、（Ｃ）ノニオン性界面活性剤及び／又は両性界面活性剤を含有する［１］～［７］のいずれかに記載の歯磨組成物。
［９］
（Ｃ）成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる１種以上の界面活性剤である［８］記載の歯磨組成物。
［１０］
（Ｃ）成分の含有量が０．１～５質量％である［８］又は［９］記載の歯磨組成物。
［１１］
更に、（Ｄ）キサンタンガムを含有する［１］～［１０］のいずれかに記載の歯磨組成物。
［１２］
（Ｄ）成分の含有量が０．１～５質量％である［１１］記載の歯磨組成物。
［１３］
更に、（Ｅ）冷感剤を含有する［１］～［１２］のいずれかに記載の歯磨組成物。
［１４］
（Ｅ）冷感剤が、Ｎ－（４－シアノメチルフェニル）－ｐ－メンタンカルボキサミド、２－（４－メチルフェノキシ）－Ｎ－（１Ｈ－ピラゾール－３－イル）－Ｎ－（２－チエニルメチル）アセトアミド、Ｎ－（２－ヒドロキシ－２－フェニルエチル）－２－イソプロピル－５，５－ジメチルシクロヘキサン－１－カルボキサミド、Ｎ－エチル－ｐ－メンタン－３－カルボキサミド、エチル－３－（ｐ－メンタン－カルボキサミド）アセテート、Ｎ－（２－（ピリジン－２－イル）－３－ｐ－メンタンカルボキサミド）、イソプレゴール、Ｌ－メンチル－３－（Ｓ）－ヒドロキシブチレート、２－イソプロピル－Ｎ，２，３－トリメチルブチルアミド、メントングリセロールアセタール、メントキシプロパン－１，２－ジオール、乳酸メンチル、酢酸メンチル及びコハク酸モノメンチルから選ばれる１種以上である［１３］記載の歯磨組成物。
［１５］
（Ｅ）成分の含有量が０．００００１～０．０１質量％である［１３］又は［１４］記載の歯磨組成物。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、口腔粘膜の刺激を伴わない高い収斂感を有する歯磨組成物を提供できる。この歯磨組成物は、（Ａ）成分の薬効（知覚過敏予防又は抑制効果、歯肉炎予防又は抑制効果等）を有すると共に、収斂感によって高い効果実感を与え、知覚過敏、歯肉炎等の歯周疾患の予防又は抑制用として有効である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の歯磨組成物は、（Ａ）口腔粘膜に対して収斂作用がある成分と、（Ｂ）酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウムから選ばれる１種以上の金属酸化物とを含有する。
【００１０】
（Ａ）口腔粘膜に対して収斂作用がある成分としては、口腔用として使用し得る収斂性のある水溶性金属塩を用いることができる。これらは、物質種によって各種薬効を奏し、例えば、知覚過敏、歯肉炎等の予防又は抑制効果を有する。
上記水溶性金属塩としては、例えば、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、重曹（炭酸水素ナトリウム）等の水溶性のアルカリ金属塩や、乳酸アルミニウム、フッ化第一スズ、グルコン酸銅が挙げられ、これらから選ばれる１種又は２種以上を使用し得る。中でも、収斂感の点から、乳酸アルミニウム、硝酸カリウムが好ましく、より好ましくは乳酸アルミニウムである。
（【００１１】以降は省略されています）

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