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公開番号2024091086
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207484
出願日2022-12-23
発明の名称印刷用前処理液
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類B41M 5/00 20060101AFI20240627BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】低吸液性印刷基材、特により極性の低い低吸液性印刷基材に印刷を行う際においても、インクの基材密着性に優れ、異なる色のインク間での滲みが抑制された画像鮮明性に優れる印刷物を得ることができる、印刷用前処理液、該印刷用前処理液由来の表面処理層を有する表面処理印刷基材、該印刷用前処理液を含むインクセット、及び該印刷用前処理液を用いる画像形成方法を提供する。
【解決手段】スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含有する印刷用前処理液、該印刷用前処理液由来の表面処理層を有する表面処理印刷基材、該印刷用前処理液を含むインクセット、及び該印刷用前処理液を用いる画像形成方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含有する、印刷用前処理液。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)の含有量のポリウレタン樹脂(b)の含有量に対する質量比[スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)/ポリウレタン樹脂(b)]が0.1以上10以下である、請求項1に記載の印刷用前処理液。
【請求項3】
前記ポリエステル樹脂(a)のスルホン酸基密度が0.1mmol/g以上0.8mmol/g以下である、請求項1又は2に記載の印刷用前処理液。
【請求項4】
前記ポリエステル樹脂(a)が、スルホン酸基を含むカルボン酸成分(a-1)由来の構成単位とスルホン酸基を含まないカルボン酸成分(a-2)由来の構成単位とを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の印刷用前処理液。
【請求項5】
前記スルホン酸基を含むカルボン酸成分(a-1)が、5-スルホイソフタル酸、2-スルホテレフタル酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項4に記載の印刷用前処理液。
【請求項6】
前記ポリウレタン樹脂(b)がポリエーテル系ウレタン樹脂である、請求項1~5のいずれか1項に記載の印刷用前処理液。
【請求項7】
塩基性化合物(c)として有機アミンを更に含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷用前処理液。
【請求項8】
有機溶媒(d)として水溶性有機溶媒を更に含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の印刷用前処理液。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の印刷用前処理液由来の、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含む表面処理層を少なくとも一方の面に有する、表面処理印刷基材。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の印刷用前処理液と、少なくとも着色材及び水を含有する水系インクとを含む、インクセット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用前処理液、該印刷用前処理液由来の表面処理層を有する表面処理印刷基材、該印刷用前処理液を含むインクセット、及び該印刷用前処理液を用いる画像形成方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
商業印刷や産業印刷分野では、従来の普通紙、コピー紙と呼ばれる高吸液性基材への印刷に加えて、オフセットコート紙のような低吸液性のコート紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(NY)等の非吸液性の樹脂フィルムを用いた商業印刷向けの基材への印刷が求められてきている。
低吸液性又は非吸液性の基材上に画像形成を行った場合、液体成分の吸収が遅い、又は吸収されないため、これらの基材に対するインクの密着性が十分でなく、画質が悪化するという問題がある。そこで、インクの密着性や画質を改善するため、インク中に含まれる顔料粒子を凝集させる成分を含む処理液を予め基材表面に付与することで、液体成分の吸収が遅い基材の表面に顔料粒子を凝集させて画像を形成する画像形成方法が提案されている。
【0003】
引用文献1には、低吸液性基材に対するインクの密着性、得られる印刷物の画像鮮鋭性及び画像均一性を優れたものにすることができる処理液と、該処理液を含むインクセット等の提供を課題として、ポリエステル樹脂(a)をエマルションとして含有する処理液であって、該ポリエステル樹脂(a)がスルホン酸基を含み、該ポリエステル樹脂(a)のスルホン酸基密度が0.1mmol/g以上0.8mmol/g以下である処理液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-183116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、低吸液性印刷基材でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような極性が高い基材に対するインクの密着性はある程度高いものの、より極性の低い低吸液性印刷基材での密着性は十分でなく、更なる向上が求められている。また、異なる色のインクが重なる部分におけるインクの滲みについては改善の余地があることが判明した。
