TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024090351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206212
出願日2022-12-23
発明の名称正帯電性トナー用結着樹脂組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20240627BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】正帯電性に優れ、電子写真用トナーに用いることで、細線再現性といった印刷物の画質を向上することのできる正帯電性トナー用結着樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)と、を含有する正帯電性トナー用結着樹脂組成物であって、前記アミン化合物が、2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上である、正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、
酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)と、を含有する正帯電性トナー用結着樹脂組成物であって、
前記アミン化合物が、2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上である、正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記変性ポリエステル樹脂(B)が、アミン化合物由来の構成単位を0.5質量%以上10質量%以下含む、請求項1に記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
【請求項3】
前記複合樹脂(A)が、前記ビニル系樹脂セグメントを5質量%以上45質量%以下含む、請求項1又は2に記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
【請求項4】
更に結晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1~3のいずれかに記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
【請求項5】
前記複合樹脂(A)に対する前記変性ポリエステル樹脂(B)の質量比(変性ポリエステル樹脂(B)/複合樹脂(A))が、0.3以上2以下である、請求項1~4のいずれかに記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物を含有する、電子写真用トナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる正帯電性トナー用結着樹脂組成物、及び該正帯電性トナー用結着樹脂組成物を含有する電子写真用トナーに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が求められている。
また、トナーには負帯電性トナー及び正帯電性トナーが存在し、正帯電性トナーを用いる電子写真装置は、オゾンの発生が少なく、オゾン発生による臭気がなく、良好な帯電性が得られるため、近年好ましく用いられている。
【0003】
特許文献1では、着色剤と、酸基を有する非晶性ポリエステル系樹脂とアミン化合物とを縮合させてなる樹脂組成物と、脂肪族モノカルボン酸化合物を20モル%以上含むカルボン酸成分と、2価以上の脂肪族アルコールを90モル%以上含むアルコール成分との縮合物を含有するエステル組成物(CI)及び脂肪族モノアルコールを20モル%以上含むアルコール成分と、2価以上の脂肪族カルボン酸化合物を90モル%以上含むカルボン酸成分との縮合物を含有するエステル組成物(CII)から選ばれる1種以上であるエステル組成物とを含む、静電荷像現像用トナーが記載されている。
特許文献2では、少なくとも、アミノ基を有するポリエステル樹脂(I)と、アニオン性官能基を有するポリエステル樹脂(II)と、着色剤とを有機溶媒に溶解又は分散して得られる油相を水系媒体中で分散させた後、溶媒を除去し、乾燥することにより得られる乾式トナーが記載されている。
特許文献3では、COOHの少なくとも1部がアミン、アンモニウム、ベタイン、ピリジニウム塩、アジンのようなNを含む官能基によって置き換えられたポリエステルを用いた乾式トナーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-47403号公報
特開2009-217183号公報
特開昭61-14644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、高画質化及び高速化に対応したさらなる画質の向上が求められている。
本発明は、正帯電性に優れ、電子写真用トナーに用いることで、細線再現性といった印刷物の画質を向上することのできる正帯電性トナー用結着樹脂組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ポリエステル樹脂セグメントと、ビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂と、2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上であるアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)と、を含有する、正帯電性トナー用結着樹脂組成物により、上記の課題が解決されることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、
酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)と、を含有する正帯電性トナー用結着樹脂組成物であって、
前記アミン化合物が、2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上である、正帯電性トナー用結着樹脂組成物。
[2][1]に記載の正帯電性トナー用結着樹脂組成物を含有する、電子写真用トナー。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、正帯電性に優れ、電子写真用トナーに用いることで、細線再現性といった印刷物の画質を向上することのできる正帯電性トナー用結着樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[正帯電性トナー用結着樹脂組成物]
本発明の正帯電性トナー用結着樹脂組成物は、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)と、を含有する正帯電性トナー用結着樹脂組成物であって、前記アミン化合物が、2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上である。
以上の構成を有することで、正帯電性に優れ、電子写真用トナーに用いることで、細線再現性といった印刷物の画質を向上することのできる正帯電性トナー用結着樹脂組成物が得られる。その理由は定かではないが、次のように考えられる。
【0010】
本発明の正帯電性トナー用結着樹脂組成物は、ポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、を含む複合樹脂(A)と、酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物の縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)を含有する。
分子中に、スチレン系化合物等の芳香環濃度の高い原料モノマーで構成される電荷保持部位とアミン化合物などの正帯電部位とを結合させた複合樹脂が、正帯電部位により素早く正帯電化し、電荷保持部位により長期的に正電荷を保持するため、正帯電性トナーの形成に有利である。しかし、ポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントとを、含む複合樹脂に対してアミン化合物を導入しようとすると、立体障害等によるためかアミン化合物を複合樹脂に効果的に導入できない場合があった。また、導入するアミン化合物のアミノ基を電子供与性のアルキル基が置換した第三級アミノ基とすることで、複合樹脂の正帯電性をより増強させると考えられるが、この場合も第三級アミノ基によりアミン化合物の立体障害が大きくなることで、複合樹脂との反応率の低下を招く場合がある。
これに対し本発明では、アミン化合物として第三級アミノ基を導入できる2-ジエチルアミノエタノール及び2-ジブチルアミノエタノールより選ばれる少なくとも1種以上と酸基を有する非晶性ポリエステル樹脂との縮合物である変性ポリエステル樹脂(B)を、ポリエステル樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメントを含む複合樹脂(A)と組み合わせてトナー中に共存させることで、電荷保持効果が向上することを見出した。複合樹脂(A)のポリエステル樹脂セグメントと変性ポリエステル樹脂(B)は、親和性が高いため、トナー粒子中の樹脂が相溶することで、複合樹脂(A)の電荷保持部位と変性ポリエステル樹脂(B)の正帯電部位が極めて近い位置に存在し、分子中に電荷保持部位と正帯電部位を有する樹脂を用いる場合と同様に、トナーの正帯電性を向上すると考えられる。その結果、トナーの正帯電性が向上し、細線再現性といった印刷物の画質が向上すると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

花王株式会社
容器
1か月前
花王株式会社
繊維
1か月前
花王株式会社
容器
1か月前
花王株式会社
繊維
24日前
花王株式会社
ホルダ
8日前
花王株式会社
不織布
1か月前
花王株式会社
温熱具
1か月前
花王株式会社
冷感剤
15日前
花王株式会社
注射針
29日前
花王株式会社
歯磨剤
1か月前
花王株式会社
注射針
29日前
花王株式会社
不織布
1か月前
花王株式会社
トナー
1か月前
花王株式会社
温熱具
1か月前
花王株式会社
トナー
8日前
花王株式会社
茶飲料
1か月前
花王株式会社
洗濯方法
1か月前
花王株式会社
洗濯方法
1か月前
花王株式会社
洗浄方法
16日前
花王株式会社
印刷方法
1か月前
花王株式会社
固体触媒
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
15日前
花王株式会社
生理用物品
15日前
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
粉末化粧料
1か月前
花王株式会社
繊維処理剤
1か月前
花王株式会社
皮膚外用剤
1か月前
花王株式会社
粉末化粧料
1か月前
花王株式会社
口唇化粧料
2日前
花王株式会社
パウチ容器
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
10日前
花王株式会社
研磨液組成物
16日前
花王株式会社
茶飲料組成物
1か月前
花王株式会社
茶飲料組成物
1か月前
花王株式会社
研磨液組成物
15日前
花王株式会社
高分子分散剤
1か月前
続きを見る