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公開番号2024060579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2023158475
出願日2023-09-22
発明の名称光電変換素子
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H10K 30/50 20230101AFI20240424BHJP()
要約【課題】初期の変換効率が高く、長時間にわたり連続して使用したときに変換効率の劣化(低下)がより少ない光電変換素子を提供することを課題とする。これを解決するために、以下の光電変換素子を提供する。
【解決手段】第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されているペロブスカイト構造の結晶を含む光電変換層と、を有する光電変換素子であって、前記光電変換層と前記第一電極との間に、フタロシアニン化合物、及び前記フタロシアニン化合物とは異なる、ヒドロキシ基を有する芳香環化合物を含む電荷輸送層を有する、ことを特徴とする光電変換素子である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されているペロブスカイト構造の結晶を含む光電変換層と、を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層と前記第一電極との間に、フタロシアニン化合物、及び前記フタロシアニン化合物とは異なる、ヒドロキシ基を有する芳香環化合物を含む電荷輸送層を有する、ことを特徴とする光電変換素子。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記芳香環化合物が有するヒドロキシ基の数が、前記フタロシアニン化合物の有するヒドロキシ基の数よりも多い、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記芳香環化合物が有するヒドロキシ基の数が、3以上である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記芳香環化合物が有するヒドロキシ基の数が、4以上である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記電荷輸送層が、複数種の前記芳香環化合物を含む、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記芳香環化合物が、下記一般式[1]で表される化合物である、請求項1に記載の光電変換素子。
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2024060579000025.jpg
82
106
(上記一般式[1]中、R

~R

は、各繰り返し単位内でそれぞれ独立に、且つ、n個の繰り返し単位毎にそれぞれ独立に、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換又は無置換の芳香族炭化水素基、置換又は無置換の有機基であり、nは3~20の整数であり、1分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する。)
【請求項7】
前記一般式[1]のnが、4又は8である、請求項6に記載の光電変換素子。
【請求項8】
前記一般式[1]のR

が、n個の繰り返し単位毎にそれぞれ独立に、ハロゲン原子又はヒドロキシ基であり、少なくとも一つのR

が、ヒドロキシ基であり、R

が、n個の繰り返し単位毎にそれぞれ独立に、ニトロフェニルアゾ基又はジニトロフェニルアゾ基である、請求項6に記載の光電変換素子。
【請求項9】
前記電荷輸送層が、前記芳香環化合物として、下記式[C-1]で表される化合物、下記式[C-2]で表される化合物、下記式[C-3]で表される化合物及び下記[C-4]で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一つを含む、請求項1に記載の光電変換素子。
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【請求項10】
前記電荷輸送層が、前記芳香環化合物として、前記式[C-1]で表される化合物、前記式[C-2]で表される化合物、前記式[C-3]で表される化合物及び前記式[C-4]で表される化合物を含む、請求項9に記載の光電変換素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は光電変換素子に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
化石エネルギーの枯渇問題及び化石エネルギーの使用による地球の環境問題を解決するために、太陽エネルギー、風力、水力等のように、再生可能であって清浄な代替エネルギー源に関する研究が活発に行われている。その中でも、太陽光を直接電気的エネルギーに変化させる太陽電池に関する関心が大きく増大している。ここで、太陽電池とは、太陽光から光エネルギーを吸収し、電子及び正孔が発生する光起電力効果を利用して電流-電圧を生成する電池を意味する。
現在、20%を超える光エネルギー変換効率を有するn-pダイオード型シリコン(Si)単結晶ベースの太陽電池が広く知られ、実際に太陽光発電に用いられている。しかしながら、これらは、高温処理工程を必要とし、また材料自体の価格も高いため、単位電力あたりのコストが高いという問題を有している。また、シリコン資源の面から、供給性にも問題を有している。
一方、有機材料を用いた太陽電池(以下、「有機太陽電池」という)は、高温処理工程を必要とせず、シート状基板で所謂roll to roll方式での生産が可能で低コスト化が可能である。有機太陽電池の実用化のため発電効率と耐久性の更なる向上が望まれている。特に光電変換層として、ペロブスカイト構造の結晶(ペロブスカイト結晶を含む)は、光電変換性に優れるため太陽電池の実用化に向けた材料として開発が進んでいる。例えば特許文献1には、ペロブスカイトの上層に中間層として、フラーレンC60を有することで開放端電圧の上昇が記載されている。特許文献2には、ペロブスカイト層の上にチオシアン酸を含む中間層を有することで、耐久性の向上が記載されている。特許文献3には、ペロブスカイト層上に、2-フェニルエチルアンモニウムブロミドを有する中間層を有することで、光電変換効率の向上が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-13982号公報
特開2019-71500号公報
特開2022-27575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の検討によると、特許文献1~3に記載の光電変換素子では、ペロブスカイト構造の結晶の通電時の表面変化を抑制することができず、長時間にわたり連続して使用すると変換効率が劣化(低下)するという課題があった。
したがって、本発明の目的は、初期の変換効率が高く、長時間にわたり連続して使用したときに変換効率の劣化(低下)がより少ない光電変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一は、第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されているペロブスカイト構造の結晶を含む光電変換層と、を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層と前記第一電極との間に、フタロシアニン化合物(無金属フタロシアニンや金属フタロシアニン、又は該無金属もしくは該金属フタロシアニンから誘導されるフタロシアニン誘導体を含む)、及び前記フタロシアニン化合物とは異なる、ヒドロキシ基を有する芳香環化合物と、を含む電荷輸送層(正孔輸送層、もしくは電子輸送層を含む)を有することを特徴とする。
本発明の第二は、第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されているペロブスカイト構造の結晶を含む光電変換層と、を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層と前記第一電極との間に、正孔輸送性化合物、及び下記一般式[1]で表される芳香環化合物を含む電荷輸送層を有することを特徴とする。
【0006】
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79
103
(上記一般式[1]中、R

~R

は、各繰り返し単位内でそれぞれ独立に、且つ、n個の繰り返し単位毎にそれぞれ独立に、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換又は無置換の芳香族炭化水素基、置換又は無置換の有機基であり、nは3~20の整数であり、1分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長時間連続使用しても変換効率の低下が抑制された光電変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の光電変換素子の第一の実施形態の厚さ方向の断面模式図である。
本発明の光電変換素子の第二の実施形態の厚さ方向の断面模式図である。
本発明の光電変換素子を備えた移動体としての応用例の一例を模式的に示す斜視図である。
本発明の光電変換素子を備えた建材としての応用例の別の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一の実施形態及び第二の実施形態>
本発明の光電変換素子は、第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されているペロブスカイト構造の結晶を含む光電変換層を有する光電変換素子であり、該光電変換層と第一電極との間に電荷輸送層を有する。そして、本発明に係る電荷輸送層としては、以下の(1)、(2)のいずれかの特徴を有する。
(1)フタロシアニン化合物と、該フタロシアニン化合物とは異なる、ヒドロキシ基を有する芳香環化合物と、を含有する。本発明において、フタロシアニン化合物には、フタロシアニン及びフタロシアニン誘導体(フタロシアニンから誘導される化合物)が含まれる。
(2)正孔輸送性化合物と、カリックスアレーン構造を有する芳香環化合物と、を含有する。
【0010】
先ず、上記(1)について説明する。
本発明者等は検討の結果、上記(1)の電荷輸送層を有することで、ペロブスカイト構造の結晶の表面安定性に優れた光電変換素子となることを見出した。本発明において高い安定性を得られる理由について、詳細は明らかではないが、次のように考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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