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公開番号2024088132
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203157
出願日2022-12-20
発明の名称認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物
出願人国立大学法人東北大学,カゴメ株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類A61K 31/26 20060101AFI20240625BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、新規の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物を提供することである。
【解決手段】スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び/又は認知機能における感情状態改善用組成物に寄与成分として含有させる。アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び/又は認知機能における感情状態改善用組成物に寄与成分として含有させる。前記アブラナ科植物としては、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子が好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物であって、
スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンから選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物であって、
アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項3】
前記アブラナ科植物が、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
認知機能における感情状態改善用組成物であって、
スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンから選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項5】
認知機能における感情状態改善用組成物であって、
アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項6】
前記アブラナ科植物が、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記感情状態が、怒り・敵意、及び/又は混乱・困惑である、請求項4又は5に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物である。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
我が国では、高齢化社会の進展に伴い、2025年には65歳以上の5人に1人が、2036年には4人に1人が認知症になると予測されている。その予防は喫緊の社会課題であり、認知機能の維持・改善に有効な方法の探索は盛んに行われてきた。
認知機能の低下とネガティブな気分は、日常の行動や社会的コミュニケーションにおける課題に関連している。例えば、認知機能が低下し、抑うつ症状のある高齢者は、日常生活動作(ADL)が少なくなる(非特許文献1)。そのため、認知力を高めることは高齢者の生活向上に重要である。
【0003】
果物、野菜、穀物、豆、 および他の植物に含まれるファイトケミカル(カロテノイド
、フラボノイド、イソチオシアネート等)は、有益な健康効果をもたらすことが知られている(非特許文献2,3)。
例えば、認知症の半数以上を占めると言われているアルツハイマー型認知症に対しては、イソチオシアネートの1つであるスルフォラファンが有する種々の効果について、複数の報告がされている。具体的には、アルツハイマー型認知症モデルにおいて、スルフォラファンを摂取することにより、アミロイドβの障害から脳を守ることができ、認知機能障害を抑えること(非特許文献4)や、学習行動が改善するとともに、脳で記憶を司ると考えられるコリン作動性神経の細胞数が増加すること(非特許文献5)が報告されている。また、特許文献1には、スルフォラファンがタウタンパク質の凝集抑制作用を有すること、及びアルツハイマー型認知症等の神経変性疾患の治療又は予防等に資することが示唆されている。また、特許文献2には、スルフォラファンが認知機能における作業記憶を向上させ、認知症の予防に有用であることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-104414号公報
特開2022-100719号公報
【非特許文献】
【0005】
de Paula et al., (2015). Front. Aging Neurosci., 7:139. doi: 10.3389/fnagi.2015. 00139
Tan, B. L. et al., (2019). Molecules 24:1801. doi: 10.3390/molecules24091801
Rapposelli, S. et al., (2022). Molecules 27:624. doi: 10.3390/molecules
Kim HPLCV et al., Amyloid, 20, 7-12 (2013).
Zhang R et al., Int J Mol Sci., 8,14396-410 (2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、認知機能における視覚性の刺激に対する長期記憶や気分状態に関しては、イソチオシアネートの働きを研究した例はなく、どのような作用効果を発揮するかは未知である。
本発明が解決しようとする課題は、新規の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上を踏まえて、本願発明者は鋭意検討の末、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種が、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物の寄与成分となり得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明を定義すると、以下のとおりである。
<視覚的対連合記憶向上用組成物>
本発明に係る認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物は、寄与成分として、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を含有する。
本発明に係る認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物は、寄与成分として、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物のうち少なくとも一種を含有する。前記アブラナ科植物は、好ましくはブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である。
<認知機能における感情状態改善組成物>
本発明に係る認知機能における感情状態改善用組成物は、寄与成分として、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を含有する。
本発明に係る認知機能における感情状態改善用組成物は、寄与成分として、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物のうち少なくとも一種を含有する。前記アブラナ科植物は、好ましくはブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である。
好ましくは、前記感情状態は、怒り・敵意、及び/又は混乱・困惑である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、認知機能における視覚的対連合記憶向上用の新規な組成物が提供される。また、本発明により、認知機能における感情状態改善用の新規な組成物が提供される。
これらの組成物の寄与成分であるスルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニン、並びにこれらを含有するアブラナ科植物はいずれも食品成分として使用可能な素材であることから、本発明の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物の副作用は、従来の非天然化合物を含有する医薬品に対して低く、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
認知機能検査におけるVPAスコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
POMS2検査におけるTMDスコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
POMS2検査における怒り・敵意スコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
POMS2検査における混乱・困惑スコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明に係る組成物>
本発明に係る組成物は、認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機
能における感情状態改善用組成物である。これらの組成物は、それぞれ独立して、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を寄与成分として含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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