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公開番号2024090608
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206590
出願日2022-12-23
発明の名称セルロースナノファイバーの製造方法
出願人フクビ化学工業株式会社,福井県
代理人弁理士法人大手門国際特許事務所
主分類C08B 15/00 20060101AFI20240627BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 製造コストを低廉に抑えることができ、更に合成樹脂の添加剤として使用した際に樹脂中における繊維の分散性に優れたセルロースナノファイバーの製造方法を提供すること。
【解決手段】 第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩に綿繊維または綿繊維を原料とする化学繊維を加え、それらの混合物をそのまま或いはアルコールを添加して加熱することで繊維をナノオーダーのサイズに解繊処理する方法を採用することにより解繊処理にかかる時間を短縮した。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩に綿繊維または綿繊維を原料とする化学繊維を加え、それらの混合物をそのまま或いはアルコールを添加して加熱することで繊維をナノオーダーのサイズに解繊処理する、セルロースナノファイバーの製造方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩が、アミンとハロゲン化物を加熱により化学反応させて得られたアンモニウム塩である、請求項1記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
【請求項3】
前記第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩が、ピリジンとベンジルクロライドを加熱により化学反応させて得られた1-ベンジルピリジニウムクロライドである、請求項2記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
【請求項4】
前記アミンとベンジルハライドを125℃以上の温度で加熱して化学反応させる、請求項2記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
【請求項5】
前記第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩と、綿繊維または綿繊維を原料とする化学繊維との混合物を、120℃~160℃の温度で5分~60分加熱して解繊処理する、請求項1記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
【請求項6】
前記解繊処理を行った後、第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩に溶解し、かつ、解繊繊維を溶解しない溶剤を加えることで解繊繊維を分離回収する、請求項1記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
【請求項7】
前記溶剤としてアルコール系溶剤を使用する、請求項6記載のセルロースナノファイバーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
セルロースナノファイバー(CNF)は、植物繊維をナノオーダーまで解繊したものであり、軽量、高強度、高弾性率、低線膨張率などの機械特性、吸着性、ガスバリア性、保水性、撥水性、生分解性などの化学/生物特性、透明性、紫外吸収性、寸法安定性(低線膨張率性)、高熱伝導性/電気絶縁性などの光学特性や熱特性、電気特性を有していることから、合成樹脂の物性を向上させたり機能を付加できる添加剤として注目されている。
【0003】
また上記セルロースナノファイバーの解繊処理に関しては、大きく分けて機械的(物理的)処理(例えば、特許文献1~3参照)と、化学的処理(例えば、特許文献4参照)の2種類に分けられるが、石臼型や超高圧水衝突式の機械的処理に関しては、解繊処理されたセルロースナノファイバーの品質に限界があり、セルロース繊維を数十nm程度に解繊した時点で透明性が失われ白濁してしまう問題がある。
【0004】
一方、TEMPO酸化法などの化学反応を利用した化学的処理については、セルロース繊維を3nm程度に細かく解繊することができ、透明なセルロースナノファイバーが得られるものの、化学的処理に使用する薬剤のコストや反応時間の長さによって処理コストが嵩み、解繊処理したセルロースナノファイバーが高価になる問題がある。
【0005】
またセルロース繊維は親水性であるため、上記セルロースナノファイバーを粉体のまま合成樹脂と混錬しても繊維が分散し難く品質が安定しない問題がある。同様に多くのセルロースナノファイバーは水分散液として提供されているが、水分散液は輸送コストが嵩むだけでなく水分散液中のセルロースナノファイバーは樹脂となじみ難いため、樹脂と混錬した際の分散性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-1728号公報
特開2019-48924号公報
特開2020-79420号公報
特開2021-175799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると製造コストを低廉に抑えることができ、更に合成樹脂の添加剤として使用した際に樹脂中における繊維の分散性に優れたセルロースナノファイバーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決する手段として、第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩に綿繊維または綿繊維を原料とする化学繊維を加え、それらの混合物をそのまま或いはアルコールを添加して加熱することで繊維をナノオーダーのサイズに解繊処理する方法を採用した(効果は後述する)。
【0009】
なお本明細書中の「セルロースナノファイバー(CNF)」とは、セルロースミクロフィブリル(シングルナノファイバー)単独、または縦に引き裂かれたもの、もつれたもの、または網目状の構造を持つそれらの集合体からなり、ナノオーダーサイズとは、繊維径100nm~100nm・アスペクト比10以上、長さ100nm~100μmまでのものをいい、好ましくは1μm以下のものをいう)。
【0010】
上記第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩としては、アミンとハロゲン化物を加熱により化学反応させて得られたアンモニウム塩を好適に使用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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