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公開番号2024089068
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204196
出願日2022-12-21
発明の名称レーダ用直流電源システム
出願人三菱電機株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02M 3/155 20060101AFI20240626BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 複数のレーダ装置に複数の直流電源装置から電力を供給するレーダ用直流電源装置において、複数設置された直流電源装置のうちの数台が余剰電力を抱えていた場合に、その余剰電力を、電力を多く必要としている直流電源装置に伝送することで無駄のない小型・軽量なレーダ用直流電源システムを得る。
【解決手段】 複数のレーダ装置に電力を供給するレーダ用直流電源システムにおいて、余剰電力を他の直流電源装置に伝送できるよう、各直流電源装置内または近傍に負荷電力調整用の双方向コンバータを設置する。集中制御回路は、各直流電源装置の出力電力を監視するとともに、余剰電力と各直流電源装置が必要としている最大電力を計算し、各直流電源装置の出力電力を任意に制御するとともに双方向コンバータを制御し、各直流電源装置間で電力伝送することができる集中制御回路を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
各々異なる方向に対して電力を送受信する複数のレーダ装置に直流電力を供給するレーダ用直流電源システムであって、
各々の前記レーダ装置毎に設けられ、発電装置で発生した交流電力を直流電力に変換し、前記レーダ装置に直流電力を供給する直流電源装置と、
各々の前記レーダ装置毎に設けられ、集中制御部からの指示により、前記直流電源装置からの出力電圧を中間バスの電圧まで昇圧して、前記直流電源装置から前記中間バスに電力を供給し、前記中間バスの電圧を前記直流電源装置からの出力電圧まで降圧して、前記中間バスから前記レーダ装置に電力を供給する双方向チョッパと、
各々の前記直流電源装置から、当該直流電源装置が出力する出力電力の情報を入力し、前記直流電源装置毎に設けられた前記双方向チョッパに対して、前記昇圧あるいは前記降圧の動作を指示する集中制御部と、
を備え、
前記集中制御部は、各々の前記直流電源装置の出力電力の情報を用いて、電力が余剰する直流電源装置と、電力が不足する直流電源装置を特定し、電力が余剰する直流電源装置から電力が不足する直流電源装置へ前記中間バスを経由して電力が供給されるように前記双方向チョッパに対して前記指示を行うことを特徴とするレーダ用直流電源システム。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記レーダ装置は目標を捜索探知する捜索探知機能と目標に向けて誘導する誘導機能を備え、
前記レーダ装置は、前記捜索探知機能と前記誘導機能の実行状況に応じて必要となる電力が異なることを特徴とする請求項1記載のレーダ用直流電源システム。
【請求項3】
前記複数のレーダ装置のうち、特定の方向を向いたレーダ装置は捜索探知機能と誘導機能を実行し、他のレーダ装置は捜索探知機能のみを実行することを特徴とする請求項2記載のレーダ用直流電源システム。
【請求項4】
前記直流電源装置は、デジタル制御方式のAC/DCコンバータを備えて、前記発電装置が出力する交流電力を直流電力に変換し、
前記集中制御部は、前記AC/DCコンバータによる前記出力電力の情報を用いて前記双方向チョッパを制御し、前記直流電源装置で生じた余剰電力を、電力が不足する前記直流電源装置の出力に供給することを特徴とする請求項1記載のレーダ用直流電源システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、レーダ用直流電源装置に関するものである。特に、発電装置からの電力を複数の直流電源装置で受け、各直流電源装置が複数のレーダ装置に搭載されたRF送受信器に電力を供給するレーダ用直流電源システムに関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在、広く使用されている送信波と受信波の周波数の変化を測定するドップラー方式のレーダシステムにおいては、半導体による送受信器が利用され、送受信時における電圧の安定度がレーダ性能に大きな影響を与えることが分かっており、如何にして高い電圧安定度を実現するかが要素技術とされている。
そのため、レーダ送信時における消費電流と受信時における消費電流の非常に大きな差によって発生する電圧変動をどのように抑えるかで直流電源装置の体積が大きく異なり、送信時の瞬時電流を直接直流電源装置から供給するか、一旦コンデンサバンクに蓄えてから供給するかでシステム全体の大きさが大きく異なっていた。
さらに、送信時間と受信時間の比率は各レーダ装置の目標に応じて異なり、常に一定ではないため個々の直流電源装置は自身に接続されるレーダ装置の最大消費電力を供給できる能力を持つか、瞬時電力をコンデンサバンクで補い、最大実効消費電流値を供給できる能力で設計されることが一般的になっており、通常動作においては動作時間の大半は出力電力に余裕を持った状態で運用されることが多い。
