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公開番号2024091502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2023208204
出願日2023-12-11
発明の名称金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 15/085 20060101AFI20240627BHJP(積層体)
要約【課題】 本発明は、断熱性、反射性、エア抜け性、及び品位に優れた金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 多孔性ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に金属層を有し、前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率が60%以上である、金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多孔性ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に金属層を有し、前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率が60%以上である、金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記金属層の表面最大高さSzが0.1μm~4.0μmである、請求項1に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項3】
空孔率が5%以上50%未満である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項4】
突刺し強度が0.10N/μm以上である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項5】
引張強度が最も大きい方向を主配向方向としたときに、-30℃における前記主配向方向の引張強度が200MPa以上である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項6】
前記多孔性ポリオレフィンフィルムがポリエチレン樹脂を主成分とする、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項7】
示差走査熱量計により測定した溶融結晶化温度Tmcが108℃以上である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項8】
前記金属層中のアルミニウム含有量が60原子%以上である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項9】
前記金属層の表面比抵抗が0.01Ω/sq以上100Ω/sq以下である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
【請求項10】
前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率ムラが20%以下である、請求項1または2に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性、反射性、エア抜け性、及び品位に優れ、断熱材、反射材として好適に用いることのできる金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
多孔性ポリオレフィンフィルムは、軽量性、断熱性、耐薬品性などの物性に優れることから、断熱材や電池用セパレータなどに広く用いられている。例えば、特許文献1には、プロピレン系樹脂からなり、断熱性に優れる積層多孔フィルムが開示されている。多孔性ポリオレフィンフィルムを断熱材として使用する場合には、伝導による熱の移動だけでなく、輻射による熱の移動も防ぐことで、断熱材としての性能をさらに向上することができる。
【0003】
断熱性は、主に輻射熱の主成分である赤外線を反射することにより高めることができ、例えば、多孔性ポリオレフィンフィルムの表面に金属層を積層することでフィルムに断熱性を付与することができる。金属層を有する多孔性ポリオレフィンフィルムも、断熱材や電池用セパレータなどに用いられており、例えば特許文献2には、ポリプロピレン製の多孔質フィルムに、真空蒸着によりアルミニウム等の金属層を蒸着した例が開示されている。また、特許文献3にはポリエチレン製の微多孔膜に、真空蒸着によりリチウム金属膜を積層した例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-44702号公報
特開2008-105402号公報
特開2016-58129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載のフィルムは、基材とする多孔質ポリプロピレンフィルムの製造方法として可塑剤を使用しない乾式法を採用しており、延伸時の開裂が不均一となることにより表面が粗面化しやすい。そのため、基材フィルムへの金属蒸着が不均一となり、断熱性、反射性、及び品位に課題があった。また、乾式法で製造されたフィルムは構造の不均一性により破断しやすく、特許文献2に記載のフィルムは機械強度にも課題があった。特許文献3に記載のフィルムは、基材とするポリエチレン製微多孔膜の一方の面に電極としてリチウム金属膜を積層しているが、金属膜が厚いため、表面の平滑性や断熱性、反射性に課題があり、また、フィルムのエア抜け性が損なわれるという課題もあった。さらに、金属膜を形成する金属がリチウムのような反応性の高い金属の場合、空気中の水分との反応によって、断熱性、反射性、及び品位が低下するという課題もあった。
【0006】
そこで本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち本発明は、断熱性、反射性、エア抜け性、及び品位に優れた金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムは以下の構成からなる。すなわち本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムは、多孔性ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に金属層を有し、前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率が60%以上である、金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムである。
【0008】
また、本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムは以下の態様とすることもでき、また、以下の通りこれを用いて断熱材や液化ガス貯蔵タンクとすることもできる。
(1) 多孔性ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に金属層を有し、前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率が60%以上である、金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(2) 前記金属層の表面最大高さSzが0.1μm~4.0μmである、(1)に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(3) 空孔率が5%以上50%未満である、(1)または(2)に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(4) 突刺し強度が0.10N/μm以上である、(1)~(3)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(5) 引張強度が最も大きい方向を主配向方向としたときに、-30℃における前記主配向方向の引張強度が200MPa以上である、(1)~(4)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(6) 前記多孔性ポリオレフィンフィルムがポリエチレン樹脂を主成分とする、(1)~(5)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(7) 示差走査熱量計により測定した溶融結晶化温度Tmcが108℃以上である、(1)~(6)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(8) 前記金属層中のアルミニウム含有量が60原子%以上である、(1)~(7)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(9) 前記金属層の表面比抵抗が0.01Ω/sq以上100Ω/sq以下である、(1)~(8)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(10) 前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率ムラが20%以下である、(1)~(9)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルム。
(11) (1)~(10)のいずれかに記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムを有する、断熱材。
(12) 前記金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムに不織布を貼り合せてなる、(11)に記載の断熱材。
(13) 長径が0.1mm以上5.0mm以下の穿孔を、10cm平方あたり1つ以上有する、(11)または(12)に記載の断熱材。
(14) (1)または(2)に記載の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムを有する、反射材。
(15) (11)~(13)のいずれかに記載の断熱材を有する、液化ガス貯蔵タンク。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、断熱性、反射性、エア抜け性、及び品位に優れる金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムを提供することができる。本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムは、上記特性に優れることから、包装用途、工業用途、建材用途など広範な用途に好適に使用することができ、特に断熱材や反射材として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムについて説明する。本発明の金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムは、多孔性ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に金属層を有し、前記金属層の波長5μm~20μmでの平均反射率が60%以上である、金属層積層多孔性ポリオレフィンフィルムである。
(【0011】以降は省略されています)

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