本発明は、低吸液性印刷基材、特により極性の低い低吸液性印刷基材に印刷を行う際においても、インクの基材密着性に優れ、異なる色のインク間での滲みが抑制された画像鮮明性に優れる印刷物を得ることができる、印刷用前処理液、該印刷用前処理液由来の表面処理層を有する表面処理印刷基材、該印刷用前処理液を含むインクセット、及び該印刷用前処理液を用いる画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂を含有する印刷用前処理液を用いて、印刷基材上にスルホン酸基を有するポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂を含む表面処理層を形成し、該表面処理層に画像を形成することによって、前記課題を解決しうることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]~[4]を提供する。
[1]スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含有する、印刷用前処理液。
[2]前記[1]に記載の印刷用前処理液由来の、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含む表面処理層を少なくとも一方の面に有する、表面処理印刷基材。
[3]前記[1]に記載の印刷用前処理液と、少なくとも着色材及び水を含有する水系インクとを含む、インクセット。
[4]下記工程1及び工程2を含む、画像形成方法。
工程1:前記[1]に記載の印刷用前処理液を印刷基材に付与した後、該印刷基材上の該印刷用前処理液を乾燥し、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含む表面処理層を少なくとも一方の面に有する表面処理印刷基材を得る工程
工程2:工程1で得られた表面処理印刷基材のスルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(b)を含む表面処理層に、少なくとも着色材及び水を含有する水系インクを付与して画像を形成する工程
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低吸液性印刷基材、特により極性の低い低吸液性印刷基材に印刷を行う際においても、インクの基材密着性に優れ、異なる色のインク間での滲みが抑制された画像鮮明性に優れる印刷物を得ることができる、印刷用前処理液、該印刷用前処理液由来の表面処理層を有する表面処理印刷基材、該印刷用前処理液を含むインクセット、及び該印刷用前処理液を用いる画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[印刷用前処理液]
本発明の印刷用前処理液(以下、「本発明の前処理液」又は「前処理液」ともいう)は、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂(a)(以下、「スルホン酸基含有ポリエステル樹脂(a)」ともいう)及びポリウレタン樹脂(b)を含有する。
本発明の前処理液は、少なくとも着色材及び水を含有する水系インクで画像を形成する印刷基材の表面処理に用いられる。
本発明において、「水系インク」とは、インクに含まれる媒体中で、水が質量基準で最大の比率を占めているものであることを意味する。インクに含まれる「媒体」とは、着色材、必要に応じて用いられるポリマー及び界面活性剤を除いた液体成分を意味する。
なお、本明細書において、「少なくとも着色材及び水を含有する水系インク」を単に「水系インク」又は「インク」ともいう。
本発明の前処理液は水系であることが好ましい。
本発明において前処理液が「水系」であるとは、前処理液に含まれる液体成分において、水が質量基準で最大の比率を占めているものであることを意味する。
本発明の前処理液により処理される低吸液性印刷基材は、布帛、普通紙、及びインクジェット専用紙のような水系インクの吸収性に富むものではなく、汎用コート紙のような水系インクを吸収し難い低吸液性印刷基材、及び、金属、陶器、及び樹脂フィルムのような水系インクを吸収しない非吸液印刷基材を含む概念を意味する。
本発明において、低吸液性印刷基材、特により極性の低い低吸液性印刷基材におけるインクの密着性を単に「基材密着性」とも称し、異なる色のインク間での滲みを抑制した画像鮮明性を単に「画像鮮明性」とも称する。
【0010】
本発明によれば、低吸液性印刷基材、特により極性の低い低吸液性印刷基材においても、インクの密着性に優れ、異なる色のインク間での滲みが抑制された画像鮮明性に優れる印刷物を得ることができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の前処理液は、スルホン酸基含有ポリエステル樹脂(a)を含有するため、スルホン酸基を有さない汎用のポリエステル樹脂に比べて極性を特に高くすることができる。そのため、本発明の前処理液で極性の低い低吸液性印刷基材の表面を処理した際には、該極性の低い低吸液性印刷基材の表面を水系インクが濡れ広がり易くする作用を奏し、均一なインク塗膜を形成することができ、また、該水系インクで画像を形成する際にはインクの合一や偏在が起こり難く、異なる色のインク間での滲みを抑制することができ、画像鮮明性を向上させることができると考えられる。また、スルホン酸基含有ポリエステル樹脂(a)は通常の疎水性部位も有するため、該極性の低い低吸液性印刷基材との親和性を発現でき、該水系インクの密着性の向上にも寄与することができると考えられる。
さらに、本発明の前処理液はポリウレタン樹脂(b)も含有する。そのため、異なる色のインクの画像形成領域をこれらのインクが重なるように隣接して順に印刷するような状況においては、本発明の前処理液由来の表面処理層に含まれるポリウレタン樹脂(b)が有する極性が高いウレタン基の作用により、該表面処理層に第2のインクが保持され、第1のインクの画像形成領域へ第2のインクが流れ込むことを抑制できているため、異なる色のインク間での滲みを抑制でき、画像鮮明性を向上させることができると考えられる。さらに、本発明においては、ポリウレタン樹脂(b)は、弾性に富みかつ柔軟であるため、上述の該極性の低い低吸液性印刷基材とスルホン酸基含有ポリエステル樹脂(a)の親和性発現効果を更に高めることができ、該水系インクの密着性の向上にも寄与していると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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