【0003】
一例として、レーダ装置を4台搭載した場合のレーダ用直流電源システムの構成について説明する。図5に示す発電装置1は、レーダ装置を搭載する艦船や航空機、車両等に搭載されている一次電源であり、エンジンからの動力を、変速器を介して伝達し所定の電力を発電している。
第1の直流電源装置2は発電装置1からの交流電力をAC/DCコンバータ12により直流に変換するとともに安定化した電圧に制御して第1のレーダ装置6に電力を供給する。
第2の直流電源装置3、第3の直流電源装置4、第4の直流電源装置5は第1の直流電源装置2と同等または同じ機能を有するものである。
第2のレーダ装置7、第3のレーダ装置8、第4のレーダ装置9は第1のレーダ装置6と同等または同じ機能を有するものである。
第2の直流電源装置3は第2のレーダ装置7に電力を供給し、第3の直流電源装置4は第3のレーダ装置8に電力を供給し、第4の直流電源装置5は第4のレーダ装置9に電力を供給している。
【0004】
第1~第4のレーダ装置6、7、8、9の各々には、小型のDC/DCコンバータ10とRF送受信機11が搭載されている。第1~第4のレーダ装置6、7、8、9内のDC/DCコンバータ10はそれぞれ第1~第4の直流電源装置2、3、4、5から送られてくる直流電圧をRF送受信機11が使用する低電圧に変換するとともに、RF送受信機11が送信時に必要とする瞬時電流を高速かつ安定的に供給するものである。
【0005】
第1~第4のレーダ装置6、7、8、9の各DC/DCコンバータ10内にはコンデンサバンクが搭載されており、RF送受信機11が送信する際に必要とする瞬時電流を高速かつ安定化させて供給することが可能になっており、第1~第4の直流電源装置2、3、4、5の制御系の遅れ時間分を補い、第1~第4のレーダ装置6~9の出力変動と第1~第4の直流電源装置2、3、4、5が大型化するのを抑えている。
【0006】
ここで第1~第4のレーダ装置6、7、8、9が、目標を捜索し探知する捜索探知機能と、目標に向けて誘導する誘導機能を備えたレーダ装置であるとした場合、通常、誘導機能は目標が確認されるまではほとんど電力を消費しないため、第1~第4のレーダ装置6、7、8、9は半分以下の消費電力状態であることが多い。
【0007】
一方、捜索探知機能は全周をくまなく捜索探知しているため、常に軽負荷から最大負荷までの間のどこかで運用されている。そして、一旦目標を認識することになれば第1~第4のレーダ装置6、7、8、9の中で目標が来る方向に設置されたレーダ装置の誘導機能が最大消費電力にて動作することになる。
そのため第1~第4の直流電源装置2~5は、各々に接続された第1~第4のレーダ装置6、7、8、9が最大消費電力にて動作できるように、最大実効消費電流を供給できる能力がなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-45608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、全周囲において遠方から、捜索探知し誘導を行う対象となる目標(以下、単に目標とする)が向かってくることがないことを想定すると、複数のレーダ装置のうち目標から離れた位置にあるレーダ装置に電力を供給している直流電源装置は、捜索探知機能が動作可能な消費電流分だけを供給すればよい。このため、目標から離れた位置の直流電源装置で余剰電力が発生していた。
余剰電力は、他の直流電源装置に供給する手段がないため、結果的に第1~第4の直流電源装置2、3、4、5は各々に接続された第1~第4のレーダ装置6、7、8、9が消費する最大実効消費電流値分の電力を供給できる規模の大きさが必要となり、レーダ用直流電源システム全体の体積が大型化し、重量も重くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであって、各々異なる方向に対して電力を送受信する複数のレーダ装置に直流電力を供給するレーダ用直流電源システムであって、各々の前記レーダ装置毎に設けられ、発電装置で発生した交流電力を直流電力に変換し、前記レーダ装置に直流電力を供給する直流電源装置と、各々の前記レーダ装置毎に設けられ、集中制御回路からの指示により、前記直流電源装置からの出力電圧を中間バスの電圧まで昇圧して、前記直流電源装置から前記中間バスに電力を供給し、前記中間バスの電圧を前記直流電源装置からの出力電圧まで降圧して、前記中間バスから前記レーダ装置に電力を供給する双方向チョッパと、各々の前記直流電源装置から、当該直流電源装置が出力する出力電力の情報を入力し、前記直流電源装置毎に設けられた前記双方向チョッパに対して、前記昇圧あるいは前記降圧の動作を指示する集中制御回路とを備え、前記集中制御回路は、各々の前記直流電源装置の出力電力の情報を用いて、電力が余剰する直流電源装置と、電力が不足する直流電源装置を特定し、電力が余剰する直流電源装置から電力が不足する直流電源装置へ前記中間バスを経由して電力が供給されるように前記双方向チョッパに対して前記指示を行う。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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