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公開番号2024053569
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022106999
出願日2022-07-01
発明の名称発電用複合材料および発電用複合材料の製造方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類H10N 30/85 20230101AFI20240409BHJP()
要約【課題】耐久性が高く、比較的優れた圧電特性を有する発電用複合材料および発電用複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】所定の厚みを有する板状を成し、圧電性を有するセラミックと、圧電性を有するポリマーとを含み、厚み方向に沿ってセラミックの含有率が連続的に徐々に変化するよう構成されている。圧電性を有するセラミックと、圧電性を有するポリマーとを含み、セラミックの含有率が異なる複数種類の圧電薄膜を、その厚み方向に沿ってセラミックの含有率が徐々に変化するよう積層した後、熱処理を行うことにより製造される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
圧電性を有するセラミックと、圧電性を有するポリマーとを含み、所定の方向に沿って前記セラミックの含有率が連続的に徐々に変化するよう構成されていることを特徴とする発電用複合材料。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記所定の方向に沿って、前記セラミックの含有率が連続的に徐々に増加または減少するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の発電用複合材料。
【請求項3】
前記所定の方向に沿った前記セラミックの含有率の分布が、前記所定の方向での中心面に対して面対称を成すよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の発電用複合材料。
【請求項4】
前記所定の方向に沿って、前記セラミックの含有率が増加する範囲と減少する範囲とを有するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の発電用複合材料。
【請求項5】
前記セラミックは、ペロブスカイト構造を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電用複合材料。
【請求項6】
前記セラミックは、チタン酸バリウム(BaTiO

;BTO)、ニオブ酸カリウムナトリウム[(K,Na)NbO

;KNN]、チタン酸ビスマスナトリウム[(Bi
1/2
Na
1/2
)Ti

;BNT]、および、ビスマスフェライト(BiFeO

;BF)のうちの少なくとも1つ以上を含み、
前記ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、および、ポリフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体であるP(VDF-TrFE)のうち少なくともいずれか一方を含むことを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電用複合材料。
【請求項7】
板状を成し、厚み方向が前記所定の方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電用複合材料。
【請求項8】
圧電性を有するセラミックと、圧電性を有するポリマーとを含み、前記セラミックの含有率が異なる複数種類の圧電薄膜を、その膜厚方向に沿って前記セラミックの含有率が徐々に変化するよう積層した後、熱処理を行うことを特徴とする発電用複合材料の製造方法。
【請求項9】
前記熱処理は、積層した各圧電薄膜をその膜厚方向に圧縮した状態で、各圧電薄膜の再結晶温度よりも低い温度で加熱することを特徴とする請求項8記載の発電用複合材料の製造方法。
【請求項10】
溶媒中に前記セラミックと前記ポリマーとを加えて撹拌した混合液を用いて、スピンコート法により各圧電薄膜を作製することを特徴とする請求項8記載の発電用複合材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発電用複合材料および発電用複合材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、モノのインターネット(Internet of Things;IoT)の普及に伴い、IoTデバイスへの電力供給源の一つとして、周囲の環境にある熱や風、振動などの微小なエネルギーを電気エネルギーに変えることのできる環境発電デバイスが注目されている。環境発電を行う材料の一つとして、機械エネルギーを電気エネルギーに変えることのできる圧電材料がある。圧電材料は、比較的耐久性が高く、微小なひずみに対して敏感で、高い出力電力密度および出力電圧が期待できる。また、圧電材料は、小さくコンパクトであり、湿度などの環境要因の影響を受けにくいため、IoTデバイスの電力供給源として最適である。
【0003】
優れた圧電特性を有する材料として圧電セラミックスが知られているが、圧電セラミックスは、高周波の繰り返し荷重を受けると疲労き裂の影響を受けやすくなるため、それのみでは使用するのが難しいという問題があった。そこで、この問題を解決するために、従来、金属製の弾性板などの基板の一方の表面または両面に圧電セラミックスを貼り付けた圧電発電ユニットが、多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。また、柔軟性を有する高分子にセラミックスを加えた圧電複合材料も開発されている(例えば、非特許文献1乃至3参照)。
【0004】
また、曲げ耐性を向上させるために、樹脂と圧電粒子とを有する圧電体層として、2つの第1圧電体層と、各第1圧電体層の間に配された第2圧電体層とを有し、第2圧電体層の圧電粒子の体積パーセント濃度を、各第1圧電体層よりも低くした複合圧電素子も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この複合圧電素子では、第2圧電体層の圧電粒子の体積パーセント濃度が低いため、第2圧電体層の曲げ耐性が向上し、圧電粒子の体積パーセント濃度が高い圧電体の単層で構成した場合と比較して、圧電体層全体の曲げ耐性も向上させることができる。しかも、その第2圧電体層を、圧電粒子の体積パーセント濃度が高い2つの第1圧電体層で挟んだ構造をしているため、各第1圧電体層による性能が優先されて、圧電体層全体での圧電性能は大きく低下しないという特徴を有している。
【0005】
なお、圧電複合材料の一つとして、セラミックスに濃度勾配を持たせた傾斜機能材料(Functionally Graded Material;FGM)の研究も行われており、高強度かつ高靱性であり、高い疲労強度を有することが確認されている(例えば、非特許文献4参照)が、圧電特性についてはまだ確認されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-250536号公報
特開2015-50432号公報
【非特許文献】
【0007】
Zhenjin Wang, Fumio Narita, “Corona Poling Conditions for Barium Titanate/Epoxy Composites and their Unsteady Wind Energy Harvesting Potential”, Advanced Engineering Materials, 2019, Volume 21, 1900169
Zhenjin Wang, Fumio Narita, “Fabrication of Potassium Sodium Niobate Nano-Particle/Polymer Composites with Piezoelectric Stability and Their Application to Unsteady Wind Energy Harvesters”, Journal of Applied Physics, 2019, Volume 126, 224501
Zhenjin Wang, Hiroki Kurita, Hiroaki Nagaoka, Fumio Narita, “Potassium Sodium Niobate Lead-Free Piezoelectric Nanocomposite Generators Based on Carbon-Fiber-Reinforced Polymer Electrodes for Energy-Harvesting Structures”, Composites Science and Technology, 2020, Volume 199, 108331
Saurav Sharma, Anuruddh Kumar, Rajeev Kumar, Mohammad Talha, Rahul Vaish, “Geometry Independent Direct and Converse Flexoelectric Effects in Functionally Graded Dielectrics: An Isogeometric Analysis”, Mechanics of Materials, 2020, Volume 148, 103456
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のような従来の圧電発電ユニットは、圧電セラミックスを接着剤などで基板に貼り付ける必要があり、振動や衝撃が繰り返し加わると剥がれてしまうという課題があった。また、従来の圧電複合材料では、圧電特性が小さいという課題があった。また、特許文献2に記載の複合圧電素子では、圧電体層が、2つの第1圧電体層の間に、圧電粒子の体積パーセント濃度が異なる第2圧電体層を挟んでいるため、圧電体層に曲げ荷重を加えると、各第1圧電体層と第2圧電体層との界面で、ひずみや応力のギャップが発生してしまう。このため、これらの界面で圧電体層が剥がれ、破壊されてしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、耐久性が高く、比較的優れた圧電特性を有する発電用複合材料および発電用複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る発電用複合材料は、圧電性を有するセラミックと、圧電性を有するポリマーとを含み、所定の方向に沿って前記セラミックの含有率が連続的に徐々に変化するよう構成されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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