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公開番号2024091629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-05
出願番号2022205476
出願日2022-12-22
発明の名称4元系酸カルコゲン化物および電子素子
出願人国立大学法人東京工業大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01G 9/00 20060101AFI20240627BHJP(無機化学)
要約【課題】ワイドバンドギャップ半導体に用いる4元系酸カルコゲン化物を提供する。
【解決手段】本発明の4元系酸カルコゲン化物は、亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、を含み、下記式(1)及び式(2)の何れか1つで表される4元系酸カルコゲン化物。
BaZn2xOyS2z (1)
SrZn2xOySe2z (2)
(式(1)、(2)において、x、y、zがそれぞれ0.80以上1.20以下の値である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、を含み、
下記式(1)及び式(2)の何れか1つで表される4元系酸カルコゲン化物。
BaZn
2x



2z
(1)
SrZn
2x


Se
2z
(2)
(式(1)、(2)において、x、y、zがそれぞれ0.80以上1.20以下の値である)
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、バリウム元素(Ba)と、硫黄元素(S)と、を含み、
下記式(1A)で表される、請求項1に記載の4元系酸カルコゲン化物。
BaZn

OS

(1A)
【請求項3】
亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、ストロンチウム元素(Sr)と、セレン元素(Se)と、を含み、
下記式(2A)で表される、請求項1に記載の4元系酸カルコゲン化物。
SrZn

OSe

(2A)
【請求項4】
化合物半導体である、請求項1~3の何れか1項に記載の4元系酸カルコゲン化物。
【請求項5】
直接遷移型化合物半導体である、請求項1~3の何れか1項に記載の4元系酸カルコゲン化物。
【請求項6】
バンドギャップが2.4eV~4.0eVである、請求項1~3の何れか1項に記載の4元系酸カルコゲン化物。
【請求項7】
請求項1~3の何れか1項に記載の4元系酸カルコゲン化物を含む4元系酸カルコゲン化物系材料。
【請求項8】
請求項1~3の何れか1項に記載の4元系酸カルコゲン化物を含む電子素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、4元系酸カルコゲン化物および電子素子に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛(ZnO)は、安全、安価であり、化学的にも安定で、透明性にも優れた材料として知られている。また、広いバンドギャップや優れた光学特性を有し、発光ダイオード(LED)等の発光素子の応用、その他の多様な応用が期待されているため、その構造と物性について、よく研究されている(例えば、非特許文献1)。
酸素元素及び亜鉛元素以外に、更にバリウム元素及び硫黄などのカルコゲン元素を含む4元系酸カルコゲン化物としては、2005年、BaZnOSが報告された(例えば、非特許文献2)。その後、BaZnOSの結晶構造(空間群:Cmcm)が、無機結晶構造データベース(ICSD)に登録された。BaZnOSは、蛍光体母相(ホスト)材料などの分野で研究開発されている。例えば、最近、温度変化に応答し、発光色を変更する発光材料としてPr
3+
とMn
2+
を二重にドープしたBaZnOS結晶が報告されている(例えば、非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Shubra Singh et al, Structure, microstructure and physical properties of ZnO based materials in various forms:bulk, thin film and nano, J. Phys. D: Appl. Phys. 2007, 40, 6312-6327.
Sarah Broadley et al, Vertex-Linked ZnO2S2 Tetrahedra in the Oxysulfide BaZnOS: A New Coordination Environment for Zinc in a Condensed Solid, Inorg. Chem. 2005, 44, 9092-9096.
Yanze Wang et al, Doubly Doped BaZnOS Microcrystals for Multicolor Luminescence Switching, Adv. Optical Mater. 2022, 10, 2102430.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、無機結晶構造データベース(ICSD)に登録されている公知の4元系酸カルコゲン化物は、非特許文献3に開示されているBaZnOS材料のように、遷移金属や希土類金属元素を少量添加してそれらの光学遷移を利用した、蛍光体母相(ホスト)材料として研究開発されたことが多い。ICSDに登録された4元系酸カルコゲン化物のみを用いる場合、より優れた半導体材料の開発が制限されるため、未知の4元系酸カルコゲン化物の開発が課題になる。
本発明は、上記課題を解決し、ICSDに登録されていない未知の4元系酸カルコゲン化物を合成することに成功し、その結晶構造及びバンドギャップなど電子特性などを評価した。本発明は、ワイドバンドギャップ半導体に好適な4元系酸カルコゲン化物及びそれを用いる電子素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の問題を解決するために、以下の発明を提供するものである。
〔1〕 亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、を含み、
下記式(1)及び式(2)の何れか1つで表される4元系酸カルコゲン化物。
BaZn
2x



2z
(1)
SrZn
2x


Se
2z
(2)
(式(1)、(2)において、x、y、zがそれぞれ0.80以上1.20以下の値である)
〔2〕 亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、バリウム元素(Ba)と、硫黄元素(S)と、を含み、
下記式(1A)で表される、〔1〕に記載の4元系酸カルコゲン化物。
BaZn

OS

(1A)
〔3〕 亜鉛元素(Zn)と、酸素元素(O)と、ストロンチウム元素(Sr)と、セレン元素(Se)と、を含み、
下記式(2A)で表される、〔1〕に記載の4元系酸カルコゲン化物。
SrZn

OSe

(2A)
〔4〕 化合物半導体である、〔1〕~〔3〕の何れかに記載の4元系酸カルコゲン化物。
〔5〕 直接遷移型化合物半導体である、〔1〕~〔4〕の何れかに記載の4元系酸カルコゲン化物。
〔6〕 バンドギャップが2.4eV~4.0eVである、〔1〕~〔5〕の何れかに記載の4元系酸カルコゲン化物。
〔7〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載の4元系酸カルコゲン化物を含む4元系酸カルコゲン化物系材料。
〔8〕 〔1〕~〔6〕の何れかに記載の4元系酸カルコゲン化物を含む電子素子。
【発明の効果】
【0006】
本発明の4元系酸カルコゲン化物は、ワイドバンドギャップ半導体に好適な4元系酸カルコゲン化物及びそれを用いる電子素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は第一実施形態の4元系酸カルコゲン化物であるBaZn

OS

の結晶構造である。
図2は第一実施形態の4元系酸カルコゲン化物であるBaZn

OS

のバンド構造を示す。
図3は第二実施形態の4元系酸カルコゲン化物であるSrZn

OSe

の結晶構造である。
図4は第二実施形態の4元系酸カルコゲン化物であるSrZn

OSe

のバンド構造を示す。
実施例1で得られた合成反応生成物(BaZn

OS

)のX線回折パターン及びリートベルト解析の結果を示す図である。図中の四角が観測データであり、線(a)が計算結果であり、線(b)が観測結果と計算結果の差のパターンである。縦棒はブラッグ回折ピークの位置である。挿入図は、不純物(BaZnOS)相からの回折ピークを明確に示すために、20~40度の2θ領域の拡大図である。
実施例1で得られた合成反応生成物(BaZn

OS

)の拡散反射スペクトル図である。挿入図は、バンドギャップを推定するための(F(R)・hν)

対hνプロットを示した。
実施例2で得られた合成反応生成物(SrZn

OSe

)のX線回折パターン及びリートベルト解析の結果を示す図である。図中の四角が観測データであり、線(a)が計算結果であり、線(b)が観測結果と計算結果の差のパターンである。縦棒はブラッグ回折ピークの位置である。挿入図は、不純物(ZnSe)相からの回折ピークを明確に示すために、20~40度の2θ領域の拡大図である。
実施例2で得られた合成反応生成物(SrZn

OSe

)の拡散反射スペクトル図である。挿入図は、バンドギャップを推定するための(F(R)・hν)

対hνプロットを示した。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(4元系酸カルコゲン化物)
本発明の一実施形態の4元系酸カルコゲン化物は、亜鉛元素と酸素元素と含み、下記式(1)及び式(2)の何れか1つで表される。
【0009】
BaZn
2x



2z
(1)
SrZn
2x


Se
2z
(2)
【0010】
(式(1)、(2)において、x、y、zがそれぞれ0.80以上1.20以下の値である。)
(【0011】以降は省略されています)